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第2回勉強会「柔道整復師の保険治療とは何か」が開催!
平成24年4月15日(日)、柔道整復師センター3Fにおいて「柔道整復師の保険治療とは何か」をテーマとした第2回勉強会が開催された。
初めに、司会の本多弁護士より会議の趣旨説明があり〝私どもは柔道整復師の療養費受領委任払の基準をもう少し使い勝手の良い、現実に合った基準に設定したらどうかと関係者に提案をしている。その中でも特に、俗に『グレーゾーン』と呼ばれる明らかな外傷とは認められないような疾病や負傷に関しての治療が曖昧になっていて、それがひいては柔道整復師の先生方の治療にゆがんだ形で反映してしまう。あるいは保険者からの理由のない不当な問題提起をされてしまう。患者さんも十分に理解せずに受診をしてしまう。このような状態が長年続いている〟として、柔道整復師の将来のために受領委任払いの基準を整備する必要性が述べられた。
前回は主に腰部についての討論が行われたが今回は頚部・肩部に絞って、誰が見ても外傷と認められるものとそうではないものに分けてその治療方法や診断方法の違い、治癒速度の差について議論が交わされた。
以下、詳細を記載する。
寝違え
本多:
まず、明らかに外傷だという事が認定できる頚部の負傷について少しお話をお伺いしたいと思います。
荒井:
今までは健康であって、ある瞬間から急に具合が悪くなるというのが一般的に明らかな外傷だと思われます。頚部で言えば一番多いのが寝違えだと思いますが、後ろのものを取ろうとした瞬間に首が痛くなる等して筋肉を痛めたりもします。明らかでないものは頸椎症など反復性の作業による痛みですね。工事現場の現場監督がずっと上を向いていて痛めたり、背の低い小学校の先生が黒板に字を書くのでずっと上を見ていて痛めたり等があります。そのような反復性のものはいつの時点から痛くなったのか明らかではないものです。
本多:
寝違えというのは外傷に入るのでしょうか?
山田:
寝違えに関しては亜急性の外傷という事ではっきりと説明をされています。頚部捻挫として扱っていますが、長時間不自然な姿勢を取っていた、あるいは疲労している時に首を捻ったり肩を動かしたりすることで起こる一過性の筋の損傷です。椎間関節で起こる場合があります。ですので、頸椎で起こる関節の寝違えもあれば、筋肉の方で起こる損傷もあります。それと亜急性というのは、自分は自覚しないまま繰り返し起こった損傷です。摩擦の蓄積によって突然起こりますし、寝ている場合にもそういう外傷は起こります。
五十嵐:
不自然な姿勢で寝てしまうと深部の筋肉に圧迫が加わって、そこにむくみが起きるのではないかと考えます。そのような条件下でいきなり動かしますと、むくんだ筋肉と正常な筋肉との間に格差が生じて軽い肉離れのようなものが起きるのではないかという事で、私は寝違えは急性のものであると思っております。
本多:
山田先生は亜急性で急性に準ずるようなものだという解釈で、五十嵐先生は急性ではないかと仰いましたが、現場監督や背の低い先生がずっと上を見ていて頚部が硬直をしてしまい痛みが出たというのは、寝違えとどこが違うのでしょうか?明らかな外傷か明らかな外傷としては認められないというのはどうも患者の認識ではないかと私は思うんです。施術者は現場にいるわけではないので、これは急性か亜急性かというのは疲労や痛みの程度や現象で把握するものなのでしょうか?
菅俣:
これは自分の考えですが、例えば上を向いていて痛くなりました、戻しました。その時に可動域制限が出てきたり、どちらかの方向の筋肉が動かないという状況があるというものであれば寝違えに近い損傷であろうと私は説明しています。