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柔道整復師と介護福祉【第46回:放課後デイサービス②】

2018/08/16

障害のある子供を放課後や長期休暇中に預かる放課後デイサービスが5年間で4倍以上と増加しています。主に民間の企業や社会福祉法人が中心となって設立しているこの放課後デイサービスは、開設するための条件についても緩和されていることから新規参入しやすいという特徴をもっています。しかし、それだけにデイサービスとしての質については決して一定というわけではなく、中には一定水準以下のケースもあり、こうした懸念を受けて厚生労働省が対策と規制を開始しました。

この放課後デイサービスの目的は、発達障害など軽度の障害を持った子供を中心に預かるという仕組みとなっている場合がほとんどで、一般の学童保育などでは対応が難しい児童を預かることから高いニーズがあります。特に共働き世帯からのニーズが多い、この放課後デイサービスは法律的には2012年度に児童福祉法によって制度化されました。しかし、こうした放課後デイサービスの中には、ただテレビを見せているだけといった自立支援としてのサービスとしては疑問が残るといったケースも少なくありません。そこで厚生労働省が設けたのが基準の強化です。

これまで設定されてきた放課後デイサービスの基準では、子供10人につき職員2人というものが設けられていましたが、職員の資格は必須の条件ではありませんでした。そこで厚生労働省は、職員の資格として児童指導員や保育士の資格を持ち、障害福祉サービスでの勤務経験者であることを必須という基準を設定しました。児童福祉という専門性に特化した職員を配置することで、放課後デイサービスの質そのものを向上することが目的になっています。もともと通常の学童保育では対応が難しい児童を預かり保育をするということなので、サービスそのものの質を高めるためには専門性の高い職員と技術力が必要となります。

放課後デイサービスへの入所を検討する保護者にとっては、デイサービスそのものの数が増えても立地条件や時間など様々な要因で入所を希望するところが限定されてしまします。サービスの質が低いところも相当数存在する現状を考えると、子供を安心して預けられないというケースも多いのではないでしょうか。放課後デイサービスそのものの質が向上してくれば、どこに預けても自立支援など様々な面でフォローしてもらえるようになるため、安心して入所を申し込むことができるようになります。

 

人員規準について

放課後等デイサービスの場合、職員や業務の管理を行う管理者(特別な資格は不要)の他に、「児童発達支援管理責任者」「指導員」の2種類の職員が必要です。それぞれの要件についてご説明いたします。

児童発達支援管理責任者
児童発達支援管理責任者になるためには、業務範囲に応じた実務経験や資格と研修などの要件が必要です。

要件①
相談支援業務経験で要件を満たす。

相談支援業務とは、身体上・精神上の障害がある、環境上の理由により日常生活に支障がある人の自立について、相談に応じて助言・指導などの支援を行うことです。
これを施設等・保健医療期間等・就労支援センター等・特別支援教育等・その他での5年以上経験しているのが要件になります。

要件②
直接支援業務経験で要件を満たす

直接支援業務とは、身体上・精神上の障害がある方の入浴・排せつ・食事などの介護を行い、その方やその方の介護者に対して介護に関する指導を行うことです。
これを施設等・医療機関等・就労支援業務等・特別支援教育等・その他で10年以上経験していることが要件になります。

要件③
有資格者が経験で要件を満たす

社会福祉主事等、訪問介護員等、児童指導員等、保育士等、精神障害者復帰施設指導員等での5年以上の経験があることが要件です。
医師・社会福祉士等で相談支援業務経験・直接支援業務経験の期間要件を満たす場合は、3年以上の経験があれば児童発達管理責任者になれます。
平成29年からは、要件②、③のみでは「注1」研修受講ができなくなりました。障害児施設などでの業務経験が3年以上あることが義務化され、非常にハードルが高くなりました。

「注1」研修の受講
実務経験とは別に、都道府県が実施する「児童発達支援管理責任者研修」の受講が必要です。

指導員
以前までは、特に資格要件が課せられていませんでしたが、平成29年度から強度行動障害養成研修基礎研修受講が義務化されました。

児童指導員
保育士、教員、社会福祉士、介護福祉士などの資格や知識、経験がある人が多く従事する。
※専門職の配置条件や開設条件など今後さらに厳格化が予想されます。

 

 
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