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神戸大学医学部附属病院医療情報部・高岡准教授にインタビュー

2012/10/16

―若い方々に向かって森に入りなさい、誰も手をつけていないことにチャレンジしてくださいとおっしゃられました。研究を志す上で大切と思われることを教えてください。

ノーベル賞を取るような研究には、センスは凄く大事です。でも多くの人にとって、愚直に継続することはそれ以上に重要だと思います。結果として上手くいかなくても、好きなことをやれたのだったら、それは幸せだと思います。それには、常に考えることを続けることしかないんじゃないか。

もう1つあります。多くの人が、なんとなく今の状況が永遠に続くと思っていますが、今の状況が永遠に続くわけがない。先回りして、次の状況を常に考えておくということが重要です。学生さんであれば、大学に入ったら、もう卒業後のイメージを持っておかないといけない。受け身にならないということです。もちろん、ルールを守って社会人として常識ある活動をしていくことも大切です。

私は、判断に迷ったときに考えることがあります。それは、こんなシーンです。私がもう動けなくって話せなくって死期が近い時に、あれをしておけば良かったというのを急に思い出して焦る場面です。当然、もうやりたいことは出来ない。どうにもならない。悔しい。この場面を想像します。その度に、私はそんなことだけにはなりたくないと、強く思っており、これを判断材料にします。加えて、あの世にお金を持っていくとは出来ないから、お金を第一には考えない。これらのことに、20代の頃に気づいたのが良かった。

誰でも最後には、いつか分からないけれど死ぬことになります。だから、チャンスは一回だけです。そこのところを、よくよく考えてやっていかなければ良い仕事は出来ません。それは基礎研究でも臨床研究でも臨床現場でも、もっというと、どの仕事をしていても基本的には変わらないと思います。このことを若いみんなが実践してくれたら、日本はもっと良くなるでしょう。だから、人材養成が何よりも重要なのです。

 (文責・編集部)

 プロフィール

    高岡 裕

学歴:

1988年 はり師、きゅう師免許取得(在学中取得)
1989年 明治国際医療大学鍼灸学部鍼灸学科卒業
1991年 徳島大学大学院栄養学研究科修士課程修了(栄養学修士)
1992年 九州大学大学院医学系研究科分子生命科学系専攻博士後期課程進学
1993年 東京大学大学院医学系研究科博士課程転入学
1994年 熊本大学医学部遺伝発生医学研究施設国内留学(約二年間)
1997年 東京大学大学院医学系研究科分子細胞生物学専攻 単位取得退学
1999年 博士(医学)(東京大学課程博士)取得

職歴等:

1991年 明治鍼灸大学附属病院 研修鍼灸師
1997年 東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター教務補佐員
1998年 東京大学医科学研究所研究生 / 理化学研究所テクニカルスタッフ
1999年 理化学研究所横浜研究所 / 播磨研究所研究員
2002年 岩手医科大学歯学部口腔生化学講座助手
2005年 神戸大学大学院医学研究科特命講師
2007年 同上 特務准教授
2009年 同上 特命准教授
2011年 神戸大学医学部附属病院医療情報部 副部長・准教授 神戸常盤大学ライフサイエンス研究センター 特命准教授(兼任) 森之宮医療大学および熊本大学医学部非常勤講師

委員等:

2009年 - バイオナノシステムズ研究会会長(任期:2013年3月末)

受賞:

2009年  Outstanding Poster Award (The 10th International Conference Bioinfo2009) 
2010年  グッドデザインひょうご・ユニバーサルデザイン賞(兵庫県) 
2010年  グッドデザイン賞(財団法人日本産業デザイン振興会) 
2012年  社団法人日本温泉気候物理医学会第17回優秀論文賞 

所属学会:

日本生化学会、日本分子生物学会、日本質量分析学会、日本東洋医学会、日本医療情報学会 ほか

 

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