柔整ホットニュース
特集
施術療養費支給申請書点検業務外部委託の現状と問題点
―その5 外部委託業者問題とは?―
※このシリーズも5回を重ね、今回は神奈川県に続いて千葉県社団にご協力いただいた。千葉県社団では、しっかりとデータをとられ、回答いただき、また取材にも真摯に答えていただいたことに改めて感謝とお礼を申し上げたい。
さて、今回、千葉県社団を取材して見えてきたことは、患者照会は、不正の発見や予防という視点では必要であり重要であるが、民間調査会社或いは保険者は、患者照会の結果、不正を追及するというよりも単に療養費の削減を目的としているという疑念がある。また患者照会の調査が、個人情報の漏洩や、医師・柔整師の守秘義務をおかしているのではないかといった問題が千葉県でも同様にうかがわれた。
その一方、委託する保険者が増えているにもかかわらず、返戻数は比例して増えている訳ではない。これについては、民間調査会社が削減効果をあげられるほどの機能を持っていない。しかも民間調査会社に委託する保険者が増えてはいるものの、辞めたり変えるなど変動も多いようである。つまり実際に委託調査をしてみたが、大したことはなかった。結構経費もかかる、ならば自分で調査したほうが安いという考えの保険者も増えてきているのかもしれない。こうした中で、柔道整復師がキチッと診療し、請求し、返戻にも対応する限りは支払いに応じている。ただ厄介な問題は、患者照会の際に同封されている注意事項が受診抑制になっているのではないかという問題である。この問題は、柔道整復の治療に対する信頼性の問題も含め、保険者に対し充分な説明や合意が必要ではないだろうか。そうした取り組みによって相互の信頼性を増すことが大事なのではないだろうか。
前回、神奈川県社団を取材して「社団が狙い打ちされているのではないか」といった問題が出たが、千葉県社団にはその実感は無いとのことであり、県によって異なるのではないかとした疑問も残った。この問題に関しては引き続き取材調査を続けたい。
プロフィール
高橋 政夫
社団法人 千葉県接骨師会・副会長
社団法人 日本柔道整復師会代議員
関東ブロック会理事
プロフィール
杉﨑 彰彦
社団法人 千葉県接骨師会・常務理事、保険部長
関東ブロック会理事