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柔道整復師と介護福祉【第113回:障害福祉サービスの基礎知識ver1】

2024/06/16

障害福祉サービス報酬改定の方向性について

障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(以下「検討チーム」という。)においては、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(以下「令和6年度報酬改定」という。)に向けて、本年5月よりこれまで17回にわたって議論を行うとともに、この間に、49の関係団体からヒアリングを実施した上で、各サービスの報酬等の在り方について検討を積み重ねています。

これまでの議論を踏まえ、以下の主要事項に沿って、令和6年度報酬改定の基本的な方向性について取りまとめています。障害福祉分野における賃上げをはじめとする人材確保への対応は喫緊かつ重要な課題であり、物価高騰・賃金上昇、経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性等を踏まえ、利用者が必要なサービスを受けられるよう、必要な処遇改善の水準の検討を含め、必要な対応を行うことが重要な課題となっています。

 

報酬改定における主要事項
  1. 障害者が希望する地域生活を実現する地域づくり
    1. 障害者が希望する地域生活を実現・継続するための支援の充実
    2. 医療と福祉の連携の推進
    3. 精神障害者の地域生活の包括的な支援
  2. 社会の変化等に伴う障害児・障害者のニーズへのきめ細かな対応
    1. 障害児に対する専門的で質の高い支援体制の構築
    2. 障害者の多様なニーズに応じた就労の促進
  3. 持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現のための報酬等の見直し

 

障害児に対する専門的で質の高い支援体制の構築

  1. 児童発達支援センターの機能強化等による地域の支援体制の充実
  2. 障害特性に関わらず身近な地域で支援を受けられる体制の整備

児童発達支援センターの基準・基本報酬について、多様な障害児が身近な地域で支援を受けられる体制整備を促進する観点から、福祉型・医療型の類型を一元化するとともに、福祉型における3類型(障害児、難聴児、重症心身障害児)の区分も一元化する。

一元化後の新たな基準・基本報酬は、現行の福祉型(障害児)を参考に設定するとともに、難聴児や重症心身障害児について、現行の基準で求めている体制等も踏まえて、障害特性に応じた支援を行った場合の評価を行う。

 

児童発達支援センターの機能・運営の強化

児童発達支援センターの中核機能の発揮を促進する観点から、専門人材を配置して地域の関係機関と連携した支援の取組を進めるなど、4つの機能を発揮して地域の障害児支援の中核的役割を担うセンターについて、中核拠点型と位置付けて、体制や取組に応じて段階的に評価を行う。

児童発達支援センターが未設置の地域等において、センター以外の事業所等が中核的な役割を担う場合に、中核拠点型のセンターの評価も参考に、一定の評価を行う。

 

質の高い発達支援の提供の推進

総合的な支援の推進と特定領域への支援の評価等

適切なアセスメントの実施とこどもの特性を踏まえた支援を確保する観点から、支援において、5領域(※)を全て含めた総合的な支援を提供することを基本とし、支援内容について、事業所の個別支援計画等において5領域とのつながりを明確化した上で提供することを求める。

「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」

総合的な支援と支援内容の見える化を進める観点から、事業所において、5領域とのつながりを明確化した事業所全体の支援内容を示すプログラムの策定・公表を求めるとともに、未実施の場合の報酬の減算を設ける。

児童指導員等加配加算について、専門職による支援の評価は専門的支援加算により行うこととし、経験ある人材の活用・評価を推進する観点から、配置形態(常勤・非常勤等)や経験年数に応じた評価を行う。

専門的支援加算及び特別支援加算について、専門人材の活用とニーズを踏まえた計画的な専門的支援の実施を進める観点から、両加算を統合し、専門的な支援を提供する体制と、専門人材による個別・集中的な支援の計画的な実施を2段階で評価する。

基本報酬について、発達支援に対するきめ細かい評価とする観点から、極めて短時間の支援は算定対象から原則除外するとともに、個別支援計画に定めた個々の利用者の支援時間に応じた評価が可能となるよう、支援時間による区分を設ける。

自己評価・保護者評価について、運用の標準化と徹底を図る観点から、基準において実施方法を明確化する。

 

関係機関との連携の強化

関係機関連携加算(Ⅰ)について、対象となる関係機関に医療機関や児童相談所等を含めるとともに、個別支援計画作成時以外に情報連携を行った場合の評価を行う。

障害児支援の適切なコーディネートを進める観点から、セルフプランで複数事業所を併用する児について、事業所間で連携し、こどもの状態や支援状況の共有等の情報連携を行った場合の評価を行う。

併せて、セルフプランの場合に、自治体から障害児支援利用計画(セルフプラン)を障害児支援事業所に共有、また障害児支援事業所から個別支援計画を自治体に共有して活用する仕組みを設ける。

 

強度行動障害支援に関わる加算

強度行動障害児支援加算とは、強度行動障害のある児童(就学児)に対し、放課後等デイサービスで強度行動障害支援者養成研修修了者がサービス提供したときに算定できる加算です。2024年の報酬改定で、研修が実践研修へと変更に、計画の作成も必要になりました。それらについて解説します。

 

強度行動障害児支援加算の算定要件は?

  • 強度の行動障害を有する就学児(児基準20点以上)に対しサービスを提供していること。
  • 強度行動障害支援者養成研修(実践研修)を修了した職員を配置していること。
  • 支援計画を作成し、その計画に基づき支援を行った場合。 200単位/日
  • 加算開始から90日以内の期間は、更に+500単位/日

 

強度行動障害児支援加算のQ&Aについて

Q1:児童発達支援管理責任者が「強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)の課程を修了し、当該研修の事業を行った者から当該研修の課程を修了した旨の証明書の交付を受けた者」の要件を満たす場合であっても、強度行動障害児支援加算の算定は可能であると考えて良いか。
また、算定できる場合、算定するのは児童発達支援管理責任者が直接支援を提供しているかどうかは問わず、当該児童発達支援管理責任者が配置されている日は算定できるものと考えて良いか。

A1:いずれも、貴見のとおり取り扱って差し支えない。

Q2:強度行動障害児支援加算、個別サポート加算(Ⅰ)及び個別サポート加算(Ⅱ)は、それぞれの要件に該当する場合、いずれの加算も算定できるものと考えて良いか。

A2:貴見のとおり。

Q3:強度行動障害児支援加算の算定対象となる障害児について、どのように判断するのか。

A3:強度行動障害児支援加算の算定対象となる障害児については、通所報酬告示に規定する強度行動障害のスコアを用いて、市町村が判断することになるが、判断に当たっては、児童相談所、障害児相談支援事業所及び障害児が通っている事業所等に意見を聴取するなどにより、当該障害児の状態を確認されたい。

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