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東京製本健康保険組合・米沢幸也氏に聞く!
東京製本健康保険組合 総務部次長 米沢 幸也 氏
近年、保険財政はいよいよ厳しくなるいっぽうである。そういった中で、健康保険組合は様々な努力を強いられている。 健康保険組合は柔整業界をどのように見て、またどのようであって欲しいと考えているのだろうか。先日の保険者会議で柔整の根本的在り方を見直す時期に来ていると明言された東京製本健康保険組合・米沢幸也氏にその真意をうかがった。
―貴保険組合の設立の理念や経緯についてお聞かせ下さい。
当組合は、昭和38年11月1日に設立され、東京都及び埼玉県に所在する製本業を主とする業種を適用事業所とし、本年3月末日現在で633事業所、被保険者9565人と被扶養者6787人を有する総合型健康保険組合であります。理念については、事業主および組合員の健康保険事業を運営基準に則し、業界の御為に継続性と発展性を以って寄与していく事にあります。健康保険組合の使命である事業主組合員の皆様の健康と保険給付を主として基準に則って実施しています。特質にあたいすることというのは、総合組合としては被保険者数の割には事業所数が多く、事業所1つ1つの単位が小さい。平均では14人位の従業員数です。一般的に健康保険組合のイメージは、パンフレット等政府広報の影響もあって大企業というイメージが強くありますが、当組合の場合はどちらかというと中小零細企業が大半を占めており、組合員は保険給付についてしっかり認識していない部分が多々あります。当組合としては、お役所目線ではなくきめ細かなサービスの提供に努め〝業界の団体です、皆様協力してください〟というスタンスで運営にあたっています。
―本当の意味で保険者の一番の問題は、保険財政の問題なのではないかと思うのですが、そうした中に、柔整の問題も表面化してきていると感じています。そこで貴組合における全体的なさまざまな問題の中で最も大きな問題についてお聞かせ下さい。またそうした問題の根本的な改革の方向性、或いは将来展望をお聞かせ下さい。
やはり財政的に一番大きいのは納付金の額で、半分くらいの割合です。残ったお金で、組合員がお医者さんにかかったり、或いは健康保険組合ですから健康診断等を実施すると殆ど残りません。何か画期的なことをしたい、皆様のいろんなニーズを掬い上げていきたいと思っても財政がそういう配分になっているため、総てのことを展開することは近年極めて難しくなっております。特に納付金や拠出金等の問題は国が基準を定めてしまうため私達の努力だけではどうにもならないところがあります。組合員たちの健康、医療給付を目的としている団体であり、選り好みが出来ない中で、そういった基準をあてがわれてしまうと、非常に厳しい状況にあります。柔道整復療養費のみならず、保険財政の健全化を図るのが健康保険組合の使命です。よって柔道整復療養のみが特化される事はありません。柔道整復療養について当組合の場合は、被保険者の受術率が被扶養者に比して高い事があげられます。よく見れば柔道整復療養の必要性とニーズがあるのも確かですが、問題点は健康保険の給付ルールに正しく即した実態であるか否かにあると思料されます。