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大韓武道学会2014に参加して思うこと

2014/06/16

明治国際医療大学 長尾淳彦

平成26(2014)年5月31日、延世大学(ソウル)で大韓武道学会が開催された。(公社)日本柔道整復師会国際部の仕事として田澤裕二部員とともに参加した。以前、この学会には柔道整復師も毎回3-5演題の発表があったがこの6年間はない。11年前、日本武道学会の芳賀先生、日本柔道整復接骨医学会の富田先生、日本柔道整復師会の沢田先生らが訪韓し、大韓武道学会で基調講演をして友好的連携をしていくと当時の大韓武道学会 金正幸会長と協定を結んだ。その後、数年間、日本柔道整復師会から数名の発表者を派遣した。私も3年連続柔道における外傷・障害の予防について発表させていただいた。会場も龍仁大学校の大講堂をメーンに世界の武道関係者が集った。ただ、武道学会なので近年は柔道のみならず、テコンドー、剣道、空手、合気道、龍武道などの競技の歴史的研究や指導法の発表が中心であり、医学的な発表は少なくなってきている傾向であることも日本の柔道整復師の発表がこの数年間、途絶えた要因である。

 

大韓武道学会2

今回は、学会長であるクォン・テ・ドン慶北大学教授と林淳吉龍仁大学校教授を通じて発展的な話が出来た。非公式ではあるが、今後日本の柔道整復師や各国の武道医科学関係者によるスポーツメディスン部門を設置し、そこで武道における医科学的研究を探求しようという試みである。うまく発展していくことを願う。

 

柔道整復にはエビデンスはあるのか?とよく問われる。徒弟制度のなかで文章や絵図での継承でなく、秘密裏に口伝で脈々と受け継がれたほねつぎの技や業を医科学的に解明して有効性と再現性を出していかなければならない。そして、患者である国民に柔道整復施術の有用性と有効性を明らかに知らしめ、安心安全に施術することが重要なことだと思う。そのためには学術の研鑽以外、発展の方法はない。

大韓武道学会

また、柔道整復師が柔道整復以外の学会で発表して善きも悪きも様々な評価を得なければならない。モンゴルなどで開かれているアジア伝統医療学会、プレオリンピック医科学シンポジウム、柔道世界選手権医科学研究者会議、グランドスラム医科学シンポジウムなど柔道整復師が発表できる国際的な場は沢山ある。

 

そこで発表するためには、国内での論文作成のトレーニングが必要である。

業界で唯一日本学術会議に認知されている日本柔道整復接骨医学会に全柔道整復師が入会して学術大会で発表し、学会誌に投稿してトレーニングを積んで身近な韓国・大韓武道学会で発表してほしい.と願いながら延世大学をあとにした。

 

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