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ご高診願い・紹介状の書き方について
【第1回:医師への対診・紹介例➀】

2019/01/01

柔道整復師の先生方は、骨折・脱臼の継続した治療に必要な医師の同意を得る場合、或いは医師への対診、もしくは紹介などを行うことがあります。
協定(受領委任の取扱規定)では、「24(施術の方針)(4)柔道整復師法等関係法令に照らして医師の診療を受けさせることが適当であると判断される場合は、医師の診療をうけさせること。」とあります。支給基準では、「患者を保険医療機関に受診させることにより、施術情報提供料を算定する規程」もあります。今後、数回にわたり柔道整復師から医師への対診や紹介の例について、皆様にお示しすることになりました。

§ ○○整形外科クリニック ○○ ○○先生 ご侍史

患者:69歳 男性
自家菜園をされており、鍬使いの際に肩部・頸部を捻ったことで同部の損傷を生じており柔整後療にて軽減致しておりますが、肩関節挙上時痛及び頸部筋の緊張の残存を訴えております。
ご高診並びにご指導いただきたく宜しくお願い申し上げます。

X-P上C5/6に骨棘形成、椎間腔狭少化みられ、変形性頚椎症・両肩関節腱板炎と診断いたします。Hotpack、腕神経叢への低周波良いと考えます。貴院での引き続き加療を行ってください。

§ ○○大学医学部付属病院 整形外科教授 ○○先生ご侍史

患者:10歳 男性
屋外の階段で転倒し、整形外科受診され打撲との診断を得て来院されました。
股関節前面に軽度の腫脹・同部圧痛を認め、関節可動域制限及び他動的股関節運動にて疼痛を有しており、関節内部での損傷を案じます。ご高診賜わりますようお願い申し上げます。

股関節内血腫・骨端線損傷
この度はご紹介頂き有難うございました。診察上股関節内圧上昇の所見を認めエコー上も腫脹していたため、穿刺をしたところ約8mlの血液を吸引しました。X-P上側面像にて大腿骨近位部の一部が不鮮明で同部位の損傷が疑われます。入院の上精査させて頂きます。症状の経過については、随時報告いたします。

§ 医療法人○○会 ○○整形外科 ○○先生 様

患者:59歳 女性
台所での主婦作業(大量のショウガ皮むき)にて左手首及び腕を負傷され、約20回の柔整後療にて症状の消失を得ております。以前から拇指・示指のシビレを自覚しておられるようで手根管などの病変を愚考いたしております。ご指導宜しくお願い致します。

左手根管症候群
先生の診断どおり上記疾患と考えられます。1か月位保存的に加療し、もし効果がなければ開放術施行する予定です。ご紹介ありがとうございました。

§ 県立○○病院 整形外科 外来担当医 御机下

患者:55歳 女性
転倒予防体操として、スクワットを行った直後から左右の両膝関節に発赤・腫脹・疼痛が現れ来院されました。発赤・熱感の様子から柔道整復治療の範疇にないと考えご紹介致します。どうか宜しくお願いいたします。

両膝変形性関節症(両膝関節関節水腫)
両膝OAに由来する軟骨炎症から関節水腫を生じたものと考えます。ご本人は感染や偽痛風の心配もあるようですが否定的です。本日はヒアルロン酸関注を行いました。

 

自院での患者について医師の受診を必要とする場合には、

  • イ.骨折・脱臼の継続した治療のために医師の同意を頂きたい場合
  • ロ.症状のレベルから医師に指導をいただきたい場合
  • ハ.医科での諸検査を願いたい場合
  • ニ.負傷や病状すべての診療をお任せする場合

などが考えられます。
イロハ.の場合では、紹介状による患者紹介でなく依頼を目的にお願いすることになります。ニ.の場合では、診療にかかるすべてを医師に委ねることから紹介となります。
いずれにせよ依頼や紹介先はおおむね整形外科医師となることが多いことになりますが、失礼のない紹介や依頼の文書を添えた初診が行われても、返信すらいただけない場合もあるようです。

柔道整復師の先生方におかれては、信頼関係にある大切な患者を他の先生に委ねたり、依頼を願うことになる訳ですから、礼節を重んじた対応(失礼無き文書作成・円滑な受診のための配慮等)が大切であることは言うまでもありません。

 

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