柔道整復師と介護福祉【第7回:認知症高齢者と柔道整復師の関わり】
2015/05/16
認知症とは?
以前までは痴呆(ちほう)と呼ばれていた概念でありますが、2004年に厚生労働省は用語検討会により、「認知症」への言い換えを求める報告がまとめられ、まず行政分野および高齢者介護分野において「痴呆」の語が廃止され「認知症」に置き換えられました。
認知症は、老化に伴って物覚えが悪くなるといった誰にでも起きる現象は含まず、病的に能力が低下するもののみをさします。また統合失調症などによる判断力の低下は、認知症には含まれません。頭部の外傷により知能が低下した場合などは高次脳機能障害と呼ばれております。
認知症に対する柔道整復師の関わり
社会課題にまで発展している認知症高齢者施策は、柔道整復師の職域に関しても全面的に支援するべき特定疾患であります。
接骨院、整骨院の外来で通院される後期高齢者の方々も、MCI(軽度認知症)の恐れがあります。認知症の初期支援は、地域で連携することが重要であり、気づいた時点で介入することが予後を決定します。身だしなみの変化、頻回な物忘れなど柔道整復師のライセンスでも十分に対応できます。地域包括ケアシステムによる認知症高齢者対策には、住み慣れた地域で支援する担い手として、コンビニ、消防士、学校、理髪店など多種多様な資源を繋ぎ合わせることを目指しております。
業界団体としても必要な認知症施策
地域貢献と地域に根差した柔道整復師の施術所は、今後の超高齢化社会に対し、外傷や急性、亜急性症状に対する部分医療従事者として貢献すると同時に、業界として社会貢献する公益事業に認知症高齢者に対する施策を講じることは必然でしょう。