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(社)神奈川県柔道整復師会・吉田会長、「傷病名問題」を語る!

2012/02/16

―保険者さんのパンフレット等には単なる肩凝りや腰痛はダメと書かれていますが、その分野を柔整師さんがずっと担ってきた訳で、こういうふうに治してきていたんですと言ってはいけないのでしょうか?

その通りですが、ただ先ほど述べたように、昭和のはじめやその前から、肩凝りも含めて関節障害等を扱ってきたと思うのです。それを今までは、保険者が認めていた訳で、もともとは支給基準の中に、 単なる肩凝りの"単なる"という文言は私の記憶ではありませんでした。「肩凝り」だけだったと思います。途中から、単なる肩凝りはいけませんよとなった訳です。様々な交渉など経緯をへて、国のほうが曖昧にしてしまったのではないかと思います。国に〝単なる肩凝りってなんですか?〟と聞いても答えられないと思います。要するに前の支給基準の中には、扱っていけないのは「肩凝り」だけでしたが、〝単なる〟という文言が後からついた訳です。

 

―「単なる肩凝り」とか「単なる腰痛」という曖昧な診断を止めてキチンと診ていこうというお医者さんが出てきています。柔整も今までのデータに基づいて、腰痛をちゃんとこういうふうに分類しますよとか肩凝りはこういうふうに分類しますよとやっていくべきではないかと?

そう思います。今までもやってきたことですから、そういう方向性でやっていくべきでしょう。

 

―傷病名問題を明らかにして、今の範囲に限らずやっていこうとした場合どうすれば?

柔道整復師法には、外科手術薬品投与禁止とあるだけで、何と何をやってはいけないということは書かれていないのです。従って何をやっても良いということです。支給基準の中では取り扱える「負傷例」として記載してあります。あくまでも傷病名ではなく、負傷例としてです。例として、こういうのがありますよということです。負傷"名"ではないんですよ。柔道整復師法に則って、保険を扱う、即ち受領委任払いを取り扱う時は、その負傷例に基づいて行っているだけなんです。

 

―本当は何をやってもいいけれども、受領委任払い制度を扱う時は負傷例に当てはめて、やってきたし、やっていくべきなんですね。

支給基準にそう書いてあります。みんな勘違いしているのです。しかも、それは受領委任払いを扱うだけで、扱わないのであれば極論ですが何をやっても良いと思います。従って保険を使うのであれば、あくまでも傷病名ではなくて負傷の事例です。療養費の支給基準というのは、柔整師にも健康保険は使わせるけれども、支給基準として「負傷例」を示しております。全て負傷例、例に過ぎない訳です。脱臼・打撲・捻挫・骨折の負傷例であり、基本的に健康保険を扱うには慢性疾患はいけませんという前提条件があること、しかも負傷例で示されているので関節障害とか五十肩といったものを扱う事が出来ない訳ですが、現実としては関節障害や五十肩があって負傷する人がいることも事実であるからです。

 

―医師がいわれる急性・亜急性と柔整師がいわれる急性・亜急性の見解が異なることを理解されている保険者さんは少ないと思います。その辺もう少しオーバーユース等の疾患や慢性の疼痛などを扱ったデータを解析して保険者さんに理解してもらう努力が必要では?

それは、簡単に出来ると思います。結局、柔整師自身が急性・亜急性を理解できておりません。急性というのは誰もが分かることですが、亜急性というのは期間はどのくらいと定めたところで、まちまちであり、夫々異なりますし、見解が違うと思います。