menu

日整・工藤会長と全整連・田中会長が柔整師の未来を語る

2013/11/20

平成25年11月17日(日)東京国際フォーラムにて『第11回医療オリンピックC-1』が開催された。その中で『緊急提言 柔道整復師の未来』と題し、整骨院振興協同組合・近藤昌之代表理事の司会の下、(公社)日本柔道整復師会・工藤鉄男会長一般社団法人全国柔道整復師連合会・田中威勢夫会長によるトークライブが行なわれた。いったい業界のリーダー2人は何を語ったのか?!

柔整ホットニュースではこのトークライブでのやり取りを余すことなく会員の皆様に公開する。

 

トークライブ『緊急提言 柔道整復師の未来』

近藤:

業界を代表する二人に柔道整復師の未来という題材で話を伺う。まずは公益社団法人になり日本柔道整復師会として初めての選挙で会長になった工藤会長に挨拶をお願いしたい。

 

工藤:

今、この業界が大変な状況になっているということは、ここにお集まりの柔道整復師の皆さんが日々の仕事の中で感じていることだと思う。各々が努力し、患者さんに対する信頼関係をもう一度構築する努力をしなければならない。各団体のトップはこの業界をどのように導いていくか、道先案内人としてその方向性をしっかりと5万人の柔道整復師に証明していく。しかし信頼や新しい絆はここにいる若い先生達が築いていくものだと思っている。我々が皆さんの未来を預かった以上は驕ることなく、必然的にこのようなところに参り将来のことを話さなければいけないという想いで本日は参加させていただいた。

近代柔道が発生した時代には、数多くの武術家が流派・道場を持ち様々な所で活躍していたが、そこに西洋文化が入ってきたことで日本古来の武術の存続が危うくなっていた。そこで加納治五郎先生が、各々の武術の良い部分を結集して近代柔道を作った。武道の精神を汲んだ武道医療と言っても過言ではない我々の柔道整復術も、西洋医学一本で日本の健康を作るという国の方針から外れ、一度は明治時代に消滅した。しかし再度大正9年に復活した。西洋医学が発展しつつも、接骨院での治療技術とその技術を多くの国民が求めているという事実を目の当たりにした国が、止むを得ないとして復活させたのが柔道整復師だ。加納治五郎先生と同様、我々の仲間をひとつにまとめることが日本柔道整復師会の会長として与えられた使命とし、必ずやこの柔道整復師5万名をまとめていく。そして100団体あるとも言われているこの分かれた組織を、皆さんの未来のためにひとつにまとめることに汗をかいてまいりたいと思う。

 

近藤:

続いてはもうひとりのゲストである一般社団法人全国柔道整復師連合会・田中威勢夫会長にご挨拶をお願いしたい。

 

田中:

これはこの業界に限ったことではないが、離合集散を繰り返す。とりわけこの柔道整復師業界は昔から分散する一方だった。業界が分散する時というのは何も結果が残らない。厚生労働省や保険者を訪問した時に「A団体はこう言っているがB団体はこう言っている。話をまとめて持ってきて欲しい」と言われる。これがこの業界が全く進展しない原因のひとつだと思う。そこで業界を一本化し、同じ方向で一緒にやっていこうと今頑張っている。一本化することにより必ずや業界は変わる。皆さん、直ぐにとは言わないが期待していただきたい。

 

近藤:

最近の柔道整復師業界の状態をみると会計検査院、行政刷新会議という2つの大きな流れがあり、柔道整復師施術の適正化の取組として一昨年の3月12日に通達があった。それ以来、各保険者の患者調査に伴い受診抑制を招いてしまうような問題が多々発生している。この点について工藤会長のお考えをお聞きしたい。

 

工藤:

今、国民や保険者などから我々が信頼を失くしている原因のひとつに、技術や知識の研鑚もないまま卒業と同時に開業し、保険の取り扱いができるということがある。その中で開業している人達が自分の技術をしっかりと継承していこうというこのような大会は、非常に意義があるのではないかと思っている。

柔道整復師が昭和11年から使わせていただいている療養費にはルールがある。保険は柔道整復師のためにあるのではなく、あくまでも国民の利便性、保険者の利便性を考慮したもの。やむを得ないということで保険を使わせて頂いているのに「我々が使うのは当たり前だ」という感覚の柔道整復師が非常に多くなってきた。保険者としてはお金がかかり赤字になっても、しっかりやらなければ会費をいただいている被保険者に対して申し訳ない。そうなれば当然、きちんとルールに則っているかを調査する。自分自身を支払者側として考えてみれば当たり前のことだと思う。

ただし現在、あまりにも行き過ぎた患者調査などをしている保険者もある。そのような保険者に対しては、連合の田中会長と様々な所に徹底して申し立てをしている。まだまだこの件については保険者や厚生労働省と話し合っていく必要がある。今、皆さんが苦労している患者調査の名の下に行なわれる受診抑制を抑え、そして接骨院、整骨院にかかりたい患者さんが自由に自分の意思で足を運べるような状況を提供したい。皆さんも保険というものがどういうもので、なぜ使わせてもらっているのかということをもう一度しっかりと確認していただきたい。

 

前のページ 次のページ
大会勉強会情報

施術の腕を磨こう!
大会・勉強会情報

※大会・勉強会情報を掲載したい方はこちら

編集部からのお知らせ

メニュー