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柔道整復師国家試験対策【第6回:生理学のポイント ―概説~呼吸編―】

2015/07/16
呼吸
1)
肺胞に存在する代表細胞

I型肺胞上皮細胞・Ⅱ型肺胞上皮細胞(表面活性剤分泌細胞)、
塵埃細胞(大食細胞)

2)
肺胞の収縮因子

肺胞の弾性線維、肺胞内面の水による表面張力
※胸膜腔の陰圧、表面活性剤はこの2つに抗する

3)
安静時の呼吸筋(吸息時、呼息時)の状態

安静吸息:外肋間筋、横隔膜の収縮→肋骨挙上、横隔膜下降→胸郭容積増大
安静呼息:外肋間筋、横隔膜の弛緩→肋骨下制、横隔膜上昇→胸郭容積減少

4)
残気量、機能的残気量とは何か

残気量:最大限に呼気を行っても、気道、肺内に残る空気量
機能的残気量:安静呼息後に気道、肺内に残る空気量(予備呼気量+残気量)

5)
死腔量、肺胞換気量とは何か

肺胞換気量:呼吸によって体内に入った空気量の中で、肺胞に入る空気量
死腔量:呼吸によって体内に入った空気量の中で、気道に入る空気量

6)
吸息時の肺胞内圧、胸膜腔内圧の圧状態

肺胞内圧:陰圧  
胸膜腔内圧:陰圧

7)
呼息時の肺胞内圧、胸膜腔内圧の圧状態

肺胞内圧:陽圧  
胸膜腔内圧:陰圧

8)
呼吸仕事量の決定因子

コンプライアンス(肺と胸郭の膨らみ易さ)と気道抵抗
※コンプライアンス低い=膨らみにくい=仕事量増大
 気道抵抗高い=空気流入しづらい=仕事量増大

9)
拘束性換気障害・閉塞性換気障害時の1秒率と肺活量

拘束性換気障害:1秒率 不変  肺活量 低下
閉塞性換気障害:1秒率 低下  肺活量 不変

10)
酸素とヘモグロビンの結合力の決定因子と影響因子

決定因子:酸素分圧  
影響因子:血液pH、血液温度、血中DPG量
酸素分圧高いと結合力高い
※pH低い、温度高い、DPG多い→結合力下がる=還元ヘモグロビン量増大
 pH高い、温度低い、DPG少ない→結合力上がる=酸化ヘモグロビン量増大

11)
二酸化炭素の運搬方法

重炭酸イオン、カルバミノ化合物、血漿中に溶解
※カルバミノ化合物=血漿中の蛋白物質(アルブミン・ヘモグロビン)と二酸化炭素が結合したもの

12)
ヘーリングブロイエル反射(肺迷走神経反射)における受容器と感覚神経

肺伸展受容器(肺胞・気管支) 迷走神経
※吸息運動から呼息運動へ切り替える反射

13)
呼吸中枢とその上位中枢の存在部位

呼吸中枢:延髄  
上位中枢(呼吸調節中枢):

14)
ガス組成受容器(化学受容器)

酸素受容器:頸動脈体・大動脈体
二酸化炭素受容器:中枢性化学受容器(延髄に存在)

 

如何でしたでしょうか。概説8項目、体液11項目、血液20項目、循環15項目、呼吸13項目の全57項目のポイントをお送りしました。生理学も解剖学同様、同格を目指すにあたり苦手科目にしてはならない科目となっております。今回の部分からは6-7題程度の出題が予想されます。また、概説、体液、血液、循環の部分からは必修問題も出題されることも考えられますので、一つ一つを整理して記憶するように何度も何度も反復して確固たる知識、知恵となるようにしてください。次回は、消化、代謝、体温、内分泌を予定しています。夏休みまでに解剖学、生理学をおおよそ履修しておくと、今後の受験勉強に大きなアドヴァンテージとなります。みなさまの奮闘を期待しています。

西村 雅道

●プロフィール

西村 雅道
柔道整復師、鍼灸師、柔道整復専科教員、医科学修士
平成15年より平成26年まで学校法人杏文学園東京柔道整復専門学校に在職、同校の国家試験対策を牽引。また国家試験対策塾『杏文塾』の代表として同塾を運営。著書に一般臨床ポイントマスター。現在北里大学大学院博士課程に在学。

 
 
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