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これだけは知っておいて【第5回:柔道整復の定義】

2015/03/01

○岩尾總一郎(厚生労働省医政局長)政府参考人

そもそも、昭和22年にあん摩、はり、きゅう、柔道整復等営業法として法律であったものを、昭和45年に今の法律から柔道整復業に関する部分を分離して、単独法として柔道整復師法を制定したということになっております。

そのとき与野党挙げての議員立法だと承知しておりますが、その中で先ほど言いました説明があったわけです。それを解釈いたしますと今までのあんま、はり、きゅうというものと柔道整復というものがそもそも違うんだということで単独法に設定したといたしますと先生もご承知のように脱臼とか捻挫というのは、いわゆるスポーツその他、急激な事故ですとか急性の発症した傷害によるものを治すということで、例えばあんまですとかはり、きゅうというような病態の慢性的に起こるものと違うのではないかということで昭和45年に議員立法がなされたのではないかと推測はしております。

何にせよ、議員立法ということで出されて、全会一致で可決したという記録のみ残っておりますので、どのような定義づけがなされていたかということは、残念ながら承知しておりません。

 

○吉田 泉(衆議院議員)分科員

今のご答弁にあるように昭和45年の提案理由説明の趣旨は、今まで、はり、きゅう、マッサージと柔道整復師は一緒だったんだけれども、それを分けるというときの提案理由説明ということですので、何か、これをもって保険局の平成9年通知の法的根拠であるというのはちょっと無理があるような気がしているところでございます。

それはさておいて、一つの別の例を申し上げますと、司法の世界、これは平成15年の改正司法書士法施行によりまして、例えば、司法書士さんが弁護士にかわって簡易裁判所ですけれども弁論ができるようになった。それから、裁判外で和解等の調停も司法書士ができるというような法律改正がなされました。これは一つのヒントになるんじゃないかというふうに思うんです。

つまり、弁護士と司法書士がともに裁判に参加している。そして役割分担をして共存しているわけでございます。ただ、だからといって弁護士が使っていい用語、司法書士が使っていい用語、これを資格によって分けるということは当然のことながら司法の世界にはないわけであります。

しかし、医療の世界では、お医者さんじゃないと使っちゃいけないという表記名という規制がある。柔道整復師は、先ほどおっしゃったような五つの表記しか認められない。

私は何か腑に落ちないというような気持ちでございます。柔道整復師、そして例えば整形外科、同じような傷病については共通の表現が認められてもいいんじゃないかな、そんなふうに思います。

いずれにしましても、この傷病名表記の問題は、最終的には、柔道整復師という業とあとは医師、整形外科のお医者さん、業のせめぎ合いの問題を含んでいる。したがって、現実問題はなかなか難しいんだというふうに言われております。私もそうだろうと思っておりますが、これから大分いろいろと問題になっている柔道整復師と整形外科医師の間の役割分担、できたら、弁護士と司法書士におけるような共存関係が実現できないかなということなんですが、その役割分担はこれからどうあるべきかお伺いいたします。

 

○岩尾總一郎(厚生労働省医政局長)政府参考人

柔道整復、我が国における古来からの伝統医療として、国民に広く受け入れられておりまして、これを担う整復師の方々は、骨折、脱臼、打撲、捻挫等の患者に対して施術を行うことにより、国民保健の向上にご尽力していただいているものと認識しております。柔道整復師と医師との役割分担につきましては、例えば、柔道整復師による骨折または脱臼の施術には医師の同意が必要となっているように柔道整復師が医師との連携を図りながら施術を行うことが重要であると考えております。柔道整復師については医療の一翼を担う者として引き続き、柔道整復の業務の範囲において質の高い施術を行うとともにサービスの質の向上に努めていただくことにより、その役割を十分果たしていただくことを期待しております。

 

○吉田 泉(衆議院議員)分科員

ご答弁の趣旨はよくわかりましたが、平成9年の通達も含めて、何か制度の工夫というのが必要じゃないかというふうに思います。いずれにしましても、最終的には患者さんが自分の考えを基準にして、どの医療を選ぶか、そういう選択の自由といいますか、それが保障されなくちゃいかぬという問題だと思います。ぜひ、これからこの傷病名表記の問題の改善に向けて努力をお願いしたいということで質問を終わります。ありがとうございました。

 

○谷口隆義(衆議院議員)主査

これにて吉田 泉君の質疑は終了いたします。

 

 

 
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