(公社)日本柔道整復師会第44回九州学術大会沖縄大会開催
会員発表
ばね指及び、ばね指に伴うモーニングアタック改善法
福岡県 河野雅樹
モーニングアタックとはばね指特有の症状で、起床後の初動時に起こる激痛を伴う弾発現象である。モーニングアタックを緩和・解消することで患者のADLとQOLが改善すると考え、簡単に行える独自のストレッチと手指の捻挫固定に使用されるユビットを併せて試行した結果、症状の改善と愁訴の軽減がみられたので報告する。
橈骨遠位端伸展骨折(関節内粉砕型)の一症例
鹿児島県 中浩一
前腕骨遠位端骨折は発生頻度が高い。今回、橈骨遠位端関節内粉砕の骨折の症例を、患者の意向と専門医の指導を受けながら、保存療法で良好な結果が得られた。経過報告と整復の問題点を考察し、整形外科的診断のAO分類で分類して報告する。
成長期における橈骨頚部骨折についての一考察
福岡県 髙石雅徳
成長期の骨折では、成長障害と機能障害が懸念される。今回は、成長期には稀な橈骨頚部骨折に対して、保護者と外科医の同意のもと施術を行ない、独自の固定法により、成長障害、機能障害も無く良好な結果が得られたので報告する。
AHIと肩関節可動域制限原因因子との関連性について検討
佐賀県 樋口大夢
肩関節の肩関節痛・肩関節可動域制限を引き起こす原因因子は2つに分類され、1次的因子としては石灰沈着・肩峰の変形などの構造的狭窄、2次的因子としては腱板断裂などによる機能的狭窄とされている。今回は機能的狭窄に着目し、超音波診断装置を用いてAHIを測定し、AHIとROM制限との関連性について検討した。
足部舟状骨疲労骨折保存療法の考察
熊本県 長谷尚
足部疲労骨折には踵骨・舟状骨・内外側楔状骨・中足骨などがあげられる。中でも舟状骨疲労骨折は比較的稀な疾患であり、医療機関など受診の際にも愁訴が不定であり、X線画像のみでは見落とされやすい。今回、これまで経験した3症例において装具固定や免荷を行わず物理療法・手技療法・包帯固定により競技復帰に導くことができたので報告する。
肩鎖関節脱臼の定期的X線撮影検査と固定法
大分県 安部良太郎
肩鎖関節脱臼はほとんどが上方脱臼で、交通事故やスポーツでの転倒時に肩峰への直達外力によって発生する。前回発表では、作成した固定装具を用いた整復位保持が非常に効果的であることを報告したが、実際の新鮮例に対して使用したことがなかったため、今回第3度の肩鎖関節脱臼に対して固定装具を用いた保存療法で対応した症例について報告する。
下肢部障害に対するウォーキングテープの効果
沖縄県 豊里剛
下肢部障害を訴える患者に対し、患側下肢のバランスを安定させ、蹴り出しを強化することで下肢部障害の愁訴を軽減できないかと考えた。従来はインソールを用いて施術にあたっていたがその効用に不十分さを感じ、独自に考案したウォーキングテープを患足部に貼付したところ、愁訴改善が認められたので、その効果を報告する。
YNSA脳幹部への電気刺激が身体に及ぼす影響について
宮崎県 宮永敏郎
YNSAは宮崎県の山元勝医師が1973年に確立した頭針療法である。脳幹部と呼ばれるツボは様々な症状を治療するにあたり初めに施術するツボである。このYNSA脳幹部は痛みやストレスからくる身体の筋過緊張を和らげる効果があるのではないかと考え、YNSA脳幹部のツボを電気刺激し、身体に反応を引き起こせるか刺激前後の指床間距離にて検討した。
全発表終了後、発表者の表彰が行われ、次回九州学術大会の主管である(公社)長崎県柔道整復師会・今道昭哉学術部長の閉会の辞で本大会は閉会となった。