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(公社)埼玉県接骨師会・渡邊新会長にインタビュー!

2014/03/16

昨年12月、(公社)埼玉県接骨師会の新会長に就任された渡邊寛氏に今の思いをお聞きすることが出来た。全国各県の社団が殆ど公益社団に認可、移行されたことに伴い、今後益々公益性が求められることになった。専門性の追及もさることながら如何に公益を担えるかが求められている。渡邊新会長に公益社団の在り方について話していただいた。

 

日本伝統医療の柔道整復術を守り育てると同時に機能訓練指導員としての活路を開いていきたい

(公社)埼玉県接骨師会 会長 渡邊 寛 氏

 

―阿部前会長がお亡くなりになられ、まだ悲しみもいえぬ中、インタビューさせていただくことになり、とても恐縮しております。阿部会長を偲ばれる思い出もお聞かせいただければと思っております。何かエピソードなどお聞かせください。

昨年の11月29日に亡くなられました阿部前会長は非常に大きな人物で大木のように寛容な方でしたから誰もが敬愛し慕っておりました。

仕事に関しても、“責任は俺がとるから貴方達は自由に働きなさい”といつも穏やかな口調で怒ることもなく、実に威風堂々とした方でありました。また、おしゃれでスタイルを気にする方であった。相撲の現役時代腰を痛め決して姿勢はよくなかったが一昨年胃を全摘した時も痩せないと思っておりましたら、しっかりと多めにサラシを巻いて誰にも気づかれない様にしていたと後で家族の方に聞かされた実に洒落た人でありました。

柔道整復師としての誇りを持ち、患者さんの為、業界の為、骨身を削りながら一生懸命やってきたことは私も頭が下がる思いです。

 

―新会長に就任されて所信表明として新たな決意などお気持ちをお聞かせください。

このたび、会長逝去に伴い会長に就任いたしましたが、阿部一前会長並びに渕辺吉博元会長また諸先輩たちが、わが業界の確固たる盤石な基盤を築きあげていただいたお蔭もあり、役員・会員の協力、お力を頂き正直、不安もありましたが自然に受け入れられることができました。また、事務局員が優秀でしっかりしていますから会長をお引き受けできたのかと思います。

今の時代、ドラスティックなことを中々語れる時代ではないと思います。一番大事なのは、基本的な事でありますが、役員、会員の皆様がそれぞれの立場で全力を尽くすことだと思います。日整の役員は日整でやるべきことを、私たちは県としてそして支部の先生方は支部として何ができるのか各人が自分の目の前にあることをしっかりと行っていくことが大切です。誰かに期待していても目標が成就することは難しいと思います。

これからの公益活動にしても地域のことを一番に肌で感じている会員の目配りが可能です。地域住民に対しスポーツ大会の救護、小・中学校のスポーツクラブへの協力等出来る範囲内のことを実施していくこと。その集大成が大きな組織の力になると思います。

無理に力んでする必要はないのではないでしょうか。ひたすら誠実に、そして前向きに、人任せでなく夫々が自分の出来ることを精一杯尽くすことです。

私達柔道整復師は機能訓練指導員という資格があり、次への突破口を開くことへの道筋がついたように感じます。飛躍するようですが、人類が石油を発見してただ燃料としてだけではなく石油化学製品、薬品、エネルギー、光にもなれば熱にもなるといった様々な使い道が開発されました。そんな風に柔道整復師がこの機能訓練指導員をどのように活用していくかが大切だと考えています。介護の世界に正式に参入できる職種であり、今後要支援1・2は県から市町村に移ると思いますので、市町村における私達柔整師の活動する場が広がって来ると思います。このような状況にありますので、各市町村長・行政関係等との連携を今まで以上に柔道整復師をよく理解していただくような働きかけが重要になってきます。そのためには納得のいくような事業計画書、機能訓練計画書とその効果についてのデータを示し担当者に理解して頂くようお願いしていくことが、柔道整復師の技術を生かした地域貢献、それを通じて高齢者の方々に貢献できることを全面的に訴えて行けば良いのではないかと考えております。

 

―近年、災害が多発し、今後どうなるか分らないといった危機感や不安感を募らせている国民が大半かと思います。(公社)埼玉県接骨師会の災害協定や災害救護の取組みなど教えてください。

各支部において市と埼玉県接骨師会の支部が災害協定を締結しております。一括りに災害といいましても、災害発生直後と時間が経過したものでは違いがあります。発生直後は支部が中心になり主導的にしなければなりません。東日本大震災で被害に遭われ埼玉アリーナに避難された方々、原発被害で旧騎西高校に避難されてきた双葉町の方々等、時間的経過を経た方々の場合は、理事会等で、バックアップ体制を整えた上で県としての対応ができます。災害直後に関しては支部長を通じ、各支部が中心となり、時間的経過と共に主導が県に移って行く形です。阪神大震災の時もそうでしたが直下型で他の地域は被害を受けずに済んだように、仮に埼玉県で震災が起こっても15支部全域が壊滅状態ということは考え難いと思われます。正確な状況判断をしながら被害をあまり受けなかった支部が救援に行くことになると思われます。従って直後の救護体制と時間的経過を経た時の救援体制とを別に考えておく必要があります。

 

―そういった支援体制をシステム的に組まれているのでしょうか?

実際に未だ大きな災害に遭遇しておりませんので、完璧な体制が構築されているとは申し上げられません。ただ3年前の東日本大震災以降、福島県双葉町の方が1300人位旧騎西高校に避難され、その方々に対して当会の地元支部会員を中心に周辺支部会員の協力のもとローテーションを組み対応をさせていただきました。この取り組みは、1つのモデルケースになるような良いケースだと思います。発生直後と時間が経過した時の救護体制の違いを考えて、災害の中身をしっかりと分析しなければなりません。柔道整復師はレントゲンを使えませんが、外傷の部分においては判断等しっかりできると言えます。もう1つ、骨折であっても、又たとえ疑わしいものであっても応急処置を行う。骨折の場合、その時にきちんと整復・固定をしてあげた後でも十分対応できます。また重篤な患者さんの場合はその時点で病院を紹介することが可能であり、受傷直後の対応は良いものが出来ると思います。

 

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