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第10回柔道整復師小委員会開催!
◇次に、以下の回答が行われた。
柔道整復療養費改定以後の問題点について(各団体からの意見事項)
1.4部位以降の施術料金について
療養費の増額を抑制しようとする政策であると思われるが、適正に診療を行っている柔整師に対して、大きな犠牲を強いていることになる。不正・不当請求をしている柔整師への対策は当然取るべきであるが、一律に柔整師の料金を抑制することは、まじめに業務を行っている柔整師にとって死活問題になりかねない。
この施術料金については、厚生労働省が平成21年10月の1ヶ月間に支給決定を行った全国健康保険協会管掌保険や国民健康保険及び後期高齢者医療制度に関わる療養費支給申請書をサンプル調査・集計したデータによると、全体の部位数に占める4部位の割合は5.7%で、1申請書あたりの全国平均部位数は2.5部位となっている。このような結果から柔整師にとって死活問題にはなり得ないという判断、というのが厚労省の見解です。
2.交通事故の治療について
交通事故を第三者行為の届出をして健康保険で取り扱う場合、本年5月24日付の通知により4部位以降の料金を受ける事が出来なくなったが、今後どのような方法をもって交通事故の場合の治療を徴収することができるのか。
回答に時間がかかるため、厚労省が持ち帰って後日報告します。
3.超音波画像診断装置の画像撮影の料金化
厚労省からの書面にて、柔整師が超音波画像診断装置を検査装置として利用できることがより明快になったが、料金化は検討しているのか。
柔道整復師が判断の参考とする為に超音波検査装置を使用している為、料金化は想定外であるということです。そこは当然と私も思います。
4.傷病名について
〝柔道整復師の保険協定傷病名は骨折・脱臼・捻挫・打撲である。(骨折・脱臼の応急処置、2回目以後の施術に関しては医師の同意が必要)また療養費の支給基準となる負傷は、急性又は亜急性の外傷の骨折、脱臼、打撲、及び捻挫であり、内科的原因による疾患は含まれないこと。なお、急性又は亜急性の介達外力による筋、腱の断裂(いわゆる肉ばなれをいい、挫傷を伴う場合もある。)については、打撲の部の所定料金により算定して差し支えない。〟
現行の柔整療養費支給基準は上記の通りとなっているが、生活環境変化に伴い、上記に記する急性又は亜急性の外傷の原因が大きく変化してきた。挫傷の定義である筋・腱の断裂では小外力によって断裂が起きている事も度々起きている。患者の動作、痛み有無などから柔整師としての見立て内容では、明らかに捻挫又は挫傷の症状であっても受傷した患者にとっては、いわゆる「肩こり」、「腰痛」と捉えておられる方々も多くいる。
患者の訴えと自覚症状の原因から捉えた疾患と、患者の訴えとは異なる場合があり、傷病名の違いを指摘される事や、その事が柔整師の不正請求ととられている状況が起きているが、これをどう考えるのか。
傷病名について、患者さんが素人なので、痛いところを素直にお伝えになるが、柔道整復師は専門家であり、申告内容と施術内容が異なるケースが出てくるのは、ある程度仕方がない現象と捉えています。一方保険者は専門家ではないので、このような見解の違いが出るというのは承知しており、ただしていかなければならないと考えています。保険者に対しては審査マニュアルや判断材料等、医科と相談、検討しながら適切に対応していこうというのが厚労省の姿勢ですが、この件についてまたご意見があると思います。
5.個人契約者について
昭和63年7月14日付けで厚生省保険局長から保発第89号及び厚生省保険医療課長から保発第76号が発出され、(社)日本柔道整復師会所属でない柔整師についても、都道府県知事と契約を締結することにより、受領委任払いが認められることになったが、個人契約者の今後をどのように考えているのか。
現状のままと考えているという回答であった。
6.健康保険組合への対応について
①柔道整復支給申請書の審査・調査を外部委託しているが、患者への照会においては、「必要以上の内容の照会」、「患者の失念」、「専門的内容についての質問へ患者が適格に回答できない可能性があること」等を踏まえて、健康保険組合等から話を聞く必要があると厚労省は考えていると言われたが、その後の状況はどのようになったか。
②健康保険組合が作成している柔道整復療養費や柔道整復の施術に関するパンフレットについては、記載内容が事実と異なっていたり、加入者に対して誤解を与える場合は、パンフレットの内容の修正する必要があると思われる。これまでも個別の事例に関しては改善を図ってきており、引き続き、健康保険組合等における対応を徹底する必要があると考えていると言われたが、その後の状況はどのようになったか。
①と②の両方とも不正請求の増加とこれまでの一連の柔整師の問題の中で、保険者も適切に対応していく為に患者紹介や外部委託、パンフレットの作成等を行ってきています。小委員会の中で外部委託をするのが良いか悪いかという議論がよく行われるが、厚労省としては外部委託をすることは差支えない。ただ、パンフレット等の内容で誤解を与えるものや事実に反することが記載され、受診抑制とも取れることがあることは理解をしている、ということです。何も放置している訳ではなく、情報をいただいたところにはきちんと対応させていただいているというのが厚労省の回答です。