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「患者と柔整師の会」代表・今城氏にインタビュー

2011/01/16

―「患者と柔整師の会」代表という立場で、今の接骨院の現状をどう思われていますか?

一番には、接骨院の業界がまとまっていない。それが一番のネックです。やはり何処の業界も一本化が必要ではないかと思います。今の柔整業界では統一した制度や統一診療は難しい。柔道整復診療内容や基準を明確にし、領収書に詳細な診療内容を記載し、不正請求が出来ない様にすることが重要です。如何考えても毎年5000人以上も柔整師さんが出てくるというのは、ちょっと多すぎます。市場がそんなに無いんですからね。我が家の近所のカワシマ通りには、たった100メートルの道路の左右に接骨院やあん摩マッサージ屋さんが5・6軒あります。中には、やりたい放題の人もいますし、ちゃんと真面目に業務を守っている人もいます。「患者と柔整師の会」で謳っているような認定制度や研修制度を実施していかなければと本気で思います。繰り返しになりますが、既存の認定制度や研修制度を一本化する必要があります。

 

―現在の接骨院の問題点を挙げるとするとどのようなことがありますか?

接骨院がありすぎる上に療養費が安いので、経営していく為に不正請求が行われる土壌があり、改革が必要です。沢山あれば競争が激しく儲からない。儲けるために不正請求が起こることもあり得ます。地方であれば接骨院を増やしてもらいたいとは思います。地方には整形外科が少ないから、それをサポートするシステムを作ることが出来るのであれば非常に良いことだと思っています。整形外科と接骨院が一体になって地域の医療を担っていただけるならば、非常に住民も安心して生活が出来るのではないかと思います。しかし、都内ではいっぱい乱立しています。ハッキリ言って、宣伝したり、無料にしたりと、あまりにも医療とは程遠いと感じます。医者は宣伝なんかしませんからね。

 

―神奈川の健康保険組合の方が、患者さんは一番純粋で全て保険適用してもらいたいと思っていると言われておりますが、今の保険財政からいってもとても無理だと思われます。接骨院で患者さんはどのような症状の疾患を診てもらいたいと考えておられますか?

身体の痛みやリハビリ等において柔道整復業務に適した治療には保険を適用して貰いたい。例えば、高齢者でリハビリをやらなければいけない人の関節拘縮等、接骨院で行う運動療法というか、指導と管理をしてもらって、少しでも動けるようにしてくれるとか、そういうことを行ってくれる所があったほうが、寝たきりを予防することにも繋がって非常にいいなと思います。整形外科のリハビリでは、チェックする項目が100項目ぐらいあり、それくらいみんな整形外科に来ているんだということが分かります。であれば、ちゃんと手を使って引っ張ってくれたり、電気をかけてくれる治療のほうが我々は安心して受けられます。もし可能であれば、医師の診断書をもらってから接骨院にいけるようなシステムにしていただければ、患者・国民はとても助かります。更に何ヶ月か毎に整形外科の医師に治療経過をみていただくといったシステムにしたほうが良いと思います。ただ接骨院と整形外科が仲が悪い面もありますので、そこら辺が問題かなと思っています。最近、接骨院が非常に増えたこともあって、レベルの差がうまれてきている様に感じております。そのことについても歯止めする方策がなければ、やはり患者のための医療ではないように思います。