柔整ホットニュース
特集
天満屋健康保険組合・堀瀬幸弘氏に聞く!
―柔整ホットニュースでは保険組合の民間業者委託について取材しております。貴組合では、民間業者に委託されていますか?もし委託されているのであれば、どのような経緯で委託されているのか、どのようなメリットやデメリットがあるのか、また思っていたこととは異なっていたこと、などについて、お聞かせください。
当組合は委託していなくて自前でしています。十分にできる規模と思っています。委託業者が持っているノウハウや情報量には、メリットがあるはずです。
―行政に申し上げたいことがあれば
ある時は記載の簡略化をはかるという観点からの通知があり、またある時は適正化をはかるという観点からのものがあったり、緩められたり締められたりブレているように見えます。一例を挙げると、負傷原因欄の記載ですが、昭和33年には、「柔道整復師の取り扱う負傷には、従前ややもすれば業務上の疑いのあるものが混入して取り扱われているので、負傷の原因はより詳細に記載させること等により、柔道整復師に対する指導の徹底をはかられたいこと。」と。ところが、昭和49年には、「このたび、関係方面から負傷の原因欄の記載の簡素略化について要望があり、検討の結果負傷の原因欄がおかれた趣旨にかんがみ、本年7月1日から別記のとおり記載してさしつかえないこととしますので、御了知のうえ、貴管下社会保険事務所及び関係者に対し周知方をお願いいたします。」とあります。また、後療の標準回数廃止については、昭和40年の厚生省保険局長通知には「後療に係る標準回数を廃止したこと。」とありますが、同日付の厚生省保険局医療課長通知には「後療回数の標準を廃止することとしたのは、最近における施術の実態にそうよう考慮したものである。しかしながら、部位症状等に応じ、必要の程度において行うべきことにはかわりないので、これによつてまんぜんと後療を続けることのないようこの点関係者に対し指導の徹底を期されたい。」とあります。まんぜんなのか、まんぜんでないのかをどのように判断すればよいのでしょうか。曖昧な算定基準は明確に、解釈と運用についても示していただきたい。そうすることが適正化の第一歩であると思います。亜急性の外傷とは。単なる肩こりとは。
―最後に何かございましたら
団体に加えてお願いしておきたいことは、われわれ保険者からの相談窓口を設置し、そのことをPRして欲しいのです。申請書に基づいて支給決定をする際の相談、例えば曖昧な算定基準の取扱いについての団体としての見解を尋ねることができる窓口が欲しいのです。もちろん柔道整復師の見解に個人差があったり、見解に納得できない場合のためにです。次に信賞必罰の姿勢をお願いしたいのです。不正に対しては厳罰を望みますが、反対に団体を代表するような優秀な柔道整復師の情報提供を求めます。一押しの柔道整復師の情報です。組合員からの問い合わせに自信を持って答えたいのです。団体ごとにでも患者の声に基づく表彰制度はないのでしょうか。是非そういう前向きな制度を作っていただき、そこでの情報をわれわれも活用させていただきたいものです。
(文責・編集部)
プロフィール
天満屋健康保険組合 常務理事 堀瀬 幸弘
けんぽで19年目を迎えました。天満屋に入社してけんぽが一番長くなりました。けんぽの存在は空気みたいなもの、普段はなかなか気に留められませんが、事が起こった時に天満屋けんぽに加入していて良かったと言われるよう努めています。また他のけんぽとのネットワーク大切な宝物にしています。