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(公社)日本柔道整復師会社団法人設立65周年記念式典および柔道整復術公認100周年記念祝賀会が開催<後編>

2019/04/01

平成31年3月7日(木)、パレスホテル東京(東京都千代田区)において『公益社団法人日本柔道整復師会社団法人設立65周年記念式典および柔道整復術公認100周年記念祝賀会』が華々しく開催された。

 

柔道整復術公認100周年記念祝賀会

柔道整復術公認100周年記念祝賀会

日本古来の伝統医療である柔道整復術は、大正9年の内務省令による公認から100年の節目を迎えた。
壮大なビデオから始まったこの日の祝賀会では、はじめに〝公益社団法人主催『柔道整復術公認100周年記念祝賀会』を開催します!〟と司会者が開会宣言を行った後、歴史を背に現在の日本柔道整復師界を支え、進化させている公益社団法人日本柔道整復師会の10人の役員紹介が行われた。司会進行は、元テレビ朝日アナウンサーの佐々木正洋さんが務めた。

公益社団法人日本柔道整復師会を代表して工藤鉄男会長が〝本日は有難うございます。柔整業界が伝統医療といわれる理由は、医師会元会長の武見太郎氏が柔道整復という技術は、日本の独自の医療文化を皆さんが継承しているということで、民族医療にしましょうと、我が業界はWHOに日本の伝統医療の1つとして登録させて頂いたところです。隆盛を誇ったのは江戸時代で、江戸の「骨接ぎ」として名倉堂が有名ですが、明治時代に「骨接ぎ」が消滅する方向に向かった時に名倉堂が医師になり、整形外科学科と接骨学科を立ち上げ、今でも千住名倉、名倉病院として脈々と襷をつないで頂いております。現在も多くの柔道整復師が名倉整形外科で学んで修業し、地域に帰って地域に貢献する状況を指導して頂いているところです。今日私は3つの感謝と2つの宣言をしたい。1つは、消滅したこの柔整文化をもう一度復活させようとして、埼玉県の接骨師である竹岡宇三郎氏、東京都の会長であった萩原七郎氏、この方達が大正2年に期成会を立ち上げ、この業界が今なお存続していることに感謝申し上げたい。次に明治15年、近代柔道の創始者である講道館嘉納治五郎師範にお願いをしたところ、ご自分の最も信頼される山下義韶十段を紹介して頂き、山下先生が請願の責任者に名を連ねたことにより、嘉納治五郎先生のメッセージの下、柔道整復術として大正9年に柔道整復師を復活させて頂きました。何故嘉納治五郎先生に感謝しなければいけないかというと、最初の柔道整復師の会館の事務所を講道館の中に作って頂いたことです。嘉納治五郎師範並びに山下十段のご協力がなければ、襷は百年も続いて来なかった。もう1つの感謝は、今日お集まりの国会議員の先生方、学校関係者、そして厚労省の関係者、いろいろな人がこの100年続いた歴史の中で、柔道整復術を地域の中で役立てるようにご理解しご指導頂きながら北は北海道、南は沖縄まで接骨院・整骨院が出来る状況に理解を示して頂いていることに対し感謝を申し上げたい。2つの約束・2つの宣言については、江戸時代に隆盛を誇ったこの技術が昭和の末頃までは非常に素晴らしい技術として社会に貢献をし、認められてきました。平成の時代になっていろんな問題が起きると同時にこの先達の先生達が作り上げてきた匠の技術をやれなくなった柔道整復師がどんどん多くなったのも事実です。この「匠の技」をもう一度復活させて、柔道整復師が地域にもう一度必要な存在になるためにあの「匠の技」復活宣言をさせて頂きたい。もう1つの宣言は、多くの国会議員の先生達がおみえです。特に私どもは常に「自民党なくして柔整ナシ、政治なくして柔整ナシ」をモットーとして、活動して参りました。感謝と思いやりの心、「利他の精神」で来て頂いている患者さん、地域の人たちにこれからも接することを約束いたします〟等、力強く挨拶を述べた。

 

次に来賓祝辞が行われ、内閣総理大臣・安倍晋三氏がスクリーンに映し出された。安倍総理は〝世界に先駆け超高齢社会を迎えた我が国は、人生100年時代の到来を迎え、出来る限り健康で長く過ごしたいという基本的な願いが全ての国民に共通のことと思います。柔道整復術は、今後更に超高齢社会となる日本において国民の健康維持、増進に寄与し、地域医療に貢献する皆様だと期待されております。本年5月から年号が改まり新たな時代の幕が明けようとしております。日本柔道整復師会はこの新しい時代において骨折・脱臼等の技術を後世に伝えるために「匠の技」継承プロジェクトを本年からスタートさせるとお聞きしております。プロジェクトを成功に導き、全員均一で安全・安心な施術提供が行えますこと、そして社会から信頼される業界として今後の健康長寿の社会づくりにご協力頂けますことをお願い申し上げます。2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催される中、スポーツで故障した人などを支える主体としてスポーツ分野における柔道整復師の役割も高まっています。同大会でのサポート、救護等で力を発揮され大会を成功に導けるよう重ねての努力をお願いします。〟等、ビデオメッセージがあった。

