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柔道整復師国家試験対策【第7回:生理学のポイント ―消化吸収~骨編―】

2015/08/16

今回で7回目となる国家試験対策講座。前回に引続き生理学の主要ポイントをお送りさせて頂きます。毎回言わせていただきますが、早い時期からの準備が大事となります。夏が終わるまでには、解剖学の主要ポイントと今回までの生理学2回分の内容はしっかりと記憶となるよう取り組んでください。さて、今回は、消化吸収、代謝、体温、内分泌、生殖、骨の生理学のポイントを提示します。

 

消化吸収
1)
唾液中の消化酵素(対象栄養素も)

唾液αアミラーゼ(プチアリン)  糖質

2)
胃液中の消化酵素(対象栄養素も)

ペプシノーゲン(ペプシン)  蛋白質

3)
膵液中の消化酵素(対象栄養素も)

膵αアミラーゼ(アミロプシン)⇒糖質
αグルコシターゼ(マルターゼ)⇒糖質
トリプシノゲン(トリプシン)⇒蛋白質 
キモトリプシノゲン(キモトリプシン)⇒蛋白質
プロカルボキシペプチターゼ(カルボキシペプチターゼ)⇒蛋白質
膵リパーゼ(ステアプシン)⇒脂質

4)
腸内の消化酵素(対象栄養素も)

αグルコシターゼ(マルターゼ) ⇒糖質
スクラーゼ ⇒糖質
ラクターゼ ⇒糖質
アミノペプチターゼ ⇒蛋白質
腸リパーゼ ⇒脂質

5)
消化管ホルモン3つと作用

ガストリン:胃壁の運動亢進、胃液の分泌亢進
セクレチン:膵(重曹水)分泌亢進、肝細胞より胆汁分泌促進
コレシストキニン:膵液(酵素)分泌、胆嚢収縮

6)
各消化管における物理的消化

口腔:咀嚼運動
咽頭食道:嚥下反射・蠕動運動
胃:蠕動運動
小腸:分節運動・蠕動運動
大腸:分節運動・振子運動・蠕動運動・大蠕動

7)
体液性調節しか受けない消化腺

唾液腺 残りの消化腺は神経性と体液性の両者による調節

8)
糖質(グルコース)の吸収法

グルコース担体を用いた二次性能動輸送(ナトリウムイオンと共輸送)
その後、毛細血管へ

9)
蛋白質の吸収法

糖質と同様にアミノ酸担体を用いた二次性能動輸送(ナトリウムイオンと共輸送)
その後、毛細血管へ

10)
脂質の吸収法

グリセロールはそのまま細胞膜を通過  
脂肪酸は混合ミセルによって細胞内へ
両者は細胞内で再び中性脂肪に再合成され、カイロミクロンとなりリンパ管へ

11)
胃液の分泌機序で最も多い機序

胃液の分泌機序で最も多い機序

12)
肝機能

栄養素の貯蔵(グリコーゲン合成・分解、中性脂肪合成・分解)、糖新生
血液凝固因子の生成(プロトロンビン・フィビリノーゲン)、血漿蛋白(アルブミン)
生成、血中異物の貪食・有害物質の無毒化(尿素の生成)、胆汁の生成

13)
胆汁の構成成分

水分、胆汁酸塩(胆汁酸)、胆汁色素
胆汁酸:肝細胞でコレステロールから生成
胆汁色素:肝細胞で間接ビリルビンをグルクロン酸抱合した直接ビリルビン

 

代謝
1)
五大栄養素と三大栄養素

五大栄養素:糖質、脂質、蛋白質、ビタミン、無機物
三大栄養素:糖質、脂質、蛋白質

2)
栄養素の貯蔵型

グリコーゲン、中性脂肪

3)
グリコーゲンの貯蔵臓器

肝臓・筋

4)
多糖類、二糖類、単糖類の代表例

多糖類:でんぷん
二糖類:マルトース(麦芽糖)、ラクトース(乳糖)、スクロース(蔗糖)
単糖類:グルコース(ブドウ糖)、ガラクトース、フルクトース(果糖)、リボース

5)
タンパク質機能

免疫、血液凝固、膠質浸透圧、物質運搬 受容体構成分、輸送体構成分、酵素の構成分
人体固形物の主要素(コラーゲン等)

6)
蛋白質の最小単位と結合

アミノ酸、ペプチド結合
アミノ酸⇒オリゴペプチド⇒ポリペプチド⇒蛋白質

7)
脂質の分類と働き

中性脂肪:貯蔵型エネルギー源
遊離脂肪酸:エネルギー源
リン脂質:細胞膜の主成分
コレステロール:ステロイド化合物の母体(ステロイドホルモンなど)

8)
脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの種類

脂溶性ビタミン:VA,VD,VE,VK
水溶性ビタミン:VB、VC
※脂溶性ビタミンは体内貯蔵可能、水溶性ビタミンは体内貯蔵不可
※ビタミンは体内で合成不可能(VDに関しては、皮膚で紫外線作用により可能と成る)

9)
人体で最も多く発生する代謝産物

水素イオン、炭酸、二酸化炭素

10)
中間代謝吸収期と空腹期の主要なエネルギー源

吸収期:グルコース
空腹期:脂質(※中枢神経はグルコース)
吸収期:摂食後3〜4時間前後
空腹期:吸収期後3〜4時間前後

11)
中間代謝吸収期と空腹期に分泌されるホルモン

吸収期:インスリン
空腹期:グルカゴン、副腎皮質ホルモン、副腎髄質ホルモン、成長ホルモン

12)
グルコースしかエネルギー利用できない組織

中枢神経組織

13)
グルコースからのエネルギー発生反応

解糖系、クエン酸回路・電子伝達系
グルコース → 解糖系 → クエン酸回路・電子伝達系 → 水と二酸化炭素
※解糖系:乳酸を発生させる為に、乳酸産生反応とよばれる。細胞質で無酸素的に起こる
※クエン酸回路、電子伝達系:ピルピン酸

14)
脂肪酸からのエネルギー発生反応

β酸化

15)
尿中窒素量から算出されるもの

蛋白質酸化量

16)
呼吸商の定義

二酸化炭素排出量と酸素消費量の比
糖質:1.0 蛋白質:0.8  脂質:0.7

17)
アトウォーター係数

糖質:4.1kcal 蛋白質:4.2kcal 脂質:9.3kcal

18)
エネルギー代謝の種類

基礎代謝、睡眠代謝、労作代謝、食事誘発性熱反応(特異動的作用)

19)
基礎代謝量の説明

覚醒時の生命維持に必要な最低限のエネルギー量
(摂食後12~14時間、精神的・肉体的安静状態で、20~25℃の快適環境のもと)

20)
基礎代謝量の増大要因

温度(冬>夏)、年齢(乳児・思春期>高齢者)、栄養状態(過食>絶食)、ホルモン(甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、副腎髄質ホルモンなど)

21)
体内のATP産生反応

クレアチンリン酸機構(ローマン反応)、乳産性機構(解糖系)、好気性エネルギー産生機構(クエン酸回路・電子伝達系)

 

 
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