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未来健康共生社会研究会・第2回公開シンポジウムを開催!

2014/03/16

去る3月6日、未来健康共生社会研究会第2回シンポジウムが午後1時から東京大学医学部教育研究棟13階セミナー室で開催された。

2013年12月に開催された統合医療学会第20回大会で渥美前理事長が話されたようにコンソーシアム構想が既に動き始めていた。今回のシンポジウムでは、大物著名人が講演を行い、また会場には大手企業をはじめ新しい産業を創出しようと意欲的な企業の担当者が大勢つめかけた。

歩を一歩も休めることなく前進し続けてきた統合医療学会の成果がいよいよ実を結び始めている。

 

『「未来健康共生社会」とは』
未来健康共生社会研究会代表・東京大学名誉教授 渥美和彦氏

未来は、統合医療になる。1つは東西文明が衝突をして東の医学と西の医学が融合することになる。考え方が違うため衝突と融合を繰り返すことになる。非常に重要なのは社会資源が有限であるということで、そんな関係から未来健康共生社会を考えるに至った。統合医療は、患者中心の医療であり、全体医療である。体のみならず心の問題或いは社会の問題、霊性までをも含めた全体医療が統合医療の本質であると思われる。治療のみならず予防・健康・長寿、生まれてから死ぬまでの包括医療を目指していく。従って統合医療は非常に広い概念で、今までのような医療産業、健康産業だけでは間に合わなくなって生活環境を含めた社会的な非常に大きな産業になる。これからの健康を考える場合には、着れば健康になる衣服、或いはそこに住めば健康になる住宅、例えば森林浴を住宅の中に実現する等、今後検討していきたい。

東日本の大震災以降、世界は日本を見ている。大震災から何かを学んで世界に発信してくれるであろうと期待しており、我々はそういうものをこれから世界に発信していきたいと思っている。ライフラインであるガス・電気・水道が絶たれると残念ながら西洋近代医学は役に立たなかった。近代医学は使いたいけれど使えない。そこで使える医学を我々は実践しておく必要がある。災害というのは日本のみならず世界で必ず起こってくる、我々が其処で経験し学んだものを世界に発信していくことが大きな貢献であり、それを利用した企業が生まれるに違いないと我々は考えている。

もう1つ、地球の資源は有限であり、これから地球は大きく1つになっていく。アフリカでもアメリカや日本と同じような医療を要求するようになってくる。近代的な医療を持って行ったのでは役に立たない、そういう地域で役に立つ医療を日本のモデルで示す必要がある。それが今日の会の1つの中心になる。

あと1つは、治療だけでは間に合わないのではないか。予防すべきではないか。予防は医学において考えられてきたが、この数年ほど強く予防中心の医療を考えた時期は少なかったと思われる。これから予防医学をどのようにして進めるかということを日本に限らず世界に進めていきたい。それから贅沢な医療が沢山あり、もう少し肉を削いで本当に必要な医療に切り替えていく必要がある。

3番目に重要なことはセルフケアである。病院に行くと治ると思っている人が多い。しかし病院に行っても治らない病気は沢山あって治らない。病院に行く前に自分たちでセルフケアを心がける。装着型の予防センサーから予防センターに情報が送られ、その情報がデータバンクに集積される地域型予防医療システム・被災予防センターをつくる。データバンクに集めたデータは資産になる。エコ医療は、あまりお金のかからない医療で、再生医療は典型的なエコ医療である。統合医療はエコ医療なんである。病気になって治すことよりも病気にならない方が良い。生活習慣病対策、禁煙、節酒・呼吸・運動・睡眠は6時間位が良い等、セルフケアを心がけて、その他代替医療(ハリ・指圧・ヨーガ・気功等)をやれば体に良い。

新しい統合医療のコンセプトは、①従来の医学、健康学を越えた健康維持・増進の考え方②人間社会の生活全体が支える個人の健康③従来の健康・医療の需要に加えて、衣・食・住、移動などの生活を含んだ人間社会全体がかかわる健康を実現することである。未来健康医療産業は従来のものではなく新しい血を入れなくてはならない。農水省も健康な食品を考えていく。衣料・住宅・建築、今までの枠から離れたものをやっていく。未来健康産業は非常に幅広い。幸福な平和社会の実現、何のために生まれ、何のために生きているのか、幸福になるためである。各人が幸せを望む社会がこれからの社会の目標になる。地球の持続的な発展、多様な価値の共存、人間と自然の共生。日本が高齢化社会の実験を行っているその先頭に立っているので世界に示す必要がある等、これからの医療はどうなるか。これからの社会はどうなるかということを主に提言を行った。

 

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