柔整ホットニュース

特集

施術療養費支給申請書点検業務外部委託の現状と問題点
―その5　外部委託業者問題とは？―

今回は、シリーズその５「千葉県社団に聞く！」と題して、(社)千葉県接骨師会・高橋副会長と杉﨑保険部長のお二人に取材、問題点を話し合っていただいた。(予め提出していた質問に対しての回答を先に掲載する)

 

【質問】返戻レセプトの割合について、全体のレセプトの内、返戻が約何パーセント位で、その中に民間調査会社からの返戻は、どの位であったか？できれば過去と比較していただきたい。次に５年前頃から民間に委託する保険組合が徐々に増え始めたと思われるが、その実態をお聞きしたい。

【回答】ガリバー社など委託業者について千葉県での状況を分析した。

１、ガリバー社へ委託している保険者数について

平成19年	平成22年
105社	194社

平成１９年度千葉県でガリバー社へ委託している保険者として把握していた数は１０５社であったが、平成２２年には１９４社と倍増している。
しかしながら、３年前の１０５社のうち２８社が平成２２年には抜けており新規委託保険者が増えると同時に委託をやめる保険者も多いことが分かる。
委託してみたが、支払う費用に見合う効果が得られなかったと判断する保険者も多くなっていることがうかがえる。

 

２、委託業者からの返戻数

	返戻数	返戻率(％)
ガリバー	153	4.19
大正オーディット	16	10.60
東京都総合組合保健施設振興協会	54	3.77
ディ・シー・オペレーション	17	1.46
近総協福祉共済会	9	2.54
以外の保険者	442	3.19

平成２２年３月から７月までの返戻のあった保険者について、分母を請求件数、分子を同時期の返戻数として返戻率を出した。
これによるとガリバー社の返戻率は4.19％に対し以外の保険者は3.19％と１％の差であった。時期や地域によって差はあるものと思われるが、委託業者は返戻ばかりとは言い切れない状況であった。

 

３、ガリバー社の返戻数増減

平成19年12月	平成22年5月
50件	32件

千葉県におけるガリバー社の単月返戻数を３年前の実績と比べると、増えていない状況にある。

 

◆２と３から・・・

ガリバー社の人的またシステム的体制が処理すべき件数の急増に追い付いていないことが想像される。
当然ながら同社も単なる営利目的の会社であり、処理件数や対応体制に応じて投資を拡大し続けることにはリスクが大きいと考えているのではないかと思われる。