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柔道整復師国家試験対策【第9回:柔道整復学の必修項目 ―総論・上肢骨折編―】

2015/10/16
舟状骨骨折
1)
分類し、関節包内と関節包外のものにわけよ

結節部骨折
近位1/3 中央1/3(腰部)近位1/3
関節包外:結節部 関節包内:中央、近位

2)
最も多発する部位は何か

中央部

3)
疼痛が増強する肢位は

手関節伸展、橈屈

4)
圧痛部位を2つ

スナフボックス部  舟状骨結節部

5)
診断(診察)における留意事項

腫脹も出現するが、皮下出血も軽微なため、外見上は捻挫
初期X線では確認できないことがある(確認の困難)

6)
軸圧痛誘発部を答えよ

第一指、第二指からの軸圧

7)
固定範囲と肢位を答えよ

手関節伸展位、軽度橈屈位
前腕近位部から母指はIP関節手前、残りは MP関節手前
8〜12週

8)
難治な理由を答えよ

手関節運動(橈尺屈時)に剪断力が掛かる
近位骨片への血液供給が断たれ易く、阻血性壊死を招き易い
関節内骨折が多発する為に、骨膜性仮骨形成がなく、
骨癒合が遷延、偽関節形成し易い

9)
偽関節形成後の予後を答えよ

腕立てふせが困難、握手時の疼痛や握力の低下ぐらいでさほどADLに支障を来さない。

 

中手骨骨折
1)
頚部好発部位と別名を答えよ

第4、第5  ボクサー、パンチ

2)
頚部骨折部の変形と作用筋を答えよ

背側凸変形 骨間筋、虫様筋

3)
頚部整復時に、MP関節を直角位にする理由を答えよ

MP関節を直角にすることにより、側副靭帯を緊張させ骨頭に牽引力を効かせる

4)
骨幹部骨折時の横骨折時の転位、変形を答えよ

背側凸変形(遠位骨片が掌側に屈曲) 骨間筋(虫様筋、浅深屈筋)

5)
骨幹部骨折時の斜骨折、螺旋状骨折時の転位と注意事項を答えよ

回旋転位+短縮転位(屈曲転位は少ない) オーバーラッピングフィンガー(2、5) ※深横中手靭帯による。 固定肢位注意事項は頚部と動揺(但し屈曲強くしすぎないように、伸展位では伸展拘縮注意)

6)
ベネット骨折を説明せよ

第1中手骨基底部掌尺側部の脱臼骨折(関節内骨折)

7)
ベネット骨折時の発生機序 2つ

屈曲内転強制  外転強制

8)
ベネット骨折時の骨片転位と変形を作用筋と併せて答えよ

近位骨片:原位置に留まり、大菱形骨と正常な位置関係(小骨片)
遠位骨片:長母指外転筋により、橈側、短縮転位し母指内転筋により、内転屈曲変形

9)
ベネット骨折の固定肢位と固定中の注意事項を答えよ

手関節伸展橈屈+母指最大外転位
整復は容易だが、牽引力と圧迫力を緩めるとすぐに再転位し易い
整復位保持が困難。

10)
ローランド骨折について説明せよ

ベネット骨折+小骨片(背側) 複合骨折

 

指骨折
1)
基節骨骨幹部骨折時の骨片転位と変形を答えよ

近位骨片:掌側に転位 虫様筋 骨間筋
遠位骨片:背側に転位(背側腱膜)
掌側凸変形
※固定はPIP屈曲

2)
中節骨骨幹部骨折の転位に影響を与える筋は何か

浅指屈筋

3)
その筋の付着部の近位と遠位での骨折時の転位と固定法を記せ

近位:近位骨片:伸展/遠位骨片:屈曲→背側凸変形 
固定は、MP軽度屈曲、PIP,DIP伸展
遠位:近位骨片:屈曲/遠位骨片:伸展→掌側凸変形    
固定は、MP軽度屈曲、PIP,DIP屈曲

4)
末節骨骨折の好発部位はどこか

第3指

5)
末節骨骨幹部骨折の転位に影響を与える筋は何か

深指屈筋

6)
その筋の付着部の近位と遠位での骨折時の転位と固定法を記せ

近位:近位骨片:背側転位(または原位置) 
遠位骨片:掌側転位     
背側凸変形 遠位:ほとんど転位なし(爪の保護下)

7)
マレットフィンガーの発生機序を答えよ

DIP関節の屈曲強制

8)
マレットフィンガーを分類せよ

Ⅰ型:終止腱の断裂         
Ⅱ型:終止腱付着部の裂離骨折
Ⅲ型:末節骨の背側関節面を含む骨折

9)
脱臼骨折となるのはどのようなものか

Ⅲ型で⇒1/3以上で脱臼骨折

10)
それぞれの固定肢位と期間を答えよ

Ⅰ型:MP軽度屈曲 PIP直角位 DIP過伸展 6〜8週
Ⅱ型:MP軽度屈曲 PIP直角位 DIP過伸展 5〜6週
Ⅲ型:MP軽度屈曲 PIP屈曲位 DIP伸展 6〜8週

 

如何でしたか。柔整は必修問題14題、一般問題45題出題されます。一般問題の約4割程度は必修問題の範囲から出題されている傾向となりますので、柔整の必修問題をしっかりと把握しておけば、ある程度の対応は可能と成ると思います。必須問題においては、14題中、悪くても2ペケ以内に抑えておかないと合格は厳しくなります。著者の経験上、柔整で3ペケとなった人で合格した人はおりません。また、一般問題45題のうち、合格のボーダーは35題ぐらいです。したがって、柔整の必修問題の範囲を高い精度で自分の知識とすることは大変重要となってきます。これまでの解剖、生理の苦手意識の克服と共に、柔整必修項目に関しては得意としなければなりません。柔整が得意というアドバンテージは今後の勉強をすすめる上で、精神的にもかなり有意となります。今回の部分をまずはしっかりと自分自身のものとなるように励んで下さい。年内に解剖、生理、柔整必修項目をかなりの精度で把握しておくとかなり勉強上でも精神的にも楽になります。逆にこれらの教科を年明けまで伸ばしてしまうと、年明け精神的にもかなり追い込まれてしまいますのでしっかりと準備して下さい。

 

●プロフィール

西村 雅道
柔道整復師、鍼灸師、柔道整復専科教員、医科学修士
北斗総合整骨院院長 (一社)日本整体協会NSTインストラクター、柔道整復師、鍼灸師、、柔道整復専科教員、医科学修士 
平成15年より平成26年まで学校法人杏文学園東京柔道整復専門学校に在職、同校の国家試験対策を牽引。また国家試験対策塾『杏文塾』の代表として同塾を運営。著書に一般臨床ポイントマスター。現在北里大学大学院博士課程に在学。

 
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