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痛みの診える柔整師【瑞穂接骨院】
〔症例5〕行軍骨折(中足骨疲労骨折)
患 者 :39才、男性
原 因 :ゴルフで歩いていた時に足を痛めた。以前よりずっと軽い疼痛は
あったが、その日は特に痛かった。
症 状 :圧痛(第3中足骨と第2中足骨間)、軽度歩行時痛。
経 過 :最初に整形外科受診し、レ線には異常がないと言われたが、症状は
疲労骨折に似ているという説明を受けた。骨には異常がないとの話で、
エコー観察を希望されて来院。
骨の不整像などの異常所見は得られなかった。しかし、ドプラーモードでは第2、第3中足骨間で異常な血流情報が得られ、行軍骨折の可能性大と思われた。固定を拒否されたため、ファンクショナルテーピングを施行して、体重のかかる位置のバランスを良くして、分散させる施術をし、経過は良好であった。 下記はその後の経過と正常側との比較である。
〔症例6〕傷病名なし
患 者 :中学3年生、バレー部、男子
原 因 :バレーボールプレー中、ジャンプして着地の際、ふくらはぎを痛めた。
症 状 :歩行可能、跳躍時疼痛・圧痛あり。
試合間近のケガだったため、試合に出場可能かどうか正確な判断が必要な症例でしたが、fibrillar patternも乱れがあるのかどうか微妙で、血腫の有無もはっきりしなかったため、一見、異常が無いようにも見えました。更にドプラーによる血流反応も見ましたが、受傷後1時間ほどだったためか、異常所見は得られませんでした。そして臨床症状も歩行は可能だったため、以上から考えると一時的なもので軽症、と判断してしまうところですが、このようなケースではスポーツ復帰時期の正確な判断が必要となり、判断を誤ってしまうと症状が悪化し、試合どころか大きな外傷に発展してしまうことにもなりかねません。そこで、この場合ではティッシュエラストグラフィー(以下、エラスト)により硬さ特性をエコー画像で見ました。すると僅かな異常を捉えており、健側と患側を比較すると、健側では均一な硬さ特性を持つ腓腹筋に対し、患側では深層で柔らかく、浅層で硬くなっていることがこの画像から判断出来ます。このことから僅かな損傷があると推察されたため、1週間ほど運動中止とし、適切な施術を施し、無事試合に間に合わせることが出来た症例です。
患側:画像右側のBモード画像では一見異常はなさそうに見えるが、エラストグラフィーで硬さを見ると、同じ腓腹筋内なのに、赤丸の深層部分だけ偏っては柔らかくなっていることがわかる。
健側:黄色で囲んだ健側の腓腹筋では、均一の硬さ特性がみられる。
〔症例7〕頸部捻挫
患 者 :35才、女性
原 因 :交通事故で追突され、頸部を負傷され来院。
症 状 :いわゆるムチ打ちに見られる急性期の症状で頸部の動きが全く出来ず、
日常生活も困難となっていた方です。
お仕事もされておられる主婦の方でしたので、非常に困っておられたこともそうなのですが、交通事故に初めて遭われた方で、あまりの疼痛の激しさから、後遺症が残ってしまわないかなど、精神的にも不安になっておられました。受傷後すぐに、整形外科を受診し、レントゲン検査で異常なしと言われ、シップ薬と内服を出され、薬がなくなった頃に見せてください、と指導があったそうですが、しかし時間の経過と共に疼痛がひどくなってきたため、不安になってきたそうです。当院へ来院された時には、運動制限が激しく、強い炎症症状が起こっていることは臨床症状から推察出来ますが、下のエコー画像を見てもらえればおわかりになるように、患側の頸部では表層にある僧帽筋よりも、下層にある肩甲挙筋で筋が硬くなっていることがわかります。そういった説明を患者さんにして、そのためにこの緊張している筋を緩める治療が必要だということと、現在炎症症状が強いため、積極的な治療はかえって症状を強くしてしまうおそれがあるので、先に炎症を下げることが必要で、そのあとから硬い筋を緩める治療で回復が期待出来ることをご説明させて頂きました。この方は、レントゲン検査で異常がないと言われたのに、どんどん疼痛が激しくなってきたことに不安を抱かれており、当院の説明に納得され、激しい疼痛の原因がわかったことで安心出来たと喜んでおられました。結果的にはこの説明で患者さんから信頼を得ることが出来たため、こちらからの指導も積極的に受け入れて頂き、うまく治療が出来た症例です。
※赤色で表示されている領域が柔らかい組織を表しており、青色で表示されている領域が硬い組織を表しております。こちらは患側の画像で、下層にある肩甲挙筋が上層にある僧帽筋よりも硬くなっていることがわかると思います。
こちらは健側の画像で均一の硬さであることがわかります。