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痛みの診える柔整師【瑞穂接骨院】

2011/12/16
〔症例3〕踵骨前方突起裂離骨折

患  者 :50才、女性
原  因 :段差を踏み違えて、右足を捻挫。
症  状 :跛行、運動痛、圧痛、腫脹。
経  過 :疼痛著しく歩行困難だったため、救急で総合病院受診し、レ線検査
                    するが異常なし。翌日もう一度整形外科を受診するよう指示があり、
                    整形外科を受診するも異常なしで捻挫の診断。1ヶ月経っても痛みが
                    引かないため、別の個人整形外科医を受診したが異常なし。更に1ヶ月
                    経っても痛みが引かず、接骨院に受診し関節がズレてしまっていると
                    言われる。2ヶ月通院してみたが回復しないため、別の整形外科受診し
                    腰からの症状であると診断される。その後、受傷後約4ヶ月経った頃、
                    段差で踏み違えて負傷され、当院を受診された。疼痛を訴えている
                    場所は経過が長いため、今は足全体が痛いと訴えていたが、レ線で
                    異常がないと言われて4ヶ月経っても苦になるほどの痛みということで
                    あれば、レ線に写らなかった症例を考え、年齢、受傷機転から、二分
                    靭帯の付着部である踵骨前方突起骨折をまず第1に疑ってみた。

圧痛は写真赤矢印で強い圧痛を確認した後、エコーで観察した。

case0301

すると、やはり異常と思われる所見がみられた。健側と患側を比較すると、腫脹でかなり患部が肥厚していることがわかる。この方に状態の説明をして、医師へ対診した。この時、この画像データを紹介状に添付して送ったため、紹介先医師はこの部位を特定してレ線で確認したため、『踵骨前方突起骨折』の診断を頂くことが出来た。この部の骨折は、直接荷重のかかる場所ではないため、ひどい疼痛がみられにくいのが特徴でもある。しかし、この方の場合、営業職のため1日約10kmは歩かれるため、ここまでひどく疼痛が出てしまったものと思われた。このような医師との連携で、多くの医療機関でわからなかったものが見つけられることもあり、4ヶ月もの間、足の疼痛に苦しみ、どこを受診しても『異常なし』と言われ、決定的な治療法が見つからず、精神的にも参っていた患者さんのお役に立つことが出来た。この方からは感謝され、医師からもよく見つけたとお褒めのお言葉をいただき、柔道整復師として冥利に尽きる症例であった。

case0302

※左:患側 右:健側

case0303

 

〔症例4〕腓腹筋外側頭挫傷

患  者 :13才、男児
原  因 :1週間ほど前、野球部の部活動でランニングしていた時に、左膝窩に
                    激痛が走り、その後、膝を完全に伸展出来なくなり、痛みが引かない
                    ため来院。
症  状 :圧痛(膝窩の外側)、運動痛・運動制限(完全伸展不可)、歩行時痛。

case0401

※この写真で示すとおり、これ以上の伸展は可動域制限があり出来ない。各種膝の検査を施行するも、あまり決定的な所見は見られなかったが、圧痛は明らかに膝窩の外側あたりに見られたため、同部位をエコーにて観察した。

case0402

※左:患側 右:健側

エコー画像から、腓腹筋外側頭起始部付近に患側には血腫と思われる(赤丸)異常所見が見られ、圧痛部位と一致した。この場合も、臨床症状などから判断するとたくさんの選択肢があり過ぎて、結論までたどり着くのは困難であっただろう。しかし、この症例でも原因が特定出来れば、あとは腓腹筋の挫傷に対する施術で治療プラン、スケジュールもたてることが出来る。活発な部活動をされる中学生の時期においては、試合のスケジュールなどの心配もあるため、適切な判断が求められる事例であろう。