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特集

痛みの診える柔整師【瑞穂接骨院】

2011/12/16

―超音波で観るような患者が来ないのでは?

これはきっぱりと100%無いと言い切れます。そもそも柔道整復師は外傷を扱う職業です。外傷を診る上で「生体内を画像診断装置で診る必要がない」なんてあるはずがありません。最近は、我々の業界もなかなか患者が集まらず、厳しいと言われる先生方の声もよく聞きますが、私が開業した20年以上前と今では、業界は間違いなく変化してきていると思っております。以前はご年配の高齢者の寄り合いの場となり、経営が成り立っていた接骨院も多かったと思います。しかし、こういった高齢者は現在では介護保険が充実した影響もあり、接骨院には来院されなくなったと思います。これは当院においても同じで、20年前に比べて今では高齢者の受診者数は減少傾向です。開業した頃は年代別で見ると圧倒的に高齢者が多かったのですが、現在多いのは10代の中高生で、スポーツで怪我をされた方です。
また、近くに整形外科があって、レントゲンも撮ってくれるので、患者がみなそちらに流れていって大打撃を受けている、といった類の話もよく耳にしますが、実は当院も100m離れたところに大きな総合病院がありますし、その他にも1km圏内に個人の整形外科が4軒あります。もちろんそれ以上にたくさんの接骨院もあるのですが、当院にはたくさんの外傷患者が来院します。近隣に整形外科が5軒あっても、何故接骨院に来るのかと疑問を持たれるかと思いますが、これは皆川先生の言葉にもございますように「レントゲンでの診断には限界がある」という認識が世間に広がってきているのだと思います。来院された方の多くは『レントゲン=骨、エコー=骨、軟部組織』という認識が既にあるのです。ですから、「整形外科に行ってレントゲンに異常がないと言われたけど、痛みが取れないから見てほしい」ということを言われて、多くの方が来院されている訳です。それだけ患者さんは、ご自分の身体の状態を正しく知りたい、納得した上で治療を受けたいということなのだと思います。医療機関が増えたことにより、患者さんは『医者の言うとおりにしていた』時代から、『納得した上で、納得出来る治療を受けたい』という時代になってきたということではないでしょうか?

 

―装置が高価で、導入費用が割に合わない気がするのですが・・・

当然、我々柔整師は検査料が算定できる訳ではありませんので、目に見えて利益がどんどん生まれるということはありません。ですから同じ柔道整復師の先生方からは、何百万もかけて超音波エコーを入れるくらいなら高い治療器を入れた方がいいと言われたりしますが、そんなことは私自身、一度も思ったことはありません。例えば、先生方ご自身が専門外である内臓器の具合が悪かったとします。専門外ですから医師の言われることを信じて治療を受けることになりますよね?その時になんの検査もせず、触診だけで「肝炎ですね」と言われるのと、超音波エコーで肝臓のスクリーニングをしてもらって「肝炎ですね」と言われるのでは、どちらが安心出来たか考えてもらえればわかると思います。我々も内臓器のことに関しては患者と同じく素人。でも触診だけではなく、生体内をエコーやMRIなど画像診断装置で撮った画像を見た上で診断を下された方が、納得して治療が受けられませんか?さらに同じ治療を受けて、自覚症状が改善してきた経過を見ていく上でも、触診と問診だけで「良くなっている」と言われるのと、患部の画像を撮ってもらって、初診時と現在の画像を比較して、どこがどのように良くなったのかを説明してもらった上で「良くなっている」と言われるのとであれば、みなさんはおそらく前者の病院よりも、画像診断装置で画像を撮って診断する後者の病院を選びませんか?接骨院においても一緒だと思います。つまり、『安心感』が違うわけです。その証と言えるかどうかはわかりませんが、患部の状態をエコーで評価して欲しいと希望して来院される患者さんは現在も増えておりますので、この超音波画像を使った、論拠に基づいた柔道整復術というものが、地域の皆様に受け入れられており、結果、導入費用に見合った以上のものがあったということだと思っております。