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統合医療学会新理事長・仁田新一氏に直撃インタビュー
2012/05/16
―統合医療が本当の意味で国民の健康や福祉に寄与するのであれば、ある意味では、医学分野ばかりでなく、制度、あるいは、統合医療を行う上での倫理、法律など、多面的に踏み込んだ議論と実行力が必要ではないかと推察します。そのためには、大胆な発想の転換などを含めた進め方が必要のように感じますが、今後の、方向性、大胆な提言などございましたらお聞かせください。
やはり予防が最終的な医学であると思います。要するに病気にさせないことです。そのためにどうしたら良いかというと、国民の民度など関心度を上げるということです。理想を言えば常に自分自身が軽い症状へのいろんな生薬、薬を持っていて、さらに予防に対して積極的な関心があるということが大事です。全国民の健康意識がもっともっと高まれば今の医療体系は随分変わってくるだろうと思っています。健康産業或いは健康関連分野に関わっていると健康志向が働いて向上心や健康への思いがその人の生活習慣を変えていくことになると思います。平たい言葉でいうと「国民一人一人が予防医学の医者であれ!」、つまり国民一人一人が予防医学の名人になるということです。そのための知識と方法論を手にすることが出来たらいいなと考えています。それには統合医療的な展開が手軽に実践出来ることが重要であり、所謂エコ医療を実践して、自分で健康を手に入れるようなマインドと方法論を個人個人が体得し、更には昔ながらの健康に良いものをお年寄りが若い人たちに伝承していけたらいいなと思います。医療という資源(人材・方法論等)は西洋医学だけではなく、様々な医療があるということを全てフランクに見渡せるようになればこういう方向に行くのでは無いでしょうか。
(文責・編集部)
プロフィール
仁田 新一
昭和41(1966)年東北大学医学部卒。米国ベイラー医科大学研究員(昭和49年)、東北大学加齢医学研究所教授(平成8年、東京工業大学併任)、東北大学副総長(平成10年)、東北大学加齢医学研究所教授臨床医工学客員研究分野客員教授(平成19年)。その間、日本人工臓器学会理事長、国際人工臓器学会理事長、日本BME学会副会長、厚生労働省薬事審議会専門委員臨時委員、経済産業省新エネルギー機構プログラムマネジャー、宮城県予防医学協会理事長、東北大学研究教育財団常務理事などを歴任。