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登録柔道整復師制度及び柔整療養審査・支払機構の説明会を開催

2013/09/16

―他の柔道整復師団体との共同体的なものは考えているのか?

日本柔道整復師会の各県社団もいくつか訪問したが、「業界が一緒になって手を組んでいかなければこの業界は駄目になってしまう」「社団法人だけで考えてやっていてはだめだ」と話すところもあった。日本柔道整復師会の一部が動き出してくれたのは、保険者からの声が大きかったからだと思う。個人請求者についても、保険者の対応が厳しくなっている今は、新しい仕組みを作る上では好機ではないかと思う。どんな請求であっても通ってしまうのなら、新しい仕組みを作っても個人請求者は耳を傾けてくれないだろう。保険者が厳しい今だからこそ、皆で団結していいものを作ろうということに応じる環境が出来た。

 

―詳しい施術内容を付けるということになると、これさえ出せば請求が通ると思われてしまうのではないか?

審査は基本的には保険者に行なってもらうが、同時に専門家として支払機構でも審査する。怪しいものに関しては問い合わせをいただければ他の保険者への請求と比較して傾向などを確認できるので、それを基に判断してもらえればと思う。情報があれば全部払わなければならないということはない。

 

―患者の立場からすると、整形外科に行っても治らないから接骨院・整骨院に通い、治ってきたと思ったら不正請求で療養費が支払われず、せっかく回復してきていても通いにくくなってしまうという事例もある。

柔道整復師の治療を受けたことのある方は分かると思うが、怪我をしたところだけを治療しても治らないので柔道整復師は全体のバランスの中で治していく。だから施術部位が5部位も10部位もあっていい。しかし全て請求できるわけではない。だから、その中で公的な資金として出せるのはこれだけだという現実を作る。本案では、5部位でも10部位でも治療しても良いが、療養費請求できるのは2部位までとする。そこで不正が出てきたとしても、支払機構が照会をするので保険者が行なう必要はない。

 

―1人の患者に対して何年も施術し長期化されているケースに対してどう対応すればよいか?

長期施術の中には患者が少ないから長く引っ張ろうとしているケースもあるかもしれないが、患者の痛みや症状に対応している場合もあり、一概に悪いとは言えない。柔道整復師は全身のバランスを考えながら治しているので治療すると症状は良くなるが、変形なら変形が残った上でその症状を抑えているため日常生活を送るうちにそれがもとに戻ってしまうこともある。けれど悪化もしないので断続的に治療を行なう。しかしそれを療養費にどう反映させるかというのは別問題。本案では治療を制限しているわけではなく請求を制限している。長期の施術が悪いわけではないが、それをそのまま請求すべきではない。

 

―「類似負傷の施術期間と回数の算定」(資料参照)に示されているように、初回施術の60日間を過ぎたら30日間の保険請求休止とする場合、その費用は接骨院が負担するのか?

被保険者にも覚悟してもらわないといけない。例えば腰痛だとする。柔道整復師も「腰痛だから治りにくいが、治療しますか?全部保険ではできません」と初めから言わなければいけない。事前に施術回数が決まっていれば、患者には残り何日を大事に使おうという心理が働く。そういう意味でこれはひとつの行動基準を作っている。

 

 

総括として本多氏は、〝やはり柔道整復師の療養費は国が管理しているようで管理していない、規律があるようでない、責任を負うところがはっきりしていない。柔道整復師にはきちんとした人が大勢いるなかで、制度の不備を利用する悪徳柔道整復師もいる。きっちりした制度を作り、正していきたい〟と意気込みを語った。

 

今後、制度は実行の第一段階に入り、本年11月より約1年間、接骨医療臨床研修所付属のJB接骨院から『類似負傷用施術内容情報書』を添付した新しい形でレセプトを保険者に提出し検証を行なう。その後2~3年をかけて徐々に全国の施術所に広めていく予定となっており、本多氏は保険者に協力を呼びかけた。

 

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