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天満屋健康保険組合・堀瀬幸弘氏に聞く!

2011/06/16

―不正をさせないシステムの構築ということが求められていると思います。

まず、柔道整復師の方に求めたいことですが、私は、ほんの一部の不正請求が紛れ込むために全体を疑いの目で睨みながら照会調査を掛けています。この申請書の中のどこかに不正箇所がありますと表現するバカはいないでしょう。であれば疑う余地の無い申請書であることをもっと表現して欲しい。われわれ保険者の疑いを晴らして欲しいのです。申請書が100件あれば100件すべてに不正があって全部ダメかというと決してそんなことはない。全体の中に極わずかの不正請求が紛れ込んでいると思っています。一部が紛れ込むから、それを見つけ出す作業が大変です。実際に手間ひまを掛けて、後追いの照会調査をしていることはとても非効率だなと感じています。照会調査を受け取った方はどうかというと、俺を疑っているのかとか、私は何か悪いことをしているのですかと良い感情を持ちません。そのような関係から良い結果は生まれて来ないものです。そこで申請書の段階で誤りのないものであることを納得させてください。具体的には、部位数に関係なく労災でないことも含めて負傷の原因を具体的に記載していただきたい。9月以降の申請書を見ると、保険者に納得させてやろうと負傷の時間まで記載されているものもあるので、できるかぎり詳細に丁寧にお願いしたい。そのような姿勢を是非見せていただきたいのです。そして、団体には、万が一不正があった場合には、以後償還払いに変更させる等のペナルティーを科して欲しい。団体には自浄能力を求めます。われわれ保険者ができることは、まずは敵視しないこと。そして、すぐに有形の効果を生むことではないかもしれないけれども、柔整師や団体との信頼関係を築くことだと思います。それほど接点がある訳ではないけれども積み重ねて行くことは出来る筈です。問題であると思っていることを相互に理解し合う。その問題を解決する方策を知ることによって絆、まさに信頼関係は深まって行くと信じています。

 

―厚生労働省の来年度の予算編成通知に、保険給付の適正化対策の一環として、「医療費通知や負傷部位や原因の調査などにより、柔道整復療養費の給付適正化に取り組むこと」という趣旨の文言が加わったこともあり、今後は柔道整復療養費の点検審査に力を入れる組合が増えることが予想されると、人材派遣健保の渡部部長は話されましたが、堀瀬常務はそのことについて、どのようにお考えでしょうか?

平成23年度予算編成の重点についての保険給付適正化対策の項目に柔道整復師に係る療養費の適正化が加わりましたので取り組むようになります。しかし負傷部位や原因の調査は、施術から時間が経過しての後追いの確認作業でとても非効率ですね。申請書作成の段階で簡素化をしなければ、ずいぶん改善できるはずです。

 

―国保中央会常務理事・田中一哉氏が中心となって出された五項目の提言内容についてはどのように思われていますか?

全国決済制度の導入については、国保連合会の業務円滑化・効率化を図る上で当然の内容と思います。施術所からの請求方法の統一化、審査の統一化、疑義請求対策、柔道整復療養費に係るIT化の推進についてはまったく同感で、健康保険組合連合会からも、厚生労働省に対し要望を出しているものが含まれています。保険者もIT化というものを望んでいるところですし・・・。