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柔道整復師国家試験対策【第8回:生理学のポイント ―尿の生成~感覚編―】

2015/09/16
筋肉
1)
随意筋と不随意筋

随意筋:骨格筋
不随意筋:心筋・平滑筋
※骨格筋、心筋は横紋筋
※横紋筋と平滑筋の違い:筋原線維(アクチン、ミオシン)が規則正しく配列しているか否か

2)
筋原線維の構成

蛋白質フィラメント(アクチンフィラメント、ミオシンフィラメント)
ミオシンの方が太い、筋収縮は、ミオシンフィラメントのクロスブリッチがアクチンフィラメントを引き込むことによって発生

3)
トロポニン、トロポミオシンの存在部位

アクチンフィラメント

4)
トロポニンに結合するイオン

筋細胞内の筋小胞体から放出されるカルシウムイオン

5)
トライアッド構成要素

筋小胞体の側嚢、横行小管

6)
筋収縮の発現機序

運動神経終末からアセチルコリン分泌
→筋細胞膜の運動終板にあるアセチルコリン受容体に結合
→筋細胞膜の興奮
→細胞膜の興奮が横行小管によって筋小胞体の側嚢に伝わる
→筋小胞体からカルシウムイオンの放出
→トロポニンにカルシウムイオンが結合
→アクチンとミオシンの結合(ミオシンのクロスブリッチがアクチンと結合)
→クロスブリッチによるアクチンの引き込み運動(筋収縮)(エネルギー消費)
→アクチンとミオシンの結合解離とトロポニンに結合しているカルシウムイオンの回収(エネルギー消費)
→筋弛緩

7)
単収縮、強縮(完全・不完全)の定義

単収縮:1回の活動電位に対して筋肉が収縮弛緩する過程
強縮:単収縮が加重したもの(峰が出来れば不完全、出来なければ完全)

8)
静止張力と活動張力の定義

静止張力:弛緩状態にある筋を伸ばすことによって発生する張力、静止張力を発生する時の筋長を静止張力
活動張力:アクチン、ミオシンによって発生する張力、静止長付近でもっとも強い

9)
単・多ユニット平滑筋の特徴

単ユニット平滑筋:ギャップ結合を持ち、自動性を有している。中小血管、子宮筋、胃腸管筋
多ユニット平滑筋:自律神経単独支配。大血管平滑筋、立毛筋、瞳孔括約筋、瞳孔散大筋

 

感覚
1)
感覚の分類

特殊感覚、一般感覚(体性感覚・内臓感覚)
※体性感覚:皮膚感覚(表在感覚)、深部感覚

2)
特殊感覚の種類と受容器

視覚:網膜杆状体、錐状体 聴覚:コルチ器 平衡覚(加速度):耳石器・膨大部稜

3)
体性感覚の種類と受容器

【皮膚感覚】
触―圧覚:(ルフィニ小体、メルケル板、パチニ小体、マイスネル小体)
温覚:自由神経終末
冷覚:自由神経終末、クラウゼ小体
痛覚:自由神経終末
【深部感覚】
位置覚、振動覚:ルフィニ小体など
※筋伸張:筋紡錘、
※筋張力:ゴルジ腱紡錘
※深部痛覚:痛覚

4)
相動性受容器と持続性受容器

相動性受容器(順応し易い):触覚受容器(パチニ小体)
持続性受容器(順応しにくい):深部感覚、内臓感覚の受容器、痛覚、冷覚

5)
二点弁別閾の最小部位

手部(指尖部)、顔面部(舌)
※背中、上腕、大腿は大きい

6)
触圧覚・温覚・冷覚の分布密度の順番

触圧覚>冷覚>温覚

7)
一次痛、二次痛の特徴

一次痛:Aδ線維(機械的侵害受容線維) 鋭い 局在明瞭 早い痛み
二次痛:C線維(ポリモーダル受容線維) 鈍い・疼き 局在不明瞭 遅い痛み

8)
体性感覚野・体性運動野の体部位再現の特徴

足が上方、頭部が下方 (足部⇒下肢⇒体幹⇒上肢⇒手部⇒頭部)
手指、顔面部が広範囲

9)
可聴周波数の下限と上限

可聴周波数:
下限15〜20㎐
上限20,000㎐

10)
最も感度がよい周波数帯

500〜3000㎐

11)
眼球での光の屈折面

角膜、水晶体
※通光器官:角膜、眼房(水)、水晶体、硝子体

12)
近距離調節時の毛様体筋、水晶体の変化

近距離調節:毛様体筋収縮⇒毛様体小体弛緩⇒水晶体厚くなる⇒主焦点距離縮小

13)
杆状体細胞と錐状体細胞の視物質

杆状体細胞:ロドプシン(ビタミンA)
錐状体細胞:ヨドプシン

14)
暗順応と明順応

暗順応:最初に錐状体が完成、その後杆状体が完成
     約20分⇒光の受容能力が向上
明順応:暗順応の消失 数分

15)
視力の最も鋭い部分と盲点

鋭い部分:中心窩
盲点(マリオットの盲点):視神経乳頭部

16)
舌の反応閾値

甘味:舌尖部
酸味:舌縁
塩味:舌尖、舌縁
苦味:舌尖、舌根

 

如何でしたでしょうか。尿の生成16項目、神経39項目、筋10項目、感覚16項目の計81項目を提示しました。この部分からの出題は多く、5〜8題は出題されています。また必須問題としても出題される可能性が高い部分でもあります。またこの部分は教科書等にも細かな部分まで記載されていますが、今回提示した部分を理解し整理して記憶すれば十分に対応出来ると思います。7月から3回にわたり生理学をお送りしました。解剖学、生理学への苦手意識の克服は合格において必要不可欠となります。逆に、解剖、生理学を今のうちから体系的に整理しておけば5割型合格に近づいていると行っても過言ではありません。少々出遅れてしまったユーザーもいらっしゃるかもしれませんが、10月末までに、これまでお送りした解剖、生理学を把握しておくように予定を立てて取り組んで頂きたいと思います。次回は、柔道整復学か一般臨床のどちらかをお送りしようと思っております。では、健闘を祈ります。

西村 雅道

●プロフィール

西村 雅道
柔道整復師、鍼灸師、柔道整復専科教員、医科学修士
平成15年より平成26年まで学校法人杏文学園東京柔道整復専門学校に在職、同校の国家試験対策を牽引。また国家試験対策塾『杏文塾』の代表として同塾を運営。著書に一般臨床ポイントマスター。現在北里大学大学院博士課程に在学。

 
 
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