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これだけは知っておいて
【第48回:平成最後のお正月にあたって】

2019/01/01

明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦

新年あけましておめでとうございます。平成最後のお正月にあたり謹んでご挨拶申し上げます。
本年も柔整ホットニュースの活用をよろしくお願いいたします。

私事ですが昭和33(1958)年生まれですから昭和を30年間、平成を30年間過ごしてきたことになります。

小学1年生の時、東京オリンピック(1964)、小学6年生の時、大阪万博(1970)を経験し、今また、東京オリンピック(2020)、大阪万博(2025)が開催されます。歴史は繰り返すと申しますが共に55年後に同都市で同イベントが催されます。

1964年の東京オリンピックは現地で見れませんでしたがテレビで見た日本勢金メダル第1号の重量挙げの三宅義信選手、東洋の魔女の日本女子バレーボールチーム、ローマ、東京連続金メダルに輝いた男子マラソンのアベベ・ビキラ選手、男子100mのボブ・ヘイズ選手など勇姿が脳裏に浮かびます。

1970年大阪万博は、近いこともあり10回以上、シンボルである太陽の塔、アメリカ館の月の石や国外内の多くのパビリオンを回り、鉄腕アトムのお茶の水博士になったような気分になった記憶がある。両イベント共に小学生の私に肉体と精神的な限界への挑戦と京都から日本、日本から世界、世界から宇宙という枠組みの無限さと大きさを教えてくれた。

大阪万博が開催された1970年の4月14日に法律第19号として、それまでの「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師等に関する法律」から分離独立し「柔道整復師法」が制定されました。1968年から国会請願と法案提出が行われ、2年間の審査、質疑を行っていただき、当時の自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党による超党派の賛成により制定されました。

法案起草から全会一致で可決まで冒頭、常に述べられた「柔道整復術の趣意説明」は

柔道整復術は、日本において長い伝統のもとに発達してきた非観血的手技整復療法として医療の分野を担い西洋医学の導入研究と相まち、現代においても必要欠くべからざる治療技術として国民大衆の支持を受けているのであります。柔道整復師の場合、その沿革などにおいて、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等とは異なる独自の存在を有しており、その施術の対象ももっぱら骨折、脱臼の非観血的徒手整復を含めた打撲、捻挫など新鮮なる負傷に限られているのであります。

とあります。
柔道整復術の根幹は骨折、脱臼の非観血的徒手整復と固定です。骨折、脱臼の治療が出来るからこそ柔道整復師が「機能訓練指導員」にも「介護支援専門員」にもなれるのです。単独法となり48年間が経ち、時代に則した「柔道整復師法」の改正が行われるでしょうがこの柔道整復術の趣意が変わることはありません。

2019年度から日本柔道整復師会では「匠の技アカデミー」プロジェクトを立ち上げ、数年間は、骨折・脱臼の整復固定を教えられる指導者育成を行い、その後、育成された指導者による全国展開のアカデミーを行う予定です。また、ネット配信による「アカデミー」も行う予定です。

「柔道整復師法」制定当時のように医療機関との連携のもと全国の接骨院に骨折、脱臼の患者さんが普通に来院できるようにする長期的なプロジェクトです。若い世代に「柔道整復師の匠の技」を継承するためのプロジェクトです。日本で生まれ育った伝統ある柔道整復師の「匠の技」継承の力添えをお願いいたします。

2020年の東京オリンピック、2025年の大阪万博というビックイベントに負けない柔道整復師の若い世代に夢と希望を与えられる業界とすることが私たち現役の役目だと認識しております。

結びにあたりまして、関係各位の皆様にとりまして今年一年が素晴らしい年となることとともにご繁栄とご健勝を祈念申し上げます。

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