柔整ホットニュース
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天満屋健康保険組合・堀瀬幸弘氏に聞く!
―国民医療費の伸びが2.0%ということで、鍼灸マッサージに比べて柔整はそれほどでもないにも係わらず、柔整だけがいろいろ言われている向きがあるようですが、それについて、原因はズバリどこにあるとお考えでしょうか?
伸び率よりも鍼灸マッサージにおける金額を柔整と比較すると少額であるため、そんなに問題視されていないのではないでしょうか。仮に柔整だけが叩かれているとすれば、表現が難しいのですが、やはりお医者さんとバッティングする部分があるからではないでしょうか。今の区分けで、国民医療費については当然医科も入りますが、療養費も入るわけです。従って、鍼灸マッサージはクローズアップされずに、柔整がクローズアップされるということは、医科の先生の邪魔をしているのではないかというようにも見られてしまう部分があると思います。いずれにしても国民医療費の伸びよりも高いとダメという、その論法はおかしい。必要な治療、必要な施術であれば、いくら増えようが全く問題ないと思いますよ。
―神奈川県石油業健康保険組合常務理事・廣部正義氏が柔道整復療養費請求システムの改善(私案)を提言されていますが、どのように思われますか?
改善案では支払手数料の軽減が図られたり、事務の効率化が期待できると思います。改善したシステムに、どのような魂を入れるのか、言い換えると算定基準の標準化・グレーゾーンの問題解決がどこまで進められるのかがポイントになりますね。保険柔道整復師なり保険施術所、保険という言葉がつくと、保険ルールに則っているという点に期待できると思います。現実問題としては直ぐに実現できる話ではないけれども、保険の施術ができる資格として、一つの考え方としてあると思います。
―不公平や不正がなくなる規律を業界内部でも、どうにかしたいとする考えの柔道整復師は多くいますが、保険請求上のルールの他に、診療における学術的なルールが必要だという意見が少ないように感じます。いずれにしましても具体的には両者の不正撲滅連絡協議会などを設置するなど、柔道整復師と協力して不正を撲滅して行くという考えについてはどう思われますか。
適正化のひとつの方策としてダメとは言いませんが、その会にはそれだけの権限が必要になるのではないでしょうか。まずは会を立ち上げて力をつけるとか、やり易いところから始め徐々に範囲を広げていくとかのやり方もあるとは思いますが、それよりも保険者の審査情報を基に行政が果たすべき役割は大きいと思います。集まった情報を行政は、保険者に提供する。それを受けた保険者は集中的に行った調査結果を報告する。報告に基き行政は指導・監督を行うという一連の体制の方に期待します。また、柔道整復師の団体には自浄能力を求めますが。