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柔道整復施術ガイドライン作成にあたって 第3回全体会議

2014/04/16
各論
頚部に対する施術

頚部に関しては、しばしば議論の的となる「肩こり」について議論が交わされた。

〝肩こりを訴えて来院された人の中には血圧が200前後ある人もいて、そういう人には治療せずにまず内科に行ってもらう〟や〝硬膜下血腫や脳腫瘍の場合、検査だけではわからず接骨院に回ってくることも多い〟、〝見逃していけないのがくも膜下出血で、項部硬直という症状が出る。リンパ節が腫れる悪性リンパ腫や甲状腺がん等で肩こりを訴えてくる患者もいる〟など、様々な神経が通う頚部の痛みには内科的疾患が疑われるケースも多く、絶対に知っておかなければならない疾患についてはガイドラインに記載すべきとする柔道整復師が大半だった。問診と身体所見に細心の注意を払い、疑わしいものに関しては速やかに専門医に転院させることが重要との認識で一致した。

肩部に対する施術

肩部の施術について、荒井氏は〝一番苦労しているのは五十肩ではないか〟と投げかけた。

これに対しては、〝五十肩で「治るから」と言われて整形に通い、注射や湿布で治療していたら肩が全く上がらなくなってしまったという患者が結構いる。柔道整復の施術を受けて機能障害が起こらないようにすることが大切〟や〝放っておけば痛みは取れるかもしれないが、関節可動域が狭くなる等の症状が残ってしまう。それを防ぐのが柔道整復の治療〟という意見もある一方で、〝多くの場合は腱板損傷や周囲炎など何らかの原因があり、それらに対しての治療効果は期待できる。患者自身が五十肩と思っていても治療効果が期待できるものも多く存在しているということを認識しなければならない〟や〝たとえば雪かきをして肩が上がらなくなった高齢者の場合、五十肩ではなく腱板損傷もしくは炎症と考える〟というように、患者が五十肩と思っていても実際には治療可能な疾患である場合も多いとする意見もあった。

腰部に対する施術

腰部に関しては、ヘルニアや脊柱管狭窄症で来院される患者が多く、これらは〝筋膜性のものや仙腸関節の痛み等様々な症状が出ている場合もあり、それらを治療することで痛みが取れることもある〟との認識が示された。それ以外にも、精神疾患が原因で腰痛を訴える患者も多くいるとして〝治療していたが予想通りの結果が得られず、整形外科で検査をしても異常が見つからないという人に対し、心のクリニックに行ってもらうと一気に楽になったという人がかなりの割合でいる〟や〝ストレスだけが原因で腰痛になっている人であれば柔道整復の範囲外だが、治療していく上でストレスが症状を悪化させる可能性もある〟と注意を喚起する声もあり、ガイドラインにも盛り込むよう要望された。

 

第4回全体会議は4月27日(日)に行なわれ、各論の主題として残った「膝部」についての施術のガイドライン及び今まで重ねてきた全体会議の総括として方向性が示される予定となっている。

 

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