柔整ホットニュース
特集
東日本大震災から1年 復興への願いを込めて!
【(社)福島県整骨師会会長・遠藤寿之氏】
2011年3月11日に巨大な地震・津波・原発事故が起こってから、様々な報道が途切れることなく続いて丸1年が経過した。被災地の復興の進捗状況はどんな感じであろうか。決して忘れるべきでない歴史的事実を後世に伝えていくことが重要である。何時何処で起きるかもしれない自然災害を私達はどうやって乗り越えるべきか、又どうやって尊い命を救い被害を少なくするか等について、被災地の方達から学ばなければならない。まだまだ復興とは程遠い東北を日本全体で支えていくべきである。被災地である宮城・岩手・福島の会長をインタビューし、復興への道筋をお聞きした。
福島県では、死者1605人(60歳以上67.2%、溺死1420人・焼死4人、圧死・損傷死他164人、不詳17人)・行方不明215人(県警発表)もの大切な命が失われた。また福島は、震災の後に原発事故が起きたことで、避難を余儀なくされ、家族が離れ離れになって他県に転居するなど、何時戻ることができるのかも分からない不安な生活を強いられている人たちが何万人にものぼる。確かに今は将来の夢は描くことができないかもしれない。しかし、広島も長崎も蘇ったように、必ず福島も蘇る日がやってくるにちがいない。 (社)福島県整骨師会会長・遠藤寿之氏にお話しいただいた。
―福島県の会員の被災状況についてお聞かせください。
福島県の場合は、地震・津波・原発事故に分かれますが現在地震による全壊者2名、津波による全壊者1名、原発事故による被災者22名となっています。
―地震が起こった直後はどのようなアクションを取られましたか。
実は地震が起こる3日前、歯科医師会が2010年の11月に災害救助法の協定を結んだという事を聞きまして、我々柔道整復師も非常時に力になれるので是非災害協定を結びたいという事で事務長と一緒に県庁に行きました。しかし、そこで言われたのは〝そのような大きな災害は考えていない。国の災害救助法の中に柔道整復師は記載がないため、県としては考えていないし今後も考えるつもりはない〟という旨の話でした。〝では、どのような災害を考えているのか?〟と聞いたところ〝例えば福島空港の飛行機事故等といった概ね地域的な小規模災害を想定しているため柔整師は必要ないであろうという認識である〟と。そういうことでしたので再度色々な関係資料等を整理して福島県と協定を結びたいと思っていた時にグラッと来たのです。
地震の時はたまたま郡山の医療専門学校で日整の説明会を行って終わって駐車場に行った時でした。あの時の光景は、車はバウンドしていますし、地面もビルも周りは大きく揺れていましたし、電柱なども音を出して傾いていました。その後あちこちの壁も崩れ始めてそのうち暗くなってきて風が強くなって吹雪になりました。人間というのは不思議なもので、揺れている地面を抑えるような仕草をするように出来ているんですね。それから家に帰りましたが、帰る途中も壁が落ちたり、郡山の市役所の建物も一番上が潰れるなどしていました。そこで1人なくなってしまった方もいました。2日目の朝早く事務所に来て対応をいろいろ検討して、3日目の朝、情報をつかんだ時には県内あらゆる施設に避難者が入ってきている中、原発立地の大熊町民が田村市船引のデンソウという大きい倉庫に1800人、総合体育館で1500人、その他小学校等の避難所に500~800単位で人が入って、大熊町の避難者を田村市で受け入れているので、田村市と話をしてくれとのことで田村市に行って担当者と話をして避難所の中に入りました。ベッド関係を持って行く等をしてプライベートな空間を作って、近場の会員を募って7~8人態勢で2日目から施術を開始しました。全県下で会員が近隣の避難所に入り救護活動を開始しました。