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(公社)日本柔道整復師会第46回北海道学術大会開催

2017/07/24
2017・柔道整復師と介護保険について
―柔道整復師の地域包括ケアシステムへの貢献―

公益社団法人日本柔道整復師会保険部介護対策課 三谷誉

地域包括ケアシステムとは?

三谷誉氏地域包括ケアシステムとは、地域にある病院や介護保険施設、接骨院などの社会資源を有効活用していくための仕組み。地域包括ケアシステムを構築している背景には、社会保障制度に割く財源が少ない、現役世代が少なく人材が不足しているということがある。
具体的な内容として、入院日数がどんどん短くなってきている。昔は一度入院すると長期間入院することができたが、非常にお金がかかるため、国はできるだけ短くしていきたいと考えた。
そこで入院期間は一昨年には3週間、さらに今年4月には2週間を目指すということになった。こうして早期に退院した患者を在宅で看ていこうということで、市町村は多職種で連携していくために会議を行っている。
今、在宅医療に求められているのは「顔の見える関係」だ。その中でまず、我々柔道整復師は骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷の施術ができるということを他の職種にも知ってもらわなければならない。各職種間で情報を一方通行ではなく相互にやり取りし、連携強化することが重要だ。

 

地域包括ケアにおける柔道整復師の役割

特別養護老人ホームやデイサービスは、生活の機能訓練を強化することが国から求められている。柔道整復師も個別機能訓練として、在宅の環境を見てアドバイスができるようになれば、機能訓練の分野からも声がかかるようになるだろう。
地域包括ケア実現のため、地域支援事業の枠組みを活用し、医療と介護の濃密なネットワークを構築しきめ細かなサービスを提供すること、高齢者が生きがい・役割をもって生活できるような地域を実現することが必要となる。
その中で柔道整復師もリハビリ専門職として十分に参入可能であり、スキルを活かせるということを市町村にアピールしていくことも大切だ。
新しい事業としては、介護予防・日常生活支援総合事業というものが作られており、多様な担い手による多様なサービスの充実が進められている。サービスの指定基準は市町村ごとに異なる。
地域のニーズに合わせ、地域ネットワークに入って顔が見える関係を構築し、市町村職員には自分たちには何ができるのかを理解してもらう。
また、地域のためにやる気のある姿勢を見せることが大切だ。

 

認知低下の予防の視点

地域包括ケアの中で、認知症は避けることができない。
認知機能が低下し、短期記憶に問題があり日常生活に支障がある場合を「認知症」という。
生活の継続性が低下して施設入所の可能性が高くなるため、軽度のうちに発見することが重要となる。機能訓練指導員としては、早期の認知症は診断がされていない場合もあるのでIADLやADLが低下したときに、どこに問題があるのかを考えていかなければならない。

 

全発表終了後、発表者表彰が行われ、本学会は盛会のうちに幕を閉じた。

表彰

 

 

研究論文発表
肩こりのセルフケアによる二次損傷の可能性について

小川進(十勝ブロック)

整骨院における下肢軟部組織外傷のリスクマネジメント

西家洋昭(札幌ブロック)

腰部痛に対するハムストリングス筋の運動点アプローチによるFFDと疼痛の変化

畑毛康彰(札幌ブロック)

手指の疼痛緩和に対する関節モビライゼーションの有効性に関する一考察

坂本忍(函館ブロック)

第2-3-4中手骨多発骨折の一症例

西根央(札幌ブロック)

急性腰痛症に対する超音波治療の有効性

阿部真二(岩見沢ブロック)

コーレス骨折における超音波治療(LIPUS)の一考察

中島大介(札幌ブロック)

コンビネーション治療の効果について

村井武男(滝川ブロック)

体幹から下肢にかけての軽度損傷の治療(施術)

熊谷元幸(日胆ブロック)

外傷性頚背部痛に対する経皮的電気刺激と微弱電流の有用性についての一考察

松濱広明(小樽ブロック)

関節可動域とケガの関連性

近藤洋文(旭川ブロック)

網走市の地域介護予防活動支援事業について

長尾敦(北見ブロック)

アンケートによる高齢者の運動実践事業について

相馬孝至(旭川名寄連合)

 

実技発表
SSH現場でのテーピングの実際

吉田英司(札幌ブロック)

橈骨下端骨折の整復について

佐藤全徳(十勝ブロック)

橈骨下端骨折(コーレス骨折)
~マサ板を使用した枕子・副木副子の作成及び固定法の検証と伝承~

釧路整骨研究会(釧路ブロック)

当院で行っている肩関節前方脱臼の整復方法

近谷忠美(函館ブロック)

下肢の包帯厚紙副子固定法

沢田守(札幌ブロック)

橈骨遠位端骨折の拘縮後療(手技療法)

黒田美保子(名寄ブロック)

足関節捻挫における下腿部の筋緊張の緩和法

中上勝(小樽ブロック)

中高年の体幹、上肢、下肢のストレッチ法

長尾隆之(日胆ブロック)

手関節捻挫の整復と有窓副子による包帯固定

中西睦男(旭川ブロック)

肩関節脱臼整復法

中西誠(北見ブロック)

 

学生スライド発表(附属北海道柔道整復専門学校)
筋肉に負荷を与えた時の筋肉への影響について

高口翔(昼間部3年)

色彩と筋力の関係について

荒谷翔(夜間部3年)

運動による膝蓋腱靭帯の変化について

山崎晃誠(昼間部2年)

伸縮テープと疼痛の関連性について

真鍋匡聡(夜間部2年)

 

物理・理学療法の実際と実技
伊藤超短波(株)が提案するEMSの有効な使用法

伊藤超短波株式会社 加藤寛司

運動器のサポーティングシステムメーカーが推薦する未来の整骨院像
~院内でできる簡単なテストを用い運動器の健康チェックサービス~

ダイヤ工業株式会社 山﨑圭太

柔整業界を取り巻く環境と超音波エコーの活用について

株式会社エス・エス・ビー 富田孝次

 

 

 
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