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柔道整復施術ガイドライン作成にあたって 第2回全体会議

2014/03/01

平成26年2月16日(日)、柔道整復師センター(東京都中野区)において「柔道整復施術ガイドライン作成にあたって 第2回全体会議」が行なわれた。

 

社団JB日本接骨師会常任理事で本会議の座長を務める荒井俊雅氏は、〝1月19日の第1回全体会議では発生起点における急性・亜急性外傷の定義、そして期間としての急性・亜急性・慢性の定義に関する議論を行なった。亜急性外傷の文言は新しい概念として養成校の教科書に載っているため、資格を取得してから年月の経っている柔道整復師の方や保険者の方々には周知されていない。柔道整復師の施術に係る算定基準に載っているにもかかわらず、柔道整復師同士および保険者との共通の理解がないことがわかった〟と第1回全体会議の概略を紹介。さらに〝このガイドライン作成は、全ての柔道整復師が養成校で統一した教育を受けた骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などの急性外傷以外の、亜急性外傷・急性期経過外傷もしくは軟部組織損傷に関するものを作成するつもりである。我々柔道整復師は国家資格であるにもかかわらず治療法が統一されていない。共通理解の下、ガイドラインを作成するため、皆様のご意見を伺いたい〟と趣旨説明を行なった。

今回の会議では、【鑑別方法について】や【経過観察について】、【施術録について】を主な議題にフリートーク形式で議論が交わされた。

 

鑑別方法について

まず〝なぜ鑑別を行なうのか〟と問われると、出席者からは〝亜急性外傷は反復性の痛みとして算定基準や教科書にも載っているが、患者本人は慢性だと思っていても亜急性外傷である場合もある〟という①慰安行為と治療行為を区別する目的、〝しっかり鑑別しないと適切な治療ができない。問診で「ガンが完治した」という患者が腰の治療にきて、治療しても良くならず、病院で検査させると骨転移していたというケースもある〟という②医療事故を防ぐ目的、また〝急性と慢性では治療方法が違う。負傷原因がわからない人に関しては、疼痛箇所だけでなく全体を見る〟という③治療方法を特定する目的、などの理由が経験談も交えて示された。

初検時の鑑別方法では、問診が一番重要であるとの意見が大半であった。問診・徒手検査で痛みの原因が特定できない場合は、臓器疾患など外傷以外が原因である場合も考えられるとして、患者本人や家族の病歴や服用している薬があるかどうかなども確認するという意見が多く、正しく鑑別するためにはある程度病的疾患の特徴についても理解しておくことが重要だと思われた。

また患者がしびれを訴えている場合は注意が必要とし、〝例えばヘルニアの疑いがある場合は、2週間くらい様子を見て改善するようであればそのまま治療して、改善がみられなければ検査を受けさせる〟など、重篤な疾患が考えられる場合は最悪の状況を考え、病院で検査を受けた後に柔道整復の業務範囲で扱えるものか判断するという考えを示す出席者が多数見られた。

 

経過観察について

〝経過観察にはどのくらいの期間を設けるのか〟という質問に対して、〝1週間以内としている。痛みの処置をして次の日に経過を診て、悪化しているようなら病院に送る〟や〝原因が全く分からなければ即転院させる。いくつかの原因に絞られるようであれば1週間程度の判断期間を取る〟、〝痛みに関しては1週間程度、しびれに対しては1ヶ月程度診る〟、〝毎日来る人は少ないので判断するなら2週間くらい。この位の期間で良くなるだろうと想定しながら検査と治療を同時に行ない、明らかに見込みと違っていれば転院させる〟など、ある程度の個人差は見受けられるものの平均して1週間~2週間の経過観察期間を設ける場合が多いようだった。

また、患者の訴える痛みの表現方法には様々なものが考えられるが〝動けているのにとても痛がっている、痛がっているから動けない等はひとつの指標になる〟や〝初診時の痛みは10点で、次は8点になったというように点数で表して経過を診ていくといいのでは〟との提言がなされた。“動きがある痛みが柔道整復師の治療の対象となり、動きがない時の痛みが疾病の疑いを持つべきだ。”との意見もあった。

 

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