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米田柔整専門学校創立50周年記念事業セミナー開催!

2011/02/16

松岡(司会):
保護者のアンケートでは、柔道をするといじめないいじめられない子になるんですよと、かなり書かれていましたが、実際そうなのでしょうか。

吉田
僕も、所謂悪ガキで結構喧嘩とかをしていましたが、小学校4年生の時に柔道を始めて、初めて道場に行った時に僕より強い子がいっぱいいて、初めてその時に自分より強い子が居るんだと気がつきました。そういう時に、いじめられている子の気持ちが分かる。柔道を通して僕はそういうことを学んできました。

谷本
私は昨年の9月に引退しまして、20年間本当に沢山の方に応援していただいた。この中で私が得たものは何かなと考えた時に、金メダルをとったことかなと一番先に思いつきましたが、イヤそうではない。自分なりに追求していくとやはり其処に人間形成というものが大きくあり、柔道を始めたことによって、痛みや人の気持ちがわかったり、自分がどういった立場でどういう風にすると良いのか、様々なことを勉強することが出来て、人間教育といった教えを具現化していくことで自分自身の行動がとれるようになったということがありました。いじめる・いじめないの前に柔道を始めたことが切っ掛けで成長できたと思っています。

古賀
私の経験では、其処でどういった先生に出会うか。今の柔道は競技化していますから、強化を目的としてやるところも非常に多いと思うのですが、反面柔道を通して精神を養っていくところの教えが少し不足しているのではないか。嘉納治五郎先生は「精力善用・自他共栄」の精神を養ってほしいという思いを持ってこの柔道を作られたと思っていますから、指導者がしっかりした考えを持って、仲間の大切さ、弱者への心遣い、先輩に対しての尊敬の念など、しっかり鍛えていく必要があると思います。その教えを受けた子ども達は自ずといじめたりいじめられたりするところの柔軟な対応が出来るのではないかと思っています。柔道をやったからといって、決して全て良い人になるわけではなく、教えてくれる先生によっていくらでも子ども達は変わっていくと思います。

松岡(司会):
ジョン・ギャスライトさんは、大学で教えている先生側ですが、このいじめられないいじめない子という話は?

ジョン・ギャスライト
いじめの話をする前に、なんでジョンが此処にいるのかと思っている人がいっぱいいるかもしれません。実は、米田先生とは25年前からの付き合いです。その時僕は、日本に来たばかりで大学に入って家庭教師として子ども達と遊んだり、英語を教えたりしていました。今回〝いじめとか、いじめられないとか、本当の力はなんですか?〟と電話が来た時に最初〝柔道とちょっと違うな〟と思いました。でも本当に大切だということで。今日、舞台に上がる前にみんなで一緒に食事をしながら子どもの話、いじめの話になって、そこで柔道の方も同じ心を持っていると分かりました。今日は柔道の心の部分とか、いじめの話を伝えます。いじめ問題は世界中にあります。いじめ問題の原因をいろんな人が研究して、いろんな学者が調べています。1つ言えるのはパワーバランス、強さのバランスです。1人だけが強ければ、後はその強さをどうやって生かしていくのか?例えば多数の人対1人、力のバランスはおかしい。先生が凄く強く、子ども達は何も言えない、その強さと弱さのバランスはおかしい。先生が楽しい授業を作ります。でもその楽しい授業を全ての人が楽しんでいないと楽しいと言えないのです。もう1つ、力をどうやって生かしていくか。力のバランスを使って人を守る、凄く大切です。柔道では、ギブアップというのはバンバンと叩く、それで分かる。柔道は分かるけれど、コミュニケーション、言葉で言えない子がいる。人を使って、人を強くする、それは先生にとってあまり良くないと言われています。人を使って、結果を出す。全員が結果を出すのは大切です。実は僕は5歳の時に日本に来たくて、日本が大好きで、いろんな日本のことを勉強してきた。僕は体が弱かったし日本の武道は海外にないものがいっぱいあった。柔道の漢字を読める時は凄く嬉しかった。柔道って意味が分かる。柔道の「柔」は水のように優しくて、全ての人に必要。全ての人に優しいけど、強さがある。考えてみると、水は優しくてみんなに必要だけど、水は強い、固い石を削るのは水のパワーです。柔道は柔らかさ、優しさがある。柔道は、マインドとボデイのコネクション。道はその道です。柔かくて、力がある、みんなのためにあるのが柔道と僕は思います。海外で柔道の学ぶ技は何だというと、お辞儀です、それが面白いと思います。お辞儀できないと尊敬できない。相手の気持ちが分からない。そういうことが出来ないと柔道家になれない。柔道の中で一番大事な技は、お辞儀。それいいなあと思いました。