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「患者と柔整師の会」代表・今城氏にインタビュー

2011/01/16

―今の制度のどのようなところを改革してほしいと望まれているのでしょうか?「柔道整復診療の療養費受領委任払い制度改革基本試案」を公表されていますが、その骨子を教えてください。

主な骨子としては、

業界統一の研修制度や診療を行う柔道整復師の認定について
療養費受領認定柔道整復師制度の制定
療養費受領委任対象の柔道整復診療の適格基準の制定

等を掲げています。

結局、たくさん数が増えていくために、それへの歯止め策、歯止めの試案です。このような試案を出しましたが、実際に統一して施行されるのであれば良いと思いますが、みんな良いことはいっぱい言うけれども、それが実行されなかったり、制度化されなければ全く意味がありません。我々患者としては、そこら辺が一番問題だなと思っています。内容は多少いろいろあっても良いけれど、ちゃんとルールを決めて、しっかり守って、不正請求やレベルの低い人は保険を使えないような制度を作っていかなければなりません。それが私たち患者としての考えです。

 

―近年は癌患者の会とかいろいろ情報交換する会ができておりますが、通常、患者さん同士の会というのは少ないと思います。会員は増えているのでしょうか?どのような呼びかけを行っていますか?

昨年の10月5日より、患者の多くの意見を頂くため、会員の募集を行いました。現在、接骨院にかかったことのある人を限定に約450名が入会されています。
私たち患者の少数の意見だけではなく、また偏った考えを少しでもなくし、もっと多くの患者の意見を聞き、大勢の人と話し合うことが大事であると思って活動してきました。最初は署名活動を行うことも考えていたのですが、その前にみんなの意見を纏めようということになりました。会議には希望者を募って、出席していただいております。昨年、「療養費と医療費との違いについて」の会議を開きました。受領委任払い制度というのは、我々患者は中々理解できておりません。署名する場合も、何故サインするのか、一応説明を受けているのですが、分かり難い。療養費というのは、お金を先に一度全部支払って、後で申請すると戻ってくると言われましたが、それでは患者は大変であると思いました。会議を行った後は、会報みたいな形で、全員に送り報告させていただいています。

 

―今後ますます高齢化社会が進展していく中で、国は健康な高齢者を作ろうといろいろな予防のための施策を打ち出しています。「患者と柔整師の会」では何か積極的にアピールしていこうとされているものはございますか?

身体の痛みやリハビリ等を柔道整復診療の対象にし、介護保険か健康保険が適用出来るようにして貰いたいと希望しています。つまり、高齢者の運動器や関節の痛みに対し、診てくれる機関が整形外科だけでは足りないと思います。そういう意味で、接骨院等が補完していかなければいけないのかなと思います。益々高齢化が進展すると痛みを訴える人がどんどん多くなります。整形外科だけが、そういった分野を扱えるような現状のままであれば、やはり機械的な診療になってしまいます。そのためにはレベルの高い柔整師を育成して、高齢者の節々の痛みに応えられるような、リハビリも含めた診療が出来るようにしていただければと思います。更には、整形外科と一体化して協力し合う、お互いに補完し合うことで、よくなっていくのではないかと思います。全て医者が命令しないと出来ない今の医療制度について見直しが必要と思われます。