menu

柔道整復師と介護福祉【第102回:障害福祉サービスの基礎知識ver3】

2023/06/16

介護給付とは?

介護給付とは、障害者(児)が介護を必要とするときに、住宅介護(ホームヘルプ)や短期入所(ショートステイ)など、日常生活において障害者の介護に必要なサービスを「介護給付」として受けられる制度です。

 

利用対象者

介護を必要とする障害者(児)。問い合わせ先は、居住の市区町村になります。

 

介護給付で受けられるサービスの種類

介護給付で受けられるサービスは下記の9種類です。

  1. 住宅介護(ホームヘルプ) 自宅での入浴、排泄、食事の介護等を行います。
  2. 重度訪問介護 重度の肢体不自由者、重度の知的障害者、重度の精神障害者で常に介護を必要とする人に対する、自宅での、入浴、排泄、食事の介護、外出における移動支援等(最重度の障害者の場合は入院中の医療機関でも利用できます)を行います。
  3. 同行援護 視覚障害のため移動が著しく困難な人に対する、外出時の移動に必要な情報の提供、移動の援護、排泄および食事等の介護その他必要な援助を行います。
  4. 行動援護 知的障害、精神障害のため、行動上著しい困難を有する人(強度行動障害)に対する、行動上の危険を回避するために必要な支援、外出支援を行います。
  5. 重度障害者等包括支援 通常介護が必要であって、その介護の必要性が著しく高い人に対する、居宅介護、短期入所、生活介護などの複数のサービスの包括的な提供を受けられます。
  6. 短期入所(ショートステイ) 自宅で介護を行う人が病気の場合などに、施設に短期間の入所をさせ、入浴、排泄、食事の介護等を行います。
  7. 療養介護 医療と常時介護を必要とする人に対して、医療機関で機能訓練、療養上の管理、看護、介護および日常生活の世話を行います。
  8. 生活介護 常に介護を必要とする人にたいする、昼間の入浴、排泄、食事の介護等および創作的活動または生活活動の機会の提供を行います。 おおむね支援学校卒業後、18歳から利用開始となります。
  9. 障がい者支援施設での夜間ケア等(施設入所支援) 自立できる日用生活または社会生活ができるよう、一定期間、身体機能または生活能力の向上のために必要な訓練を行います。

 

利用者が負担する金額

利用者は受けるサービスに係る費用の一定額を自己負担することになります。ただし、世帯の所得に応じた負担上限額が設定されており、1ヶ月に利用したサービス量にかかわらず負担は上限額までとなります(市町村民税非課税世帯の人に係る福祉サービスの利用者負担は無料)。また、食費や光熱費は別途負担することになります。

所得区分および負担上限額
生活保護(生活保護受給世帯)
0円
低所得(市町村民税非課税世帯)
0円
一般1:居宅で生活する障害児
4,600円
一般1:居宅で生活する障害者および20歳未満の施設入所者
9,300円
一般2
37,200円

一般1
市町村民税課税世帯に属する者のうち、市町村民税所得割額16万円未満(世帯収入が概ね600万円以下)のもの(20歳未満の施設入所者、グループホームは除く)ただし、障害者および20歳未満の施設入所者の場合は市町村民税所得割額28万円未満(世帯収入が概ね890万円以下)のもの。

一般2
市町村民税課税世帯に属する者のうち、一般1に該当しないもの。医療に係る部分の負担上限額は、低所得の場合は、低所得1(市町村民税非課税世帯であって障害者または障害児の保護者の年収80万円以下)が15,000円、低所得2(市町村民税非課税世帯であって低所得1以外の場合)が24,600円、一般1・2の場合は40,200円となります。所得を判断する際の世帯の範囲は、障害のある人が18歳以上(20歳未満の施設入所者は除く)の場合は本人および同じ世帯に属するその配偶者、18歳未満(20歳未満の施設入所者は除く)の場合は原則として保護者の属する住民基本台帳での世帯になります。

 

利用者負担の軽減措置

低所得の人(20歳未満は所得要件なし)が、医療型入所施設や療養介護を利用する場合は、福祉サービスに係る利用者負担と医療費、食事療養費の負担の合算額に対して、負担上限額が設定されます(医療型個別減免)

生活保護または低所得の人(20歳未満は所得要件なし)が、福祉型入所施設を利用する場合は、食費および光熱水費の実費負担が所得に応じて軽減されます(補足給付)

通所施設を利用する場合は、食費の実費負担について所得に応じた軽減措置があります。生活保護または低所得のひとがグループホームに居住する場合は、1人あたり月額1万円を上限に家賃が補助されます。

 

高額障害福祉サービス等給付費の支給

同一月・同一世帯における利用者負担の合算が基準額を超えた場合、申請により超えた分が高額障害福祉サービス等給付費として後から支給されます。ただし、負担額の軽減や介護保険から高額介護(予防)サービス費等が受けられる場合は、それらの支給額を差し引いて計算します。なお、医療部分に係る利用者負担や食費等の負担額は合算の対象になりません。

 

(1)合算対象利用者負担
障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス等(介護給付・訓練給付)に係る利用者負担
介護保険の居住サービス等の係る利用者負担
障害者総合支援法に基づく補装具費に係る利用者負担
児童福祉法に基づく障害児通所支援に係る利用者負担
児童福祉法に基づく障害児入所支援に係る利用者負担

 

(2)基準額

市町村民税課税世帯は37,200円、それ以外は0円。ただし、同一世帯で障害児に係る利用者負担(上記1.4.5.のいずれかに限る)が複数ある場合は基準額を引き下げる特例があります。

 

介護保険に移行した高齢の障害者への負担軽減措置

特定の障害福祉サービスを5年以上利用している等の要件を満たした高齢者が、介護保険に移行して介護保険から同様のサービスを受ける場合、その利用者負担分が高額障害福祉サービス等給付として申請により償還払いされます。

 

介護給付の利用手続き

1.
サービス利用の申請
サービスを利用する希望者は、市区町村または特定相談支援事業者に相談し、市区町村に利用申請を行います。相談支援事業者は障害福祉サービスの申請前の相談、申請時の支援などを行います。なお、市区町村が指定した特定相談支援事業者が作成するサービス等利用計画案の提出が必要になります。
2.
障害支援区分の認定
市区町村の職員等による心身の状況や環境についての認定検査を行い、調査結果と医師の意見書の一部をもとにコンピュータによる一次判定を行います。次に、市区町村の審査会において、一次判定結果、認定調査の特記事項、医師の意見書の内容を総合的に勘案して二次判定を行います。二次判定結果にもとづき、申請者の障害支援区分(1~6区分または非該当)が認定されます。なお、18歳未満の児童の場合は原則として障害支援区分の認定は行いません。障害支援区分とは、障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合いを総合的に示すものです。
3.
サービス支給の決定
認定された障害支援区分、申請者および介護者の状況、サービス利用の意向、サービス等利用計画案などを勘案してサービスの支給内容や支給量が決定され、申請者に通知されます。特定相談支援事業者は支給決定に基づき申請者と相談しながら申請者が希望するサービス事業者等と連絡調整を行うとともに、サービス担当者会議を開催してサービス等利用計画を作成します。申請者は、サービス等利用計画にもとづいて事業者とサービス利用の契約を結びます。

 

大会勉強会情報

施術の腕を磨こう!
大会・勉強会情報

※大会・勉強会情報を掲載したい方はこちら

編集部からのお知らせ

メニュー