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元厚労副大臣・武見敬三氏にこれからの社会保障を聞く!

2014/06/01

―ズバリ武見先生から見て、柔整の問題点は、どこだと思われますか。お考えをお聞かせください。

柔整は社団の他にも幾つも個人契約の組織があり、それによって業界団体として全体を把握するのが難しい状況が現実にあります。やはり、こうした団体をしっかりと束ねて、柔道整復の業界全体を公正に掌握して、発展させていくための、そういった原動力となるような仕組みをやはり作るべきだと思います。日本柔道整復師会が柔道整復師の公の組織として、公的な社会活動をしっかり担われていますが、片やその他の個人契約の分野のシェアはかなりを占めていますので、従って一環した政策を実施したりすることが中々出来ずに極めて短期的な視野から自分たちだけが良ければいいという考え方で動くような人たちまでがいて、結果として全体の足を引っ張っているという現実があると思います。やはりそういうことが無いようにするにはどうしたら良いかということを考えていかなければいけないでしょうね。

 

―武見先生のお力添えで日本の柔道整復は世界の民族医療に〝柔道セラピー〟として仲間入りしましたが、医療先進国、日本において、なお存続している柔道整復は医療先進国ばかりでなく発展途上国においても有用性が高いとしてモンゴル国等で柔整師がJICAの草の根活動で国際交流を通して医療支援と医療指導を8年間くらい行っております。このことも武見先生のお力添えがあったからこそだと思います。こういった活動を今後も展開されていくと思いますが、何かご助言等がございましたら?

既にWHOでオルタナティブ・メディスンという、そうした伝統医療にかかわる報告書では、日本の伝統医療の1つとして柔道セラピーがキチンと認知されるようになり、これは一つの大きな進歩であったと思います。これに加えて今度はモンゴル国であるとか、或いは南太平洋の島国であるとか、そういったところとの交流が現実に行われ、しかもモンゴルのケースはJICAもこれを支援して、かなり具体的なプログラムとして発展してきております。私もJICAの支援を取り付ける時にご協力するなどしましたが、やはり医療資源が無い途上国や医療過疎地において柔道整復という技術が一定の効果をもたらしていることは大いに想像できるところであります。そういった観点から柔道整復の国際的な活動というものを展開していかれることを大いに期待しています。又、そういった対外的な活動を展開することで、国内的にも柔道整復という伝統医療に対する幅広い理解を得るという努力につながってくると思います。

 

●武見敬三氏プロフィール

参議院議院議員(3期・自由民主党)
【経歴】
1951年11月5日 元世界医師会会長・日本医師会会長 武見太郎の三男として生まれる。1957年 慶応義塾幼稚舎入学。1974年 慶應義塾大学法学部政治学科卒業。1976年 海外留学を含め、学問の世界へとのめり込む。1984年 夜のテレビ番組「CNNデイ・ウォッチ」で約三年間アンカーマンを勤める。1987年 テレビ朝日の「モーニングショー」のメインキャスターとして、総合司会を勤める。 1995年 東海大学教授となり、日本医師連盟の推薦のもと参議院議員初当選。2001年 参議院二期目再選。議員期間中は外務政務次官を初めに厚生労働副大臣まで数多くの役職を担う。2006年 国連事務総長下のハイレベル委員会委員に就任。2007年 日本医師会総合政策研究機構(日医総研)特別研究員に就任、及び、ハーバード大学公衆衛生大学院及び日米関係プログラム客員研究員に就任。渡米。2008年 日本国際交流センターシニアフェロー就任(Senior Fellow, Japan Center for Int’l Exchange)長崎大学医学部客員教授就任。2009年 7月帰国。2012年、現職。

 

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