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柔道整復師と介護福祉【第101回:障害福祉サービスの基礎知識ver2】

2023/05/16

自立支援医療制度とは?

自立支援医療制度とは、障害の治療にかかる医療費の自己負担を少なくする制度です。通常の医療費が原則3割負担なのに対して、自立支援医療制度を利用すると原則1割負担となります。自立支援医療制度には「精神通院医療(精神疾患のある方)」「更生医療(身体障害のある方)」「育成医療(身体障害のある子ども)」の3種類があります。

 

1. 自立支援医療制度の「精神通院医療」

精神通院医療は、統合失調症などの精神疾患のある方で、通院による継続的な治療が必要な方が申請・利用できるものとなっています。ただし、制度の対象になる医療の範囲は「通院での診察、精神薬の処方、デイケア、訪問看護」などで、「入院」は対象外です。実施主体は都道府県や指定都市になります。精神障害の治療は長期にわたることが多く、自立支援医療を利用する場合としない場合では、医療費の自己負担に大きな違いが出てきます。

 

2. 自立支援医療制度の「更生医療」

更生医療は、身体障害者手帳が交付されている身体障害のある方(18歳以上)で、その障害に伴う症状を軽減する手術など治療により改善が見込まれる方が申請・利用できます。実施主体は市区町村になります。

 

3. 自立支援医療制度の「育成医療」

育成医療は、身体障害のある児童(18歳未満)で、その障害に伴う症状を軽減する手術などの治療により改善が見込まれる児童に対して申請・利用できる制度です。実施主体は市区町村になります。

 

自立支援医療制度の月額負担上限額

自立支援医療制度では、通院治療などの医療費が原則1割負担となりますが、世帯所得や障害の程度によって月ごとの負担上限額が決まっています。該当する月額上限負担額を超えた分の金額は公費でまかなわれるため、利用者が負担することがありません。

 

所得区分について
生活保護を受給している世帯
月額の負担は0円/「重度かつ継続」に該当する場合も0円
低所得1(市町村民税が非課税の世帯で、本人の所得が80万円以下の場合)
月額の負担上限は2,500円/「重度かつ継続」に該当する場合も2,500円
低所得2(市町村民税が非課税の世帯で、本人の所得が80万円を超える場合)
月額の負担上限は5,000円/「重度かつ継続」に該当する場合も5,000円
中間所得1(市町村民税が3万3,000円未満の世帯)
月額の負担上限は医療保険の自己負担上限額または高額療養費制度の限度額が適用/「重度かつ継続」に該当する場合は5,000円
中間所得2(市町村民税が3万3,000円~23万5,000円未満の世帯)
月額の負担上限は医療保険の自己負担上限額または高額療養費制度の限度額が適用/「重度かつ継続」に該当する場合は10,000円
一定所得以上(市町村民税が23万5,000円以上の世帯)
月額の負担上限は対象外となり適用されない/「重度かつ継続」に該当する場合は20,000円

但し、「重度かつ継続」は高額な治療を長い期間継続しなければならない場合に該当します。

 

自立支援医療の適用外となる医療費

自立支援医療は通院での診察、精神薬の処方、デイケア、訪問看護などにかかる医療費に適用されます。
以下の医療は対象外となりますので注意が必要です。

入院医療の費用
公的医療保険が対象とならない治療費(例:病院や診療所以外でのカウンセリングなど)
精神障害と関係のない疾患の医療費

 

指定自立支援医療機関とは?

自立支援医療は「指定自立支援医療機関」と呼ばれる、都道府県または政令指定都市によって定められた医療機関でのみ利用することができます。ここでの医療機関とは病院、診療所、薬局、訪問看護ステーションなどを指します。申請する際はあらかじめ現在通院している医療機関が指定自立支援医療機関に該当するか確認、その際は通院している医療機関または市区町村の障害福祉課などの窓口へお問い合わせください。

 

 

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