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第11回柔道整復師団体情報交換会が開催

2018/05/10

平成30年4月23日(月)、参議院議員会館地下1階B107会議室(東京都千代田区)において、『第11回柔道整復師団体情報交換会』が開催され、同日に開催された『第14回柔道整復療養費検討専門委員会』(以下、検討専門委員会)に関する情報・意見交換が行われた。

第11回柔道整復師団体情報交換会 開催

主催団体である一般社団法人全国柔道整復師連合会(以下、全整連)の田中威勢夫代表理事より〝本日の検討専門委員会で大方の方向性は決まってきた。今までの柔道整復業界は過去からの延長線であったが、電子請求が始まると状況がガラッと変わることが予想される。その時に我々柔道整復師がバラバラの方向を向いていては、行政や保険者等に意見を言うこともできない。まだ全整連に参加されていない先生もたくさんいるが、こういった方々に声をかけて業界の一本化を図っていきたい〟と挨拶があった。

 

第14回柔道整復療養費検討専門委員会で議論された内容について

続いて、全整連・田畑保険部長より今回の検討専門委員会で交わされた議論の概要が説明された。
田畑氏は〝「亜急性」の文言の見直しについては様々な議論がなされているが、厚生労働省の改正案に対しては各委員から文言修正も提案され、今後検討されていく。しかし「この改正は、療養費の支給対象を明確化するものであり、改正前後で療養費の支給対象を見直すものではない」と記載されている点が重要だ。

また、保険者からは「不正が起こるのは患者が請求内容を知らないから」であり患者が請求内容を確認する取組を行うべきとの意見があった。これについては患者と柔道整復師が結託して不正を行っている場合には、たとえ支給申請書の写しや明細書を発行しても不正の抑止にはならない。さらに、まだまだ手書きで支給申請書を作成している施術者も多い中で、これ以上事務作業が増えるのは如何なものかという懸念もある。全整連としては、請求内容の確認が抜本的な不正対策になるとは考えにくい、事務作業の増加は受け入れられないと一貫して主張している。

施術管理者の要件については、指定保険医療機関での実務経験をどう扱うかが議論となった。医療機関で研修した柔道整復師が開業後に不正を行った場合、その医療機関に責任がかかるのではないかとの意見が有識者からあげられたが、厚生労働省からは法的な責任はないとの回答を得た。その他の有識者からは議論を前に進めようとの話もあったので、今後進展していくのではないかと思われる。

不適正な広告の是正については、5月10日にガイドライン作成を含む広告に関する検討会を開催予定となっている。

負傷原因の1部位目からの記載については、先述の通り、事務作業の負担増加は容認できない。1部位目から負傷原因を書けば不正が減るのか?という疑問もある。結論は出ていないので、これも今後の検討課題になるだろう。

柔道整復療養費の改定は、改定率0.32%となった。全整連が強く要望してきた再検料の複数回算定だが、一回のみの算定は変わらず、料金は320円から400円に引き上げられた。骨折・不全骨折・脱臼に対しては柔道整復運動後療料が新設された。保険者からは新たに料金を算定するのであればエビデンスが必要だと主張されているが、運動して良くなるのは常識の範疇であり、当然算定できるものを今までしてきていなかっただけというのが我々のスタンスである〟と解説した。

 

その後、会場からの質問に対し、厚生労働省担当官から回答が行われた。

 

質疑応答
Q:
領収証の発行が広まらないのは何故と考えるか?
A:
保険者からは、患者調査等により患者に来院日等の確認のため領収証を確認したいと提示を求めた際、領収の交付を受けていなかったり、患者と施術者が口裏を合わせて破棄してしまったといったケースがあると聞く。一般的にお店で何かを買えば買ったものと金額が記載された領収証が発行されるが、柔道整復療養費の領収証のひな型では一部負担金の金額と保険適用の金額のみの記載になっており、どういった施術の内容であったかを確認できるものが必要ではないかという意見が保険者からは出ている。厚生労働省としては真面目に業務に取り組んでいる柔道整復師の負担を増やすようなことはしたくないが、不正な請求に対し患者が確認できる何かしらの対応策は必要と考えており、ご意見を聞きながら実施に向けて検討していきたい。
Q:
療養費改定に伴い、支給申請書のフォーマットの変更予定などはあるか。
A:
現在、検討しているところであるが、できる限り施術者の負担とならないようなフォーマットを提示したいと考えている。料金改定を6月1日に適用を予定していることから、関係通知の発出は5月中旬を目途に考えている。なお、旧フォーマットの支給申請書が直ちに使えなくなるということではなく、既に印刷されている支給申請書が使用できるよう経過措置を設けることとしている。
Q:
施術管理者の要件について、疑義解釈資料発出の予定はあるのか。
また、発出されるのであればいつ頃を予定しているのか。
A:
施術者の意見も踏まえて、現在調整を行っている。5月中に発出できればと準備を進めている。
Q:
勤務している医療機関が実務経験として算入することについて、その医療機関が証明を拒否した場合はどうするのか。
A:
現在想定されている範囲では、施術管理者の要件の確認ができないので要件は満たさないということになる。
Q:
5月10日開催予定の広告に関する検討会について
A:
広告に関しては、施術所の名前など限定列挙の広告しか掲げてはならないとされている。患者にとってどのような情報を提供していくのがいいのかを検討していきたいと考えている。誇大広告やビフォーアフターなどを掲げている施術所もあると思うが、現状を把握した上でガイドラインを作成して各都道府県に指導する内容を完成できればと考えている。検討会では、市民の代表や弁護士等の有識者、施術者、保険者など様々な分野の方からご意見を頂戴したい。
Q:
無資格者への広告規制は検討されるのか。
A:
どこまで踏み込めるのかというところがあり、検討会でご意見を賜りながらと考えている。
無資格者については、不当景品類及び不当表示防止法などの一般法もあるので、関係省庁と連携を図りながら検討したい考えている。

 

最後に、全整連・近藤昌之理事は〝制度改正に伴い業界が変動していく中で、一枚岩とならなければ行政にも保険者にも意見できない。我々は皆さんの意見を吸収してそれを伝える立場であるので、連合会に参加していない人にはぜひ参加していただき、結果に不満を述べる側ではなく結果を作り出す側になっていただきたい〟と締めくくった。

 

 
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