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第2回九州・中国・四国地区柔整師会議/患者会議/保険者会議が開催

2012/02/16

5.療養費支給審査基準設定の為の指針について

現在の療養費の支給はどういう状況であるのかという現状認識の問題。療養費の支給について従来の骨折・脱臼・捻挫・挫傷という外傷、或いは「急性のもの」「亜急性のもの」という表現で、それについては、良いとなっている。しかし現実のレセプトが上がってくると、それだけではない申請書が数多く上がってくる。被保険者のレベルがあって支給してしまっている部分、或いは審査が行き届かなくて支払をしてしまっている部分もある。これが混乱を招く一番の原因であり、それを何とか整備したいというのが最大の狙い。
2つの方法があり、1つは外傷以外は認めないと徹底的にやること。例外は一切ないという方法も1つの考え方としてはあり得る。もう1つは、現状を認めながらこれにどういう歯止めをかけて濫用を防止するか。私どもの考え方は後者を取っている。その理由としては患者さんのニーズであり、外傷でないもので苦しんでいる人もいる。そういう人を保険治療から全部シャットアウトして良いかというと必ずしもそうではないはずだという考えで、保険者の中にもそうだと言う人もおられる。現状にどこまで規制を加えるかという方向で物事を考えれば道筋がついて来る。
あと1つは柔道整復師の治療が非外傷性のものについての医療効果は保有している。私は大学の時に「老人社会学」を勉強したが、老人が社会活動の出来る社会が老齢化社会で、当然、社会活動をしたり労働をするので、あちこちに痛みが出たり違和感が出てくる。それをどうやってカバーしていくかといえば、整形外科だけでは足りないはずで、徒手整復を中心とした治療体系も存在し有効であると捉えている。柔道整復師の施術には後療がある。ないものが慰安行為で、慰安行為と治療行為をキチンと区別していけば、ある程度保険者、支払者側から見れば規律が出来ることになる。もう1つ、治療行為ではあるが、患者さんのニーズだけに応じて治療をする漫然治療にも規制を加えていくことになる。この2つの面から指針と基準を作り上げていこうと思っている。

また①慰安行為と区別するのは社会生活上の障害があるかないかで判断できるようにしていく②漫然治療を繰り返すことを禁止するためには、治療回数を制限する③傷病名は必要ない。名前を捻挫でやるから訳のわからない話になる。それよりも治療の部位をキチンと特定すること、部位数で料金を決めることは止めて、定額にする。請求は主訴だけを中心にして料金を設定していく。但し、どこをやったか治療部位は書いてもらう。そうすることで審査も手間がかからず請求も不公平にならない。こうすることで慰安行為と分けることが出来ると同時に、漫然治療を防いでくれる。支払者側からみれば被保険者の要請に合った治療として支給することも可能であろうと考えたのが、この指針の狙いである。基準はあくまでも支払機構のほうで作ってもらいたい等を解説し、忌憚のない意見を求めた。

保険者から▽柔整師さんによっては、腰痛は一カ所だけで良いとなってしまうと、単価が高くなる気がする〟とあり、それに対し〝今JBでは腰痛でどれだけの部位を施術しているのか、また料金はどのくらいかについて統計をとっているところで、その結果に基づいて料金を割り出したい。後は市場原理に任せたほうが良いと考えている〟と応じた。再度保険者から〝その通りかもしれない。確かに市場原理を使えばサービスが悪い所は淘汰されてしまう。私も背筋痛で行ったが、色々な部位をしてくれます。多部位にわたるというのはこういうことかと非常によく分かった。単純に背筋痛だからといって背筋だけをするのではなく、色々なところをやって頂き私の場合は1日でよくなった▽レセプト以外にも細かく施術記録や患者情報を記載することは、実際行うと大変という気はするが、少なくとも保険者からすると患者さんがどのような症状であるのか、回復の見込みについても記述するということで良いと思う。我々と治療を受ける人のコミュニケーションは大切にしており、従業員が健康になってもらいたいための健保の役割が大きくあり、出来るだけ色々な話をしたいし、そういった意味でも1つの材料になると思う。レセプトの中から症状が分かると我々の業務上も患者さんも含めて非常に良い▽本来やることの本質をついている。柔整師さんにお伺いした時に、全身をじっくり見ながらケアをするというのが見てとれましたので、今のシステムを全面的に変えた方が良いが、慢性疼痛になってくると鍼灸マッサージさんの問題になってくると思われる、等の意見が出された。これについては〝ある保険者さんからも総括会議の時にそう言われたが、我々としてはこの制度を何とか改善していくことが精一杯であり、今はとにかく灰色請求を何とかおさめたいという思いでやっている〟と答えるにとどまった。他にも▽外傷性以外の施術の範囲として外傷性以外の施術も厚労省に強く働きかけてほしいとアンケートに答えている。是非そういう運動をやって頂きたい。ひいては柔整さんの不適正な請求がなくなってくるという感じがする▽個人的な思いだが鍼灸さんも医師の同意がなくても良いようにしたい。治す方向で頑張っている中で、何で医師の同意が必要なのかetc.

このあと、医師の同意について話し合われた。また保険者から〝交通事故で治癒と医師から言われ、でも内的障害というか首も腰も痛い、生活が出来ないと、レントゲンを撮って医療的にはこれ以上治療はないということで示談に入ると言われた時に、駆け込んだ所の柔整師さんに自分が引き受けますといわれ、こちらは患者さんに治ってほしい、復帰してほしいというのが最終目的で、柔整師さんとタイアップして治療をして上手く行ったケースもある〟という話もあった。

最後に本多氏から〝医師にも少なからず納得してもらう方向で進んでいこうと思います。柔整師オンリーでも医師オンリーでも良くない。保険者側も患者側も納得していただくことが大事と思います〟等、述べて終了した。
尚、教育システム、教育カリキュラム、シラバスがインターネットで全て公開されることになっている。                    

(文責・編集部)

 

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