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柔整師養成校訪問レポート
【第2回 : 帝京大学医療技術学部柔道整復師学科】
教職員の声
―独自のカリキュラムとして「ライフデザイン演習」という授業があると伺いました。
ライフデザイン演習は、様々な“面白み”のある科目です。正規の授業の中に、柔道整復に結び付けた形で何らかの特徴のある授業を学生たちに受けさせる。現在、当学科には柔道整復師の先生は7人おりますが、その7人に生徒を10人ずつくらい張りつけて、個別によく指導できるようにしています。それぞれの先生が学生個人の特徴を把握して、適当と思われる題材をそれぞれの生徒に与えることが出来る。中学校のホームルームのようなイメージすら感じられるマン・ツー・マンの教育方法の工夫ですね。こういった自由度の高い授業の制度を設けているのも、帝京大学グループの特色のひとつかと思います。
―国試合格のための勉強を第一とされている学校も多いと思うのですが、これについて貴校はどのように感じておられますか?
やはりその点では、専門学校のように3年制で頑張っておられる学校に比べて、4年制はちょっと甘く出来ているかも知れませんね。国家の資格試験が入学の3年後か4年後かでは、大きな違いを生む可能性があります。その気持ちのずれ、あるいは隙間が、広い意味での人間性や医療技術者としての人格を形成する際の土台・栄養となるのでは、と期待しています。しかし、その一方で、時間が1年間余計にあるので落ち着いて勉強しているつもりでいて、気構えに隙間ができ、ついつい真剣味が足りなくなるということにならないように頑張る必要があると思います。
本学の国試対策としては、3年生のうちから柔整師の先生方が模擬試験をやっております。しかし、この模試も、4年生になりますと切羽詰ってきます。そこで、先程もお話しましたライフデザイン演習の時間を利用して総合的なまとめの授業として、国家試験対策の勉強も時に行なうように計画されています。ライフデザインは、このように状況に応じて「優秀な柔道整復師育成」のために、有意義に活用されております。
また、我々、宇都宮キャンパス柔道整復学科独自の特殊な国試対策としましては、コンピュータを用いてオンラインで模試を受けることが出来るシステムを取り入れています。これは、まだ一般には開放はされていませんが、当学科の学生であれば、繰り返し何度でも練習できますし、自宅からでも受験することが出来ます。これは、我々の柔道整復学科の完成年度である今年4月からは、本格的に利用できるようになります。このオンライン・システムは、柔道整復学科に隣接するバイオサイエンス学科の他に、情報学科も有する本学だからこそ出来る、自慢のシステムといえるかもしれませんね。
―実地的な指導についてはいかがですか?
われわれの柔道整復師のスタッフの中には柔道整復師の国家試験で試験官を務めることができるような優秀な人物もおり、彼らが熱心に注意深く単位判定をしながら教えていますので、技術レベルは全国平均で見ても決して悪くないと思います。3年生までは添え木の当て方や包帯の巻き方を、マネキンを使ったり友人同士で行なったりして学びます。4年生になったら、大学の付属接骨院(帝京豊郷台接骨院)で見学実習をしながら、それをもとにして実習室での実習をすることになりますので、治療のイメージがしっかりしてくると思います。臨床の実習時間は出来るだけ長く取りたいと考えており、カリキュラムを工夫しながら充実を図っています。また、3年生のカリキュラムに含まれている解剖学実習も帝京大学板橋キャンパスの医学部で体験させていますので、指導に当たる先生がいわば身内である分、熱心に指導してもらっているようです。