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(公社)日本柔道整復師会第11回大阪学術大会開催!

2017/09/25
特別講演:
アスリートにとっての痛みとスポーツ心理学的支援

大阪体育大学体育学部スポーツ教育学科 准教授 菅生貴之 氏

【概要】
メンタルトレーニングはものの見方や考え方にアプローチしていく方法で、目標を設定してモチベーションを高めたり、イメージのテクニックを学んだり、心の調整方法を考えるなど認知的なトレーニングを繰り返すことで、物事のポジティブな側面を見ることができるようになる。
しかし、実際にナショナルチームにスポーツメンタルトレーニングの有資格者がいるケースは稀で、心理面のケアもトレーナーが担っていることが多い。皆さんも施術をしているうちに患者の悩みを聞くということも現実として起こり得るだろう。クライエント(相談者)は人間関係や競技生活の悩み、将来への不安や葛藤等、何かしらの人生の危機に直面していると想像される。このような場合、どう対処すべきか。

カウンセリングの基本的要件として、クライエントを不利益、不幸な状態に陥れることは避けるということが最優先の事項として挙げられ、クライエントの自発的な問題解決志向が必要だ。
相談を受ける側は自分自身の満足感を得たいがために相談に乗る、人を助けることで優位に立とうとする「メサイア(救世主)コンプレックス」に突き動かされないよう注意しなければならない。
カウンセリングの際には、最後までクライエントの話に耳を傾けつつ、相談者、被相談者双方の心の動きに注意すること、スポーツの場面など悩みの対象がはっきりしている場合にはアドバイスも有効であるということ、相談以上の個人的付き合いを避けること、相談者の沈黙を、創造性を孕む時間として尊重すること、が大切となる。

アスリートの場合は、怪我などによる「身体の痛み」から練習ができず、競技に対する不安などでモチベーションが低下した結果「心の痛み」につながる。こちらが答えを提示するのではなく、悩みを理解しようと話をよく聞くことで、選手自身に「正解」に近いものを探し出させる態度が必要だ。
しかし配慮なしに聞きすぎると無意識下にあるものを引き出してしまい、むしろ混乱を深めてしまう恐れがあるので配慮しなければならない。
もし被相談者として手に負えないと感じたら、カウンセラーなどの専門職に引き渡す勇気を持つことも必要だ。

柔道整復師は援助職であり、特に身体的接触が多いことから心理的接触につながりやすいためカウンセリングマインドについて理解しておくことが大切となる。

 

全発表終了後、発表者に対する表彰が行われ、本学会は終了となった。

 

日整発表
2017・柔道整復師と介護保険について
~柔道整復師の地域包括ケアシステムへの貢献~

公益社団法人日本柔道整復師会保険部介護対策課

 

一般発表
最新・最速の柔整実技(急性頚部障害の鑑別と治療法)

寺内尚三(藤井寺市部/てらうち鍼灸整骨院)

膝蓋骨横骨折の遷延治癒に対するアプローチ

河井好照(西成支部/河井整骨院)

腰部痛に対するトリガーポイント圧迫が前頭前野脳血行動態へ及ぼす影響

児玉香菜絵、高本孝一、坪島功幸、小野武年、西条寿夫
(富山大学大学院システム情動科学講座)

閾値付近の遠隔振動刺激がヒトの触2点閾に及ぼす影響

杉本恵理(大阪府柔道整復師会専門学校)

耳への振動刺激による肩関節の可動域改善についての検証

嶋田薫温(福島支部/福島しまだ整骨院)

スポーツ現場に多い肩脱臼の整復法(安全で痛みの少ない整復法)

川合康博(住吉支部/川合整骨院)

Colle’s骨折に対する固定法のポイント

樋口正宏(東淀川支部/ヒグチ整骨院)

低コストで出来る膝関節の軽度屈曲位の固定

松永泰栄(東大阪支部/松永栄整骨院)

ラット腓腹筋における伸張性収縮中および温熱・寒冷刺激時の血行動態および温度変化

坪島功幸、阿部浩明、児玉香菜絵、高本孝一、小野武年、西条寿夫
(富山大学大学院システム情動科学講座)
浦川将(広島大学大学院医歯薬保健学研究科運動器機能医科学研究室)
田口徹(新潟医療福祉大学リハビリテーション学部理学療法学科)

ハイドロバッグを用いた関節整復
―PVL(脳室周囲白質軟化症)患者の著効した1症例からの示唆―

三雲大輔(みくも整骨院)

動的安定を考えた鎖骨テーピングについて

金田英貴(生野支部/金田整骨院)
柳永善(吹田市部/みらい鍼灸整骨院)
関寛樹(旭支部/旭区清水整骨院)

 

学生ポスター発表
学生現場における熱中症対策の実態

堤美沙、安田睦(大阪ハイテクノロジー専門学校柔道整復スポーツ学科)

ストレッチングと温熱・寒冷療法の併用による筋伸長の変化
~下腿三頭筋への処置による足関節の関節可動域の変化から~

宇野智也、木田晧介、峰松大介、野村孟生(大阪府柔道整復師会専門学校)

バランス能力を向上させる方法
~キネシオテープと簡単な運動の効果と比較~

出雲洋人(大阪行岡医療専門学校)

下肢PNFが歩行と跳躍に及ぼす影響

中西絢大、伊藤隆文、今藤岳、松岡怜央、峰松秀樹(大阪府柔道整復師会専門学校)

 

 

 
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