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第2回勉強会「柔道整復師の保険治療とは何か」が開催!
本多:
経過観察は患者のどこを見て観察するんですか?
山田:
まずは自発痛、腫脹、特徴的な痛みの経過です。基本的には私もペインスケールでいう一番ピークの痛みから半分になるまでは出来るだけ毎日診ます。その経過によって、特に大きな怪我になると関節血腫、もしくは関節水腫が起こってくる。水腫の場合は1週間から10日かかりますので、腫れを観察するという意味で10日くらいは診たほうがいいかと思います。
福岡:
首の外傷の急性期は非常に関節への行動的なストレスがかかった状態を想定すると固定期間が大事になります。この固定期間に過度に動きをつけてしまうと長引きます。ですから私は1週間から10日が勝負と思います。痛みの経過観察は当然なんですが、ある程度1週間から10日くらいで痛みが軽減してくる段階とあわせて、動きを付けて良いという時期をみるためにも毎日観察をしてあげることが大切だと思います。また、首の場合は嘔吐やめまいといった捻挫に伴う愁訴が起きます。それから握力を失う。ですからある程度回復した時に今度は可動域を付けながら握力が戻ってくるというのも、ひとつの経過観察の目安になります。
生活指導方法
本多:
経過観察はカルテに書いていますか?患者さんがどういう症状になっているのか、記録に残しておかなければ経過観察をしたとは言えません。記録に残すことで、昨日よりは今日、今日よりは明日良くなっているという流れを作る。
もう一点聞きたいのですが、患者が家に帰ってからこういうことはやってはいけない、こういうことをやりなさいという生活指導はあるのでしょうか? お風呂に入る時にはこういうことに注意しなさいということは指導しないのでしょうか?
阿部:
最近たまたま足にヒビの入った患者さんがいたのですが、色が良くなってきたのでお風呂に足を付けてみてくださいと指導しました。
そうすると、まだやっぱり熱くなって疼きますということで様子見ながら3日程続けて確認したら、疼きがなくなりました。その日からお風呂で温める治療にしましょうと指導をしました。
本多:
お風呂に入って良い等あまり教えてくれない人がいるんですよね。細かい指導をしてカルテに書いてほしいんです。書かないと後からそういう指導は受けなかったという話になってしまいます。
次に、固定には様々な方法がありますが、家に帰って固定が外れたりとってしまったりする人もいると思います。患者さんに固定のやり方は教えないんでしょうか?
小林:
私は固定はすごく大切だと思っていますので、わざと患者さんが取れないように厚紙副子を当てて包帯で固定します。次の日まで必ず取らないで来て下さいと言って、何日か経って可動が出てきたら、患者さんでも取り外しが出来るようなものにしています。
本多:
患者さんに固定を外しちゃいけないと言っていますか?勝手に外したら悪化しますということは説明していますか?
小木曽:
説明しています。例えば肩の肩板損傷というものがありますが、肩の上がりが悪いので基本的に三角巾で固定する訳なんですけれども、車の運転をするとか日常生活でどうしても使わなければいけないという人は外してしまいます。本当は外さず固定していた方がいいのですが、外して動いたらどうなるのかと聞かれた時には、治りが悪くなり痛みが残りますが、それでもいいならば外しても良いですけどせめて家にいて何もしていない時は付けてくださいという説明はします。
交通事故時の愁訴に事故以外の素因が考えられる場合の対処
本多:
私が経験している事件ですが、交通事故でむち打ち症になった60歳代の女性で、更年期症が入っていました。損保会社は交通事故による因果関係と更年期症による因果関係とハッキリしないので、保険の対象にはされにくいということがありました。そのように更年期症或いは別の要因・素因も加わっているとわかる場合もあるでしょう。そういう場合はどういう治療をされるのですか?
岩崎:
事故の場合は予測しなくて追突された場合と予測していて追突された場合で全然違います。見た目が軽い事故でも停車中に後ろから追突された場合は意外と長期化します。それから不定愁訴が事故前にあって事故をされた人と健常な人が事故をした場合では同じことをやっても良くならない。基本的にはどちらのタイプでも追突されたという被害者意識が、対応次第では良くなりたくないという感情が無意識に患者さんのなかにあるので、事前にこの患者さんは長期化すると目に見えていれば損保会社に情報として伝えておかないと、普通の患者さんは治っているのに何で貴方の受け持っている患者さんは長引いているのかということになります。