続いて、元衆議院議長、日本柔道整復師会顧問団、世話人会代表、衆議院議員・伊吹文明氏から〝本日は柔道整復術が正式に公認をされて100周年、誠におめでとうございます。柔道と接骨が結びついて長い経験の中で骨折・脱臼・捻挫等について例外的に診断行為が認められている施術と言って良いと思います。長寿社会になり、出来るだけ病院から地域へ、地域から家庭へという形で老後の生き甲斐をもって生活して頂くのが理想の姿であろうという方向に向かっています。その中で先生方の社会的責任も非常に重くなっています。我々の一番の希望は日整という組織に大同団結することによって柔道整復師界がこれから地域社会に根ざして活動する上で、どういうことを厚生労働省に期待をするのか。そのために政治にどういうことを働きかけていくのか。こういう組織が出来ることが、柔道整復師界のためにも、国民のためにも私は一番望ましいことだと願っておりますので、日本柔道整復師会を中心に求心力が出来るように行政も進めてもらいたいと願っております〟等、祝辞を述べた。

次に自民党総務会長、衆議院議員・加藤勝信氏は〝私自身も日頃から柔道整復師の皆様方に様々なご支援を頂きながら、去年の10月まで1年2カ月間、厚生労働大臣をやらせて頂きました。いろんな意味で柔道整復師の皆様方が子どもの育成を含めて、地域のためにご活躍頂いており、心から敬意を表します。去年から受領委任制度の施術管理者に対する3年以上の実務研修等、しっかりとした基盤を作っていくことによって、より活躍をして頂く、力を発揮して頂く。更には教育改革をしていこうということで、皆様方から積極的に様々な提案を頂きながら積み重ねて頂いております。大正・昭和・平成、そして次の新しい時代、4つの時代を越えた活躍、また「匠の技」を継承しながら更に大きく磨きあげて頂く、その環境を我々も応援できることはしっかりやらせて頂きたいと思います〟等、話した。

(公社)日本医師会・横倉会長が公務のため副会長・今村聡氏が登壇し〝貴会におかれましては、長きに亘り柔道整復術を通して国民の健康福祉の増進に寄与されると共に柔道整復術の普及啓蒙及び柔道整復師の資質向上にご尽力をされた関係者の皆様に深く敬意を表する次第です。柔道整復術公認100周年という長い歴史の中では様々な難局があったことと思いますが、関係者の皆様のご努力で乗り越え、柔道整復術を現在まで継承されて来られました。100年で我が国の医学、医療制度は目覚ましく進展し、世界に誇る国民皆保険の下、世界一の長寿国となりました。そうした中で昨年4月からは、柔道整復養成校のカリキュラム改正や施設管理者の要件が強化されました。これから新たな100年においても、国民の信頼に応えるより安全で安心な柔道整復術提供のため、時代に即して必要な改革を行って頂くと共に知識・技術の研鑽に励まれますことをご期待申し上げます。〟等、代読した。続いて厚生労働省保険局長・樽見英樹氏が根本厚生労働大臣の祝辞を代読。

引き続き、駐日モンゴル国特命全権大使ダンバダルジャーバッチジャルガル氏は〝祝賀会にお招頂き有難うございます。日本の伝統医療である日本柔道整復師会のお陰でモンゴルに大変上手く活かされたと感じており、JICAのプロジェクトとしてモンゴルに技術を導入して頂き、高い評価を得ております。ご存知のように初めて北京オリンピックで金メダルを獲得したのは柔道です。東京オリンピック・パラリンピックが近づいておりますが、是非引き続きご協力お願い申し上げます。モンゴルの選手達も頑張っておりますので、選手達の怪我等を日本柔道整復師会に任せたいと考えております〟等、日本語で祝辞を述べた。

続いて上野の寛永寺執事長・神田隆順様をはじめ、ご来賓の紹介が行われた。

 

乾杯は、(公財)講道館館長・上村春樹氏が〝私どもと柔道整復師会とは本当に兄弟みたいな関係です。柔道の名前をつけた職業は1つしかありません。柔道整復師の皆さんが地域で地域医療に貢献されることは正に私たちは誇りにするところであり、心より敬意を表する次第です。今後もどうか末永く医療だけではなく教育のほうにも力を入れて頂ければと思います。全国で活躍されている接骨師の皆さんと今日ご出席の皆さんのご健勝、柔道整復術の更なる発展を祈念して"乾杯!!"〟と発声し、祝賀会が和やかに繰り広げられ、日本を代表する国会議員の方々が次々と祝辞・挨拶を行った。

 
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