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関西・中部地区「柔整師会議&保険者会議」開催!

2011/11/16

主催者側からは〝国家試験に受かって柔整師になって開業するのは自由です。公的な資金である保険を扱うには認定されなければダメだという認識を持っていただくことが認定制度の出発点である。この制度は実現可能で、スピーディにやりたいと思っているので、現在の制度を改正するやり方でなければ、既得権がある為に納得してもらえない。ハードルをあまり高くしたら業界人は付いてこない。柔整師の先生方は支給基準の方に興味があると思われるが、保険者さんは支払いたくない。しかし制度を作ってキチンと施行して、現在の実態に合わせた基準をつくりましょうということで指針を作った。あくまでもこれは指針であり、この制度が出来あがってから支払機構で基準を作ってもらう。あと2~3年で勝負をかけたい。傷病名は書かなくてよいとあるが、負傷の範囲・程度・状況を具体的に書きなさいとしている。既存の組織に刺激的なことはしないで着地点が見つかれば良いと考えている。試験財団が考査を行ってくれるかどうかというのは全くまだ未知数である〟等述べ、試験財団が実施してくれなかった場合の策として、交渉を粘り強く続ける一方でスピード化をはかるため、自前でしっかりケーススタデイ等の保険講習を行い、認定登録を行い審査支払いを一括していく旨を初めて明らかにした。最後にオブザーバーとして参加された2名から感想があり、終了となった。

 

■11月7日に開催された、関西・中部保険者会議

翌日の11月7日(月)、場所を大阪(ホテルモントレ大阪)に移して関西・中部保険者会議が開催された。

『患者と柔整師の会』患者代表の今城氏から〝柔整診療に対し批判的な意見もあったが、最近は私達の取り組みに対し柔整診療の必要性を理解し、積極的に改革案の提案を頂けるようになった。改革試案は柔整業界が纏まって作ったものではないが、社会に信頼が得られるシステムに改善し、業界の取り組みとして進めていきたい。私達の会やJB日本接骨師会だけでは改革はできません。保険者の方々のご支援、ご協力が必要であります〟等、挨拶。次に、資料説明が行われた。

司会進行役の本多氏から〝出発点は不当・不正請求をする柔整師を撲滅する為の対策であった。しかしその後、保険者さんのご意向や実情を聞いている中で、不正撲滅の視点だけでは解決できないほど問題が大きいと気がついた。元々日整さんが1つの団体で療養費受領委任払いの制度を運用していた時代はよかったが、手続き的取り決めがない個別請求を認めてしまったところに原因がある。2つの解決方法があり、1つは日整さんの団体に全員が入ることであるが、現実的に不可能である。また団体に入るのを嫌がる人に強制的に入会させるのは憲法上の問題も発生するため、登録制度を作るしかないのではないか。質の底上げ、マナーの底上げも必要で、主たる目的は支払業務を円滑にすることであるが、もう1つ大きな目的は、登録者の情報を管理することである。認定登録制度の中では経営者の氏名も職歴も連絡先も書くようになっており、もし問題が起こった場合は刑事告発もできるような形を作ることで、反社会的勢力と思われる人達が経営に参加できないようにしていきたい。そういう意味でも登録制度はこの改革のキーポイントである。支払基準の指針を提示したのは「我々が困っているのは支払基準が明確になっていないことで、そこにメスを入れてほしい」と保険者さんの意見が上がってきたからで、保険者訪問をした地域連絡員と職員の意見を参考に練り上げた。柔整師の施術を療養費受領委任払いの対象にする範囲が曖昧ではないのかという問題がある。昭和11年の通達に骨折・脱臼・打撲・捻挫と書かれている。当時の基準としては解るが、今の柔整師はそれのみの施術をしているのだろうか。多分保険者の皆さんもそれ以外の疾病に関しても治療していると分かっているのではないかと思われる。それらをきちんとした形で規律にのせないとどんな良い制度を作っても無駄になる。そもそも骨折、脱臼、打撲・捻挫等以外の非外傷性の治療をできるのかというのが1点。仮にできるとした場合、それが療養費受領委任払いの対象となる治療として評価していいのかという適格性の問題の2点がある。柔整師が骨折、脱臼等について治療をするのと非外傷性を対象にした治療をするのでは、何処がどう違うのか、又出来るのかを議論していかなければならない。私自身腰痛持ちで柔整師の治療を受けている。私は専門家ではないが、利用者としては柔整師の施術は有効であると思っている。又同じ治療を整形外科医が行っており、整形外科医の下で柔整師が施術することに対して医療費が支払われているにも係わらず、接骨院で柔整師が行う施術が保険対象にならないというのは、筋が通らない。もしそれがダメというのであれば、整形外科医が柔整師を雇って施術をさせることはいかがなものかという大きな問題に波及する。柔整師の施術を療養費受領委任払いの対象にする適格性があるかという適格の有無は誰に影響するかといえば患者に影響する。そういった弱者をどの医療機関がどのような方法で救っていくのか。その辺について国は全く政策を打ち出していない。故に国民の柔整師への需要が増えていくことは抑えきれない。柔整師の施術を療養費受領委任払いの適格に認めるという方法しか、この社会の動きに応えることは出来ない。ただし野放図に慢性的でいいかというとそうではない。基準を作ってそれに則って療養費を払っていく方向に切り替えていくという意味でこの指針を作った。難しいのは慰安行為で、疲労回復の施術と治療のための施術をどう区別するか。2つの枠組みを考え、その1つは、漫然と継続していく治療をやめさせて計画治療に切り替わる基準を作りたい。もう1つは、慰安行為と区別するには負傷の程度がどの程度かというのを見極めなければならない。痛い、具合が悪いからと何でも治療していくのであれば、慰安行為に近いものになってしまう。この線引きをしたい。また生活障害を持っている疾病なのか生活障害をもたらない疾病なのかについて記載していく。計画治療ということで、治療する回数等、計画書を提出してもらう。どの程度の治療の効果が上がったか、どういう状態で治療を続けているのかを保険者さんに見えるようにする等大枠について説明があった。