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保険請求の手引き【第13回:療養費の支給基準 その12】

2016/11/01

第7 一部負担金

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「柔道整復師の施術に係る療養費について」(平成20年 9 月22 日付保発第0922002号)により, 受領委任の取扱いとすることが認められている施術所において,患者から支払いを受けることとされている一部負担金に相当する金額は,健康保険法,高齢者の医療の確保に関する法律等の規定に基づき, 施術に要した費用に10分の1,10分の2又は10分の3を乗じた額であること。
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施術所の窓口での事務の負担軽減を考慮し,患者が一部負担金を支払う場合の10円未満の金額については,四捨五入の取扱いとすること。
また,施術所の窓口においては, 10円未満の四捨五入を行う旨の掲示を行うことにより,被保険者等との間に混乱のないようにすること。
なお,保険者又は市町村(特別区を含む。)が支給する療養費又は医療費の額は,10円未満の四捨五入を行わない額であること。

一部負担金については耳を疑う、或いは目を疑うシーンに遭遇することがございます。
保険取り扱いをされる接骨・整骨院の看板やサインに、「ポッキリ料金」や「キャンペーン価格」「初検料無料」「キャッシュバック」などの文言が見られます。これらは協定若しくは契約及び通知違反であり、大きなペナルティが課せられる大問題と言えます。

柔道整復師の先生方の中には、規定以下の安価な負担金徴収や無料とすることにより、患者負担が軽減され、その結果、受診者は喜んでおられると大きな誤解をされる方もおられるようです。ですが、これはあってはならないお考えであり、定められた負担金授受を厳守すべきです。負担金無徴収・負担金軽減を理由に、通院日数の付け増しを行うことは明らかな犯罪行為となります。加えて、柔道整復師の先生が自らへの治療を自ら実施する形態を自己治療と呼べますが(医科の場合、保険診療において「自己診療」と言い認められていません)、これも許されるべき行為ではありません。

また医科において、自院の職員やその家族を診察、治療することは「自家診療」と呼ばれ、その際に一部負担金を徴収しない場合があるようです。ですが、この場合においても違反行為となります。柔道整復の場合には、この形態を自家治療と呼ぶことができます。
一部負担金は規定通り徴収することが必要であり、職員やその家族であっても同様です。
職員やその家族の金銭的負担を軽減する気持ちは理解することができますが、仮に何らかの理由により負担金の軽減を行わなければならない場合、負担金は規定通り徴収し、改めて職員福利厚生費などにより支給する方法がベターだと言えます。但し、自家診療の保険請求を認めていない保険者もありますので、違反行為とならないよう十分な対応が求められます。
施術録の記載・整理と金銭授受の在り方は、特に治療や算定の正当性の大切な根拠ともなりますので、慎重に大切に確実に対応いただきたいと切に願います。
保険証の取り扱い、そして申請書への受診者署名により請求行為が行える柔道整復師への信頼により、柔道整復施術療養費特例受領委任が今日まで認められている事実をしっかりとご認識いただきますようお願い申し上げます。

 

 

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