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柔整師養成校訪問レポート 
【第2回 : 帝京大学医療技術学部柔道整復師学科】

2011/04/01
院長の声

院長

【帝京豊郷台接骨院・柳治司 院長】

―大学と専門学校の違いとは何だと思われますか?

大学と専門学校では、教えていることはほとんど変わらないのではないでしょうか。しかし、中身の濃さは違ってくると思います。大学では直接は施術に関係しないような、例えばScienceの基礎や内科的疾患について等、一見柔整師にあまり関係なさそうに見えることも教えます。そういう知識を学ぶことにより、今後の自分(柔整師)の治療や研究につながっていくのです。例えば細胞学を学んでいれば、骨癒合の科学的な研究や、その後のケアとして理学療法を効果的に行うためにはどのようにして行くべきか、などが考えやすくなるわけです。我々の場合は、臨床の経験の中で「こうなんだ」と教え込まれて、実際にそうなのか確かめる事ができなかった訳ですが、大学ではそういう研究ができるようになっていくと思います。

 

―では、帝京大学の魅力とは何でしょうか?

我々柔道整復師の場合、骨折・脱臼は応急処置は出来ても、その後は医師の同意がないと治療が継続できない等、法の規制があります。しかし帝京大学はご存知の通り、板橋キャンパスに医学部があり、そことタイアップが出来る可能性があるわけです。そうすると、現在の柔道整復師が抱えている問題は、ある程度改善されるものと思われます。そこが、総合大学としての帝京大学の魅力ではないでしょうか。

現に今、板橋キャンパスから医学部の教授に週に1度この接骨院に来て頂いており、患者様の治療方針等をご相談しています。そんなふうに整形外科の先生とタイアップしながら、将来的に私の夢とする【医接連携】ということを目指して医学部の先生と連携し、こちらからも相談を積極的に行うことにより、すみやかな指示が頂けるようになれば、患者さんにとっても柔整師にとっても、こんなに有難いことはありません。それがこの豊郷台接骨院では、可能なわけです。

また、教員は皆、熱意を持って学生の指導にあたっております。特に柔道整復学科長である塩川教授は、生物学の権威ではありますが、本来柔道整復に関しては素人なんです。それにもかかわらず、あれだけ熱く語れる人はいませんよ。そういう熱意がないと、なかなか学生には伝わらないですよね。塩川先生はよく「細胞の気持ちもわかる柔道整復師」になってもらいたいと仰っていますが、そこには常に生命体の本質に思いを致すような、物事を深く考えて治療に当たる柔道整復師になってほしいという学生たちへの期待が込められています。

 

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