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これだけは知っておいて
【第49回:「柔道整復」の社会貢献について考える】

2019/02/01

明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦

私たちは「柔道整復施術」により患者さんの「痛み」や「苦しみ・辛さ」を取り除きます。また、「柔道」やスポーツにより地域住民の皆様の健康増進と礼節を高めます。
「柔道整復」の冠についている「柔道」は明治15(1882)年に嘉納治五郎先生によって創設されました。 

「精力善用」「自他共栄」は嘉納先生の残された言葉の中で特に有名です。
「精力善用」とは自身の能力を柔道のみならず社会全般に活用しなさい.ということ。
「自他共栄」とは精力善用をもって社会に貢献しなさい.という教えです。

「柔道」が生まれる以前は武術である「柔術」が主流でした。柔術は技と勝利の追求が第一義であったと思います。己とその流派の隆盛のために闘うと言い換えてもいいでしょう。
「柔道」は柔道で培った様々なものを人生に活かし社会に貢献・還元する「柔(やわら)の道」です。

「柔道整復」もそのような「道」を持つ日本で生まれた素晴らしい伝統医学だと言えます。初検から治癒に至るまで一人の柔道整復師が診ることが出来る地域密着で完結的な日本の風土に合った医療と言えます。また、電力や特別な器具がなくとも「良質な柔道整復施術」を幾度の大震災、大災害で被災された患者さんに提供できました。骨を接ぐこと、外れた関節を整復すること、捻じったり打ったりした部位を施療することが柔道整復師の仕事であることも再認識されたと思います。

最後に嘉納治五郎先生は「伝統とは形を継承することを言わず.その魂・精神を継承することを言う」また、「講道館の柔道の目的とするところは単に肉体的の練習にとどまらずして、その原理を社会生活万般のことに応用するところにある。技術面のことのみ留意して、精神面のことを忘れている者が決して少なくない。講道館はその目的のために活動していかなくてはならない」と言われています。
我々柔道整復師は「ほねつぎ」の魂・精神を継承できるだろうか?拝金主義に陥り「お金儲け」だけに奔走していないだろうか?

後世に「良質な柔道整復」を継承出来るか否かは現在の柔道整復師に懸かっています。
いま我々に必要なのは、動くこと。公益社団法人日本柔道整復師会は「匠の技 伝承」プロジェクトで骨折・脱臼の整復固定の技術と「ほねつぎ」の魂と精神を伝承いたします。

